変わり者のフルーツたちに溺愛されてます。
「えっ...パーティー...王宮...」
私は情けない声を出した。
リオンが励ますように声をかけてくれる。
「大丈夫だよ、ヒナが目立つ予定はないし、俺がエスコートするから」
「ちなみに僕も護衛するから!」
横からレビも手を挙げてアピールしてくる。
そっか、もうすでに異世界人がいるんだもんね。
それに、一応ダンスのレッスンはしているし、先生からも褒められてるし!
パーティーもなんだか楽しそうに思えてきたかも!
「分かった、パーティーに出る!」
「よかった...!ドレスやアクセサリーは俺たちに任せて」
それは安心だ。
私にはセンスというものがないから。
パーティー当日、私は張り切った侍女さんたちによって綺麗に着飾られていた。
ドレスは上品なマスタード色。
レビは自分の色だと嬉しそうだが、リオンは少し不服そうだ。
「可愛い...けど...」
「リオンの色はちょっと目立っちゃうから...でも、ほら!このネックレス!」
私が取り出したのは、綺麗に輝くピンクスピネルが付いたネックレスだ。
これを着けてリオンの隣に並べば、すぐにリオンの髪と揃いだと分かるだろう。
ご機嫌をとるように、私はネックレスを差し出した。
「ほら、着けてくれる?私の旦那様」
「もちろんだよ」
ころりと、リオンが態度を変える。
全く、現金な旦那様だこと。
ご機嫌になって、私のつむじにキスを落としまくっている。
今度はレビが不機嫌になる番だ。
「レビ、頼りにしてるよ。守ってくれるんでしょ?」
「言われずとも。その代わりに、帰ってきたらご褒美ちょうだい」
「しょうがないなぁ」
ふう、二人の機嫌をとらないといけないって大変。
この世界の女の人たち、よくやってるなあ。
......ちなみにこの世界の女はお気に入りの旦那は大切にするが、それ以外はただのお飾りでステータスだったりする。全ての旦那と平等に接することなんてそうそうないのである。......
それからパーティー会場に到着して、国王へいか?とか、王子様とかが出てきたりした。
王子様なんか6人くらいいて、名前がめちゃくちゃ長いの!
絶対覚えられないな......
そして、お待ちかねの異世界人様登場!
イトさん、だったかな。
とても綺麗で、少し気の強そうな顔をしていた。
髪の色は私と同じで真っ黒。ドレスは真っ赤だ。
年は私と近いと思う。20代前半じゃないかな?
へえーって感じで終わった。
そして何より、ご飯が美味しい!
私がダンスをしている人たちを横目にケーキを頬張っていると、リオンがおずおずと声をかけてきた。
「...ヒナ、ダンスを踊るのは嫌?」
「...嫌じゃないよ」
そうだ。嫌じゃない。
ちょっと緊張しているけど。
リオンが大げさに腰を折る。
おまけに上目遣いでウインクまで。
「お姫様、俺と踊ってくださいますか?」
「ええ」
私はリオンの手をとった。
いざ踊り始めると楽しくて、段々周りは気にならなくなった。
ときどきリオンと目があって、微笑みあう。
ああ、幸せだなぁ。
曲が終わって周りを見ると、踊っていたのは私たちだけだった。
はっ...!
目立たないようにって思ってたのに!
大きな拍手を送られる。
ちょっと嬉しいかも。
私たちが踊り終えると、イトさんが近づいてきた。
リオンと私のことをじっくり見た後、話しかけられる。
「ごきげんよう。お名前を伺っても?ああ、私のことは知っているわよね?」
「はい。勿論でございます。私、二番隊に所属しております、リオンと申します。こちらは妻のヒナでございます。お見知りおきを」
「ふうん。リオンねぇ。髪が赤っぽいけど、種類は何なのかしら」
「...ドラゴンフルーツでございます」
「まあまあ強いの?」
「...騎士の名に恥じぬよう、日々鍛練に励んでおります」
イトさんは色々とリオンに質問しながら、べったりとリオンにくっついている。
...ちょっともやもやする。
私が妻って言ったのが聞こえなかったのかな?うーん...
っていうか、何だかトイレに行きたくなってきちゃった。
レビを探して、会場を見渡す。
レビが騎士さんと話しているのが確認できた。
たぶん真面目な話だろう。
トイレくらい、1人でも大丈夫だよね?
もう結構限界だし...
私は情けない声を出した。
リオンが励ますように声をかけてくれる。
「大丈夫だよ、ヒナが目立つ予定はないし、俺がエスコートするから」
「ちなみに僕も護衛するから!」
横からレビも手を挙げてアピールしてくる。
そっか、もうすでに異世界人がいるんだもんね。
それに、一応ダンスのレッスンはしているし、先生からも褒められてるし!
パーティーもなんだか楽しそうに思えてきたかも!
「分かった、パーティーに出る!」
「よかった...!ドレスやアクセサリーは俺たちに任せて」
それは安心だ。
私にはセンスというものがないから。
パーティー当日、私は張り切った侍女さんたちによって綺麗に着飾られていた。
ドレスは上品なマスタード色。
レビは自分の色だと嬉しそうだが、リオンは少し不服そうだ。
「可愛い...けど...」
「リオンの色はちょっと目立っちゃうから...でも、ほら!このネックレス!」
私が取り出したのは、綺麗に輝くピンクスピネルが付いたネックレスだ。
これを着けてリオンの隣に並べば、すぐにリオンの髪と揃いだと分かるだろう。
ご機嫌をとるように、私はネックレスを差し出した。
「ほら、着けてくれる?私の旦那様」
「もちろんだよ」
ころりと、リオンが態度を変える。
全く、現金な旦那様だこと。
ご機嫌になって、私のつむじにキスを落としまくっている。
今度はレビが不機嫌になる番だ。
「レビ、頼りにしてるよ。守ってくれるんでしょ?」
「言われずとも。その代わりに、帰ってきたらご褒美ちょうだい」
「しょうがないなぁ」
ふう、二人の機嫌をとらないといけないって大変。
この世界の女の人たち、よくやってるなあ。
......ちなみにこの世界の女はお気に入りの旦那は大切にするが、それ以外はただのお飾りでステータスだったりする。全ての旦那と平等に接することなんてそうそうないのである。......
それからパーティー会場に到着して、国王へいか?とか、王子様とかが出てきたりした。
王子様なんか6人くらいいて、名前がめちゃくちゃ長いの!
絶対覚えられないな......
そして、お待ちかねの異世界人様登場!
イトさん、だったかな。
とても綺麗で、少し気の強そうな顔をしていた。
髪の色は私と同じで真っ黒。ドレスは真っ赤だ。
年は私と近いと思う。20代前半じゃないかな?
へえーって感じで終わった。
そして何より、ご飯が美味しい!
私がダンスをしている人たちを横目にケーキを頬張っていると、リオンがおずおずと声をかけてきた。
「...ヒナ、ダンスを踊るのは嫌?」
「...嫌じゃないよ」
そうだ。嫌じゃない。
ちょっと緊張しているけど。
リオンが大げさに腰を折る。
おまけに上目遣いでウインクまで。
「お姫様、俺と踊ってくださいますか?」
「ええ」
私はリオンの手をとった。
いざ踊り始めると楽しくて、段々周りは気にならなくなった。
ときどきリオンと目があって、微笑みあう。
ああ、幸せだなぁ。
曲が終わって周りを見ると、踊っていたのは私たちだけだった。
はっ...!
目立たないようにって思ってたのに!
大きな拍手を送られる。
ちょっと嬉しいかも。
私たちが踊り終えると、イトさんが近づいてきた。
リオンと私のことをじっくり見た後、話しかけられる。
「ごきげんよう。お名前を伺っても?ああ、私のことは知っているわよね?」
「はい。勿論でございます。私、二番隊に所属しております、リオンと申します。こちらは妻のヒナでございます。お見知りおきを」
「ふうん。リオンねぇ。髪が赤っぽいけど、種類は何なのかしら」
「...ドラゴンフルーツでございます」
「まあまあ強いの?」
「...騎士の名に恥じぬよう、日々鍛練に励んでおります」
イトさんは色々とリオンに質問しながら、べったりとリオンにくっついている。
...ちょっともやもやする。
私が妻って言ったのが聞こえなかったのかな?うーん...
っていうか、何だかトイレに行きたくなってきちゃった。
レビを探して、会場を見渡す。
レビが騎士さんと話しているのが確認できた。
たぶん真面目な話だろう。
トイレくらい、1人でも大丈夫だよね?
もう結構限界だし...