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後宮の女術師、怪事件を解決する。

#3

皇帝

それから、女官が消えることはなくなった。
壺は古いものだが、とても精巧にできていて妖怪退治専門店に、売れば金貨十枚(十万円)はするだろう。
だが、だとしたら色々と不可解だ。
これだけ、高価なものなら当然頑丈で、壊れて間違って女官を、吸ってしまうなんてことはめったにない。
あるとしたら、元々この中には妖怪や幽鬼、それも強い者が入っていてそれを逃がしたときに蓋が、開いた。そのままになっていたから女官が、閉じ込められた。
こっちのほうが、しっくりくるけどあんまり考えたくないなー。
強い幽鬼や妖怪が、出回ったらそれこそ大問題だ。


昔から、幽鬼や妖怪は信じられていた。
だからこそ、術師が必要になった。
しかし、術師の力は、極めれば、国を滅ぼすことも治めることもできる。
前の皇帝は、それを恐れて術師廃止を命じた。
それでも、術師で金を稼いでいた者もいたから、一向に減らなかった。
前の皇帝は、術師を処刑すると言い出してしまった。
今は、皇帝が変わっていて、その法はほぼ廃止状態だが、バレて処刑されることも無いとは言い切れないー。


この壺、どうしようかな。
前に行った雑木林の何処かに隠して置けばバレないだろう。

雑木林の木が、特に多い茂った木の根元に隠しておいた。
そろそろ戻ろう。夕餉(ご飯)の時間だ。
雑木林を出て、道路を真っ直ぐに行こうとしたら、妙なものが視界に入った。
道路の端に、藁人形がおいてあった。
いや、待て。色々とおかしい。  壺の次は、藁人形って。
藁人形とは、人を呪うときに使う呪具だ。
手に持ってみると、あんまり上手に作られていない。素人だろう。
「まさか、こんな犬みたいな方法で連れるとは思わなかったですね~。陛下」
「ああ。」
声がした方を見ると、この世の者かと疑うほど綺麗な人間と、異国の者であろう茶髪の官がいた。
綺麗な男性の方は、[漢字]華・花龍[/漢字][ふりがな]カ・ファンリャン[/ふりがな]。今の皇帝だ。
それで、その皇帝がいるなんて何がどうなっているのだろう。
「お主、ちょっと来てもらえるかな?」
私、どうなるの―







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2024/01/20 09:46

魔王女 ID:≫.totarvKHCAJg
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