横浜　、　とある路地裏　。

？？？　「 …次、情報を吐かなかったらその瞬間、手前の頭と胴体が離れるぞ。これが最後だ。 」

黒い帽子を被った彼は、ナイフの切先を男に当ててそう恐喝する　。　

モブ　「　……。言うわけねぇだろ！お前みたいなチビに…！　」

男がそう言った瞬間、黒い帽子の彼の肩がぴくりと動いた　。

？？？&？？？「「　あ、　。　」」

角で見守っていた私と遊女のような女性の声が重なった瞬間、男の首は掻っ切られた　。　

？？？「　…いつまで見てんだよ　。　」

体に舞った血飛沫を拭い　、　此方を向いた彼に呼ばれて渋々出てくると　、　彼は大きくため息をついた　。

？？？「　姐さんだけじゃなくてお前もいんのかよ… 。　悠楽　。　」

悠楽「　だって中也だったら何かしらやりかねないもん　。　ねえ　、　姐さん　。　」

そう声をかけると　、　姐さん　… 改め　、尾崎紅葉はゆっくりと頷く　。

紅葉「　本当　。　中也なら何を起こしたとしてもそこまで疑問に思わんからな　。　」

中也「　酷すぎるだろ…… 」

悠楽「　とりあえず戻りましょう姐さん　。　とっとと戻らないと[漢字]首領[/漢字][ふりがな]ボス[/ふりがな]に怒られます　。　」

中也「　おい俺は？　」

いそいそと帰路を辿る私たちの後ろを黒の外套を羽織った中也が追いかけてきて　、　私たちは本拠地へと帰った　。





ポート・マフィア　、　本拠地　。

鷗外「　お疲れ様中原くん　。　紅葉くんも悠楽くんも見守り有難う　。　」

中也「　なんか子供のおつかいの番組みたいになってる…。　」

鴎外「　ああ　、あれは2人が申し出てくれたからだよ。　正直心配はしてなかったけど　、　念のため　、　ね　。　」

紅葉「　嗚呼　、　そういえば悠楽はこの後どうする？　一旦戻るか？　」

悠楽「　はい　、　一旦そうさせてもらいます　。　」

鴎外「　そうか。　中也くんも紅葉くんも今日はもう仕事回さないからゆっくりしていて構わないよ　。　悠楽くんも　、　お疲れ様　。　また今度　。　」

悠楽「　失礼しました　。　」

私はそのまま礼をして　、　部屋を出た　。　くるりと回った私はとあるビルへ向かった　。




武装探偵社　、　本社　。
悠楽「　失礼しま〜す　。　」

ドアを開けるとそこには会社の事務所のような光景が広がっていた　。　

太宰「　お　、　悠楽ちゃん　。　やっほ〜　。　」

国木田「　おい太宰！　話を逸らすな！　」

悠楽「　ああ… こんにちは… 」

いつも通りだが　、　騒がしい　。　賑やかだ　。

与謝野「　おお　、　悠楽か　。　いらっしゃい　。ポートマフィアからの帰りか？　」

悠楽「　あ　、　与謝野さん　。　そうです　。　ちょっとしたおつかいを済ませてきたところで… 」

鏡花「　あ、悠楽さん。　こんにちは　、　お茶淹れましょうか？　」

乱歩「　悠楽ちゃんいらっしゃい〜　。　五月蝿いけどゆっくりしてってよ　。　」

鏡花ちゃんと乱歩さんの歓迎も受けて　、　私は席に座る　。　

福澤「　誰かと思ったが　、　悠楽か　。　」

悠楽「　あ　、　社長　。　お邪魔してます　。　」

鏡花ちゃんからお茶を受け取って一口飲むと私の電話と　、　探偵社の電話が同時に鳴る　。　画面を見ると　。

悠楽「ポートマフィア… 。　」

そう呟くと社長が素早く受話器を取り　、　電話を始める　。　私も電話を取ると　、

悠楽「　はい　、　悠楽で–––– 。　」

芥川「　緊急だ　。　今は探偵社か？　今から向かう　。　」

簡潔に　、　焦りを含んだような話し方をする　、　芥川さんだった　。