変わり者のフルーツたちに溺愛されてます。
「な...何をするんですか!」
「おや、これは異世界人様。ただの訓練ですよ」
訓練?そんなひどい。
装備が全然違うじゃないの。レビは丸腰なのに、この人はちゃっかり防御もして木刀を握っている。
私はオレンジの人を睨むのを止めて、レビを抱えあげる。
ぐぅ、重い。想像の5倍重い。
さすが騎士さん......
何とか歩きはじめると、オレンジ(もう呼び捨てでいいか)が声をかけてくる。
「どこに行かれるんです?」
こういうときは無視。
オレンジはそれがイラッときたようで、口調が悪くなった。
「おい、ソイツを降ろせって言ってんだよ」
「嫌です」
「何だと?ただの女のくせに!」
オレンジに殴られそうになる。
レビを抱えている私に避けることなんてできるわけもなく。
パアン!
頬に痛みが走った。
くそう、こいつめ。
でもザマミロ。これでちょっとは罰が与えられるんじゃないの?
オレンジがまだ殴り足りないようだったから、言ってみた。
「そんなことして大丈夫なの?無抵抗の女に暴力ふるうなんて」
「はん。俺はな、異世界人様...イト様のお気に入りなんだよ」
なるほど。もう一人異世界人がいるのね。イトってことは日本人かな。
あれ、じゃあヤバくね?
さっさと逃げないと。力では勝てない。
私が逃げようとすると、オレンジはおもむろに木刀を構えた。
待て、早まるな!
こいつ、女相手でも容赦なしだな!
せめてレビだけでも庇わないと。これ以上ダメージをうけたら大変だ。
木刀が振りかざされた、その時だった。
「ぐはっ......」
オレンジが吹き飛んだ。
え?
さっきまでオレンジが立っていたところには、ニアさんが立っている。
まさか...
「馬鹿だな。女に...しかも異世界人様に木刀を振りかざすなんて」
「......」
「お前もお前だ。あんなに煽るんじゃない」
「ごめんなさい...」
確かに私もちょっと悪かった。
でも一番はオレンジだと思うんだよね。
「...あ、それよりもレビ!大丈夫!?」
「うう...」
ゆっくりと、レビが目を開いた。
「よかった...!」
「ごめん、ヒナ。僕...」
ほっとした瞬間、涙が出てきた。
「ヒナ!!」
「だ、だいじょうぶ。ほっとしたら...」
「ヒナ...」
「よかったよお、ぶじで...」
「心配かけて、ごめん」
レビがぎゅっと抱き締めてくれる。私も抱き締め返した。
「こ、こわかった」
「そうだよね。...もしかして、他にも何かされた?」
「!...ううん、何も」
「...そっか」
そこにニアさんがやって来て、手をひらひらと振った。
「おい、そろそろ医務室に行け。ヒナは俺が送り届けるから」
「...分かったよ」
「...はい、ほっぺた見せろ」
レビが去った途端に、そう言われる。
「気づいてたんですね」
「まあな」
するっと頬に手を添えられた。
ニアさんの手は冷たい。
ふと、頬が暖かくなった。
「...?」
「ちょっとした回復魔法。マシになったか?」
「は、はい!魔法って凄いですね...なんだかぽかぽかして、気持ちいいです」
「......んんっ。ま、あの隊長はタダでは済まないだろうから、安心しろ」
「はい!今日は本当にありがとうございました!」
「......また、ここに来るか?」
「え?ええ、まあ、来るかもしれません」
「今度は、二番隊に来い」
「二番隊?」
リオンのところか。そういえば、ニアさんも二番隊の隊長なんだっけ。
「分かりました!待っててくださいね」
「ああ...」
「おや、これは異世界人様。ただの訓練ですよ」
訓練?そんなひどい。
装備が全然違うじゃないの。レビは丸腰なのに、この人はちゃっかり防御もして木刀を握っている。
私はオレンジの人を睨むのを止めて、レビを抱えあげる。
ぐぅ、重い。想像の5倍重い。
さすが騎士さん......
何とか歩きはじめると、オレンジ(もう呼び捨てでいいか)が声をかけてくる。
「どこに行かれるんです?」
こういうときは無視。
オレンジはそれがイラッときたようで、口調が悪くなった。
「おい、ソイツを降ろせって言ってんだよ」
「嫌です」
「何だと?ただの女のくせに!」
オレンジに殴られそうになる。
レビを抱えている私に避けることなんてできるわけもなく。
パアン!
頬に痛みが走った。
くそう、こいつめ。
でもザマミロ。これでちょっとは罰が与えられるんじゃないの?
オレンジがまだ殴り足りないようだったから、言ってみた。
「そんなことして大丈夫なの?無抵抗の女に暴力ふるうなんて」
「はん。俺はな、異世界人様...イト様のお気に入りなんだよ」
なるほど。もう一人異世界人がいるのね。イトってことは日本人かな。
あれ、じゃあヤバくね?
さっさと逃げないと。力では勝てない。
私が逃げようとすると、オレンジはおもむろに木刀を構えた。
待て、早まるな!
こいつ、女相手でも容赦なしだな!
せめてレビだけでも庇わないと。これ以上ダメージをうけたら大変だ。
木刀が振りかざされた、その時だった。
「ぐはっ......」
オレンジが吹き飛んだ。
え?
さっきまでオレンジが立っていたところには、ニアさんが立っている。
まさか...
「馬鹿だな。女に...しかも異世界人様に木刀を振りかざすなんて」
「......」
「お前もお前だ。あんなに煽るんじゃない」
「ごめんなさい...」
確かに私もちょっと悪かった。
でも一番はオレンジだと思うんだよね。
「...あ、それよりもレビ!大丈夫!?」
「うう...」
ゆっくりと、レビが目を開いた。
「よかった...!」
「ごめん、ヒナ。僕...」
ほっとした瞬間、涙が出てきた。
「ヒナ!!」
「だ、だいじょうぶ。ほっとしたら...」
「ヒナ...」
「よかったよお、ぶじで...」
「心配かけて、ごめん」
レビがぎゅっと抱き締めてくれる。私も抱き締め返した。
「こ、こわかった」
「そうだよね。...もしかして、他にも何かされた?」
「!...ううん、何も」
「...そっか」
そこにニアさんがやって来て、手をひらひらと振った。
「おい、そろそろ医務室に行け。ヒナは俺が送り届けるから」
「...分かったよ」
「...はい、ほっぺた見せろ」
レビが去った途端に、そう言われる。
「気づいてたんですね」
「まあな」
するっと頬に手を添えられた。
ニアさんの手は冷たい。
ふと、頬が暖かくなった。
「...?」
「ちょっとした回復魔法。マシになったか?」
「は、はい!魔法って凄いですね...なんだかぽかぽかして、気持ちいいです」
「......んんっ。ま、あの隊長はタダでは済まないだろうから、安心しろ」
「はい!今日は本当にありがとうございました!」
「......また、ここに来るか?」
「え?ええ、まあ、来るかもしれません」
「今度は、二番隊に来い」
「二番隊?」
リオンのところか。そういえば、ニアさんも二番隊の隊長なんだっけ。
「分かりました!待っててくださいね」
「ああ...」