二次創作
〇〇しようね、芥川くん
うちには芥川龍之介という青年がいる。私が飼っている。彼はかつて存在したポートマフィアの一員、だったという。
彼は今、私に飼われている。私は彼をとても大切にしている。ご飯をたくさんあげて、丁寧にお風呂に入れている。私が仕事から帰って来たら、いっぱいよしよししてあげる。今日もお留守番できて偉いね、ありがとうね、かわいいねって頭を撫でて、お菓子をあげて、存分に甘やかす。二人の幸せな時間。彼はいつも不服そうに黙っているけれど、本当は満更でもないと私は知っている。
「ただいま、芥川くん」
家に帰ったとき明かりがついているということが、案外ほっとするものなのだと、彼を飼いはじめてから知った。今日の芥川くんは、定位置である部屋の隅には居らず、台所に立っていた。包丁を掴んでいる。それを何に使うつもりなのかな。
「ただいまって言われたら、おかえりって言わなきゃ駄目だよ」
私は芥川くんに優しく教えてあげる。聞けば、芥川くんは元孤児らしい。ちゃんとした教育は受けられていないそうだ。可哀想な芥川くん。私がちゃんと、常識やルールを教えてあげるからね。
「芥川くん、私、包丁を持って飼い主を出迎えろなんて教えてないよ、そうだよね?」
私がそう言って頭を撫でると、芥川くんは青ざめた顔で包丁を取り落とした。包丁はさくりと音を立てて床に突き刺さる。
「ああ、もう、危ないなぁ。今度からはこんなことしちゃ駄目だよ」
私が心を込めてそう教えると、芥川くんは暫く私を睨みつけていたけれど、ぼそりと「…承知した…」と答えた。ね、ほら、芥川くんって本当は素直なの。その生い立ち、所属組織の瓦解と、辛いことがありすぎたから、少し捻くれてしまっただけ。根はいい子なんだ。
「もう私怒ってないよ、私こそ仕事遅くなってごめんね。すぐご飯つくるから、待ってて」
私は床に刺さったままの包丁を引き抜いて、元の場所に戻した。返事をしない芥川くんの手を握り、返事を促す。芥川くんは眉間に皺を寄せて私を見つめ、それから諦めたような声で「承知した」と答えた。
彼は今、私に飼われている。私は彼をとても大切にしている。ご飯をたくさんあげて、丁寧にお風呂に入れている。私が仕事から帰って来たら、いっぱいよしよししてあげる。今日もお留守番できて偉いね、ありがとうね、かわいいねって頭を撫でて、お菓子をあげて、存分に甘やかす。二人の幸せな時間。彼はいつも不服そうに黙っているけれど、本当は満更でもないと私は知っている。
「ただいま、芥川くん」
家に帰ったとき明かりがついているということが、案外ほっとするものなのだと、彼を飼いはじめてから知った。今日の芥川くんは、定位置である部屋の隅には居らず、台所に立っていた。包丁を掴んでいる。それを何に使うつもりなのかな。
「ただいまって言われたら、おかえりって言わなきゃ駄目だよ」
私は芥川くんに優しく教えてあげる。聞けば、芥川くんは元孤児らしい。ちゃんとした教育は受けられていないそうだ。可哀想な芥川くん。私がちゃんと、常識やルールを教えてあげるからね。
「芥川くん、私、包丁を持って飼い主を出迎えろなんて教えてないよ、そうだよね?」
私がそう言って頭を撫でると、芥川くんは青ざめた顔で包丁を取り落とした。包丁はさくりと音を立てて床に突き刺さる。
「ああ、もう、危ないなぁ。今度からはこんなことしちゃ駄目だよ」
私が心を込めてそう教えると、芥川くんは暫く私を睨みつけていたけれど、ぼそりと「…承知した…」と答えた。ね、ほら、芥川くんって本当は素直なの。その生い立ち、所属組織の瓦解と、辛いことがありすぎたから、少し捻くれてしまっただけ。根はいい子なんだ。
「もう私怒ってないよ、私こそ仕事遅くなってごめんね。すぐご飯つくるから、待ってて」
私は床に刺さったままの包丁を引き抜いて、元の場所に戻した。返事をしない芥川くんの手を握り、返事を促す。芥川くんは眉間に皺を寄せて私を見つめ、それから諦めたような声で「承知した」と答えた。