―それは突然のことだった。


























「――繋。」

ある日、親友でもあり、仕事の相棒でもあった作…織田作之助が僕に話しかけてきた。

「作…？どうしたの？浮かない顔して。」

僕は思ったことを素直に尋ねた。
答えはおおよそだが想像できていた。
――しばらく前から時々思いつめた表情を浮かべていたからだ。













「繋。[太字]俺は殺しの仕事をやめようと思う[/太字]。」













「えっ、、」

僕は大して驚かなかった。

予想が[漢字]中[/漢字][ふりがな]あた[/ふりがな]ったからだろうか。

「、、、、何で急に？」

僕は素直に尋ねた。

しかし、帰ってきた回答は、予想だにしなかったことだった。









「―[太字]夢ができたんだ[/太字]。」










「ゆ、夢って…何でそれが急にやめる理由になるの？別に、仕事続けながらでも―――」

「その夢を達成するには“人を殺してはいけないからだ”。」

「！…じゃぁ、どうやって稼ぐの？表の世界の仕事はできないし…」

「今は詳しくは決めてない…が、できる限り色々なところをあたってみようと思う。――――それじゃぁ」

「え、あ、ちょっと待てよ、作ー[斜体]‼[/斜体]」

作はそのままどこかへ消えてしまった。

僕はちゃんとした返事を返すことができなくて作と一緒に生活していた部屋で一人もやもやした[漢字]気持[/漢字][ふりがな]きもち[/ふりがな]を抱えた。












それから作に会うことは二度となかった。












――探偵社最大の事件………虎探しが始まる、４年前までは。