「ちょっと、来てもらえるかな？」
と言われて、ついてきたが、一体何がどうなっているのだろうか。

ついた場所は、下級妃の宮の一つだった。
「君には、今日から下級妃になってもらう。」
（はっ！？）
えっ　なぜ、...............。
「詳しいことは、中で話そう。」
と言われ、中に入ると下級妃と言う割には、豪華な装飾のある部屋だった。

皇帝sido
「実は、雑木林の方で、怪しい術を使っているのを見たと言う者がいてな。」
私がこう言うと、眼の前にいる下女はちょっと動揺したように体を震わせた。
当たりかな。
「実は、色々と罠を仕掛けておいたんだよ。君は、術師......で合っているかな？」
「......はい........。それで、なぜ私が妃になる必要があるのでしょう。」
「ああ。それは、前の皇帝は術師を排除しようとしていたが、私は利用しようと思ってね。」
「・・・それ、利用される人に言っていいんですか。」
「同意のもとでやったほうが楽だろう。」
ただ、術の使える小娘だと思っていたが、皇帝に気安く言葉を投げれるほど肝が太いようだ。いや、私がそれだけで人を首にできる人間ではないと、見抜いているのだろうな。
ますます、面白い。
「最近、妙な事件が増えていてね。君には、事件を解決する役割をしてほしい。そのために、妃になる必要がある。」
「ええと、つまり術師である私が妃になり事件を解決する........ということですか？」
「そうだ。」
「本来の妃の役割を果たさなくてもいいと？」
本来なら、皇帝の子を成すために色々とあるのだが
「別に、構わない。問題を解決してくれるのなら。」
こう言うと、下女は喜んだように目を輝かせた。
「ただ、周りには、皇帝の意向で下女が下級妃になったわけだから、そういうフリは、しないとな。」
明らかに、落胆したような顔をした。分かりやすい。が、男の矜持に傷がつくな。
「.........わかりました。」
「それじゃあさっそく本題に入ろうか。」