変わり者のフルーツたちに溺愛されてます。
「あれ?おっかしいなぁ...」
トイレには無事に行けた。
でも問題はその後だった。
帰り道が分からなくなってしまったのだ。
まずい。早く戻らないと心配かけるかも。
廊下を歩いていると、急に外に出た。
中庭だ。
大きな噴水が置いてあって、他には何もない。
水が流れる音が心地いい。
...あれ?誰かがいる!
暗闇のなか目をこらすと、深緑の髪の人が座ってうつむいている。
具合が悪いのかな?
私はどうしても放っておくことができずに、声をかけた。
「あのー...こんばんは」
「!」
「具合が悪かったりしますか?大丈夫ですか?」
「い、いや...大丈夫だ。すまない」
「それならよかったです」
話しかけたのにこのまま立ち去るのもな、と思って私は男の人の隣に座る。
名前を聞こうとしたけど、まずは自分から名乗るべきだよね。
「あの、私、ヒナといいます」
「ヒナ?イトではなくて?」
「ああ、私はイトさんとは別の異世界人なんです」
「そうなのですか」
「ああ、ちょっと待って。敬語は...あんまり好きじゃないんです」
「...いや、だが」
「お願いします、ね?」
「...分かった。俺はセシスだ」
「セシスさんは、どうしてここに?」
「俺があそこにいたら、皆気分が悪いだろう」
「ど、どうしてですか?」
「どうしてって...アボカドは嫌じゃないのか?」
「???」
何でここでアボカドが出てくるのか分からない。
「もしかして見えないのか?俺の隣に、書いてあるだろう?アボカドと」
「えっ、見えません...」
「他の人のものも?」
「はい。それにしても、何故アボカドは駄目なんですか?」
「...アボカドは果物だが、野菜だと勘違いする者もいる」
ああ、果物と野菜は敵対しているんだっけ...
でも、セシスさんは何も悪くないのに。
アボカドだって悪くないのに。
悲しいな...
「セシスさんのおかげで、知らなかったことが知れました!」
「それはよかった」
「とはいっても、見れないことには変わりないんですけど...あっ、そういえば私迷子なんだった!」
「迷子?」
「はい、帰り道が分からなくて...」
「ヒナ?ヒナじゃないか?」
聞き覚えのある声がして、周りを見渡す。
ニアさんが駆け寄ってきた。
「おい、こんなところにいたのかよ。心配したんだからな」
「ご、ごめんなさい...」
「ほら、戻るぞ」
「あっ、セシスさん...ありがとうございました」
「ああ」
私はあっという間に会場に連れ戻された。
あーあ、もうちょっと話したかったのに...
皆に心配されたり、怒られたりして、パーティーは終わった。
トイレには無事に行けた。
でも問題はその後だった。
帰り道が分からなくなってしまったのだ。
まずい。早く戻らないと心配かけるかも。
廊下を歩いていると、急に外に出た。
中庭だ。
大きな噴水が置いてあって、他には何もない。
水が流れる音が心地いい。
...あれ?誰かがいる!
暗闇のなか目をこらすと、深緑の髪の人が座ってうつむいている。
具合が悪いのかな?
私はどうしても放っておくことができずに、声をかけた。
「あのー...こんばんは」
「!」
「具合が悪かったりしますか?大丈夫ですか?」
「い、いや...大丈夫だ。すまない」
「それならよかったです」
話しかけたのにこのまま立ち去るのもな、と思って私は男の人の隣に座る。
名前を聞こうとしたけど、まずは自分から名乗るべきだよね。
「あの、私、ヒナといいます」
「ヒナ?イトではなくて?」
「ああ、私はイトさんとは別の異世界人なんです」
「そうなのですか」
「ああ、ちょっと待って。敬語は...あんまり好きじゃないんです」
「...いや、だが」
「お願いします、ね?」
「...分かった。俺はセシスだ」
「セシスさんは、どうしてここに?」
「俺があそこにいたら、皆気分が悪いだろう」
「ど、どうしてですか?」
「どうしてって...アボカドは嫌じゃないのか?」
「???」
何でここでアボカドが出てくるのか分からない。
「もしかして見えないのか?俺の隣に、書いてあるだろう?アボカドと」
「えっ、見えません...」
「他の人のものも?」
「はい。それにしても、何故アボカドは駄目なんですか?」
「...アボカドは果物だが、野菜だと勘違いする者もいる」
ああ、果物と野菜は敵対しているんだっけ...
でも、セシスさんは何も悪くないのに。
アボカドだって悪くないのに。
悲しいな...
「セシスさんのおかげで、知らなかったことが知れました!」
「それはよかった」
「とはいっても、見れないことには変わりないんですけど...あっ、そういえば私迷子なんだった!」
「迷子?」
「はい、帰り道が分からなくて...」
「ヒナ?ヒナじゃないか?」
聞き覚えのある声がして、周りを見渡す。
ニアさんが駆け寄ってきた。
「おい、こんなところにいたのかよ。心配したんだからな」
「ご、ごめんなさい...」
「ほら、戻るぞ」
「あっ、セシスさん...ありがとうございました」
「ああ」
私はあっという間に会場に連れ戻された。
あーあ、もうちょっと話したかったのに...
皆に心配されたり、怒られたりして、パーティーは終わった。