- 閲覧前にご確認ください -

逆ハーです。

文字サイズ変更

変わり者のフルーツたちに溺愛されてます。

#12

トラブル

「な...何をするんですか!」
「おや、これは異世界人様。ただの訓練ですよ」

訓練?そんなひどい。
装備が全然違うじゃないの。レビは丸腰なのに、この人はちゃっかり防御もして木刀を握っている。
私はオレンジの人を睨むのを止めて、レビを抱えあげる。
ぐぅ、重い。想像の5倍重い。
さすが騎士さん......

何とか歩きはじめると、オレンジ(もう呼び捨てでいいか)が声をかけてくる。

「どこに行かれるんです?」

こういうときは無視。
オレンジはそれがイラッときたようで、口調が悪くなった。

「おい、ソイツを降ろせって言ってんだよ」
「嫌です」
「何だと?ただの女のくせに!」

オレンジに殴られそうになる。
レビを抱えている私に避けることなんてできるわけもなく。

パアン!

頬に痛みが走った。
くそう、こいつめ。
でもザマミロ。これでちょっとは罰が与えられるんじゃないの?
オレンジがまだ殴り足りないようだったから、言ってみた。

「そんなことして大丈夫なの?無抵抗の女に暴力ふるうなんて」
「はん。俺はな、異世界人様...イト様のお気に入りなんだよ」

なるほど。もう一人異世界人がいるのね。イトってことは日本人かな。
あれ、じゃあヤバくね?
さっさと逃げないと。力では勝てない。

私が逃げようとすると、オレンジはおもむろに木刀を構えた。
待て、早まるな!
こいつ、女相手でも容赦なしだな!
せめてレビだけでも庇わないと。これ以上ダメージをうけたら大変だ。
木刀が振りかざされた、その時だった。

「ぐはっ......」

オレンジが吹き飛んだ。
え?
さっきまでオレンジが立っていたところには、ニアさんが立っている。
まさか...

「馬鹿だな。女に...しかも異世界人様に木刀を振りかざすなんて」
「......」
「お前もお前だ。あんなに煽るんじゃない」
「ごめんなさい...」

確かに私もちょっと悪かった。
でも一番はオレンジだと思うんだよね。

「...あ、それよりもレビ!大丈夫!?」
「うう...」

ゆっくりと、レビが目を開いた。

「よかった...!」
「ごめん、ヒナ。僕...」

ほっとした瞬間、涙が出てきた。

「ヒナ!!」
「だ、だいじょうぶ。ほっとしたら...」
「ヒナ...」
「よかったよお、ぶじで...」
「心配かけて、ごめん」

レビがぎゅっと抱き締めてくれる。私も抱き締め返した。

「こ、こわかった」
「そうだよね。...もしかして、他にも何かされた?」
「!...ううん、何も」
「...そっか」

そこにニアさんがやって来て、手をひらひらと振った。

「おい、そろそろ医務室に行け。ヒナは俺が送り届けるから」
「...分かったよ」


「...はい、ほっぺた見せろ」

レビが去った途端に、そう言われる。

「気づいてたんですね」
「まあな」

するっと頬に手を添えられた。
ニアさんの手は冷たい。
ふと、頬が暖かくなった。

「...?」
「ちょっとした回復魔法。マシになったか?」
「は、はい!魔法って凄いですね...なんだかぽかぽかして、気持ちいいです」
「......んんっ。ま、あの隊長はタダでは済まないだろうから、安心しろ」
「はい!今日は本当にありがとうございました!」

「......また、ここに来るか?」
「え?ええ、まあ、来るかもしれません」
「今度は、二番隊に来い」
「二番隊?」

リオンのところか。そういえば、ニアさんも二番隊の隊長なんだっけ。

「分かりました!待っててくださいね」
「ああ...」

作者メッセージ

イケメンが性格もイケメンとは限らないんですねぇ。うんうん。

2025/04/13 08:51

まっちゃん ID:≫ 7tcdpCk/fMi.Q
続きを執筆
小説を編集

パスワードをおぼえている場合はご自分で小説を削除してください。(削除方法
自分で削除するのは面倒くさい、忍びない、自分の責任にしたくない、などの理由で削除を依頼するのは絶対におやめください。

→本当に小説のパスワードを忘れてしまった
▼小説の削除を依頼する

小説削除依頼フォーム

お名前 ※必須
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
削除の理由 ※必須

なぜこの小説の削除を依頼したいですか

ご自分で投稿した小説ですか? ※必須

この小説は、あなたが投稿した小説で間違いありませんか?

削除後に復旧はできません※必須

削除したあとに復旧はできません。クレームも受け付けません。

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL
/ 12

コメント
[0]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL