「生きることは愛すること」　誰かが言ったこの言葉
刃のように突き刺さり　欠けた心に鈍く響いた

誰も愛せない私は　その言葉に縛られて
何をしようが空っぽで　ただ息をして
酸素を無駄にしただけ

愛せないなら　生きられない？
投げかけてみた　私を覆う深い闇に
返ってきたのは　静寂のみで
ただ続く時間の中で　沈む心だけ
時が止まった

誰も愛せない私は　その言葉に縛られて
存在するだけ　世界の異端者
でも時々思うんだ
もし愛せたら　何かが変わったのかも、と。

もし愛せたら　どうなっただろう
きっと世界に貢献し　必要とされ　愛される瞬間があったかも？
例え幻だって　構わない　夢が壊れたって　構わないから
「そうなれば良かった」と　二度と思わずに済めばいい

愛せないなら　生きられない？
絞り出したその問いさえ　私の心を締め付ける

想いは軋み　音を立てて壊れてく
鼓動さえ　声でさえ　自分の物とは思えないほど

静かに　清く　静かに　穢す
無音の中　私の心を塗り潰す。

愛せたなら　生きられる？
消えゆく問いだけ　闇に溶けてゆく