妄想小説
#1
NL
「●●さん、今いい?」
休み時間、騒がしい教室──
自分を呼ぶ声は紛れもない、彼の声だった。
普段全く話などしないのにどうしたんだろうか。
「大丈夫、やけど」
○○さんに震える声でそう伝える。
変に思われていないだろうか。
「これ、届けれる?」
彼が自分の手に紙を乗せる。
彼に手渡されたのは、今日欠席している友人の連絡物だった。
不安気に問う彼に勿論、肯定の返事以外の選択は無かった。
何しろ、彼の低い声が妙に耳に残って心音が大きくなるのを感じたのだから。
「いいよ」
「ありがとう」
そう言って彼は友人の方へと走って行ってしまった。
喜びもあったが、何より、その虚しさときたら無かった。
自身に話し掛ける理由はそんな用事だけでしか無いのかと。
「●●?これ見て」
友人の声に我に帰る。
友人が指したのは○○さんだった。
机に伏せていて、彼の友人らにつつかれている。
こういう所含め、やはり可愛いと思ってしまう。
「ははっ、マジやん」
「なぁ、あっち行こうで」
友人がおどけた様に言った。
内心喜びながらも心の奥に押し込む。
友人が話し掛ける。
「何しとん?」
「、、これ」
彼の友人が○○さんを指して答えた。
これ扱いされているのも何だか微笑ましい。
「、、ん」
彼は頭を上げると頭を左右に振った。
ふわふわとした髪の毛が可愛らしくて笑みが溢れる。
「寝癖みたいになっとるで、」
友人が彼の頭を触る。
友人だろうが、嫉妬してしまうものは仕方無い。
「、なに?」
眠たげな瞳でこちらを見てくる。
その時彼と目が合い、心臓が跳ねる様な感覚がした。
だが、彼に目を逸らされてしまった。
「あ、そろそろ予鈴鳴るで~」
「席帰るかぁ」
友人の言葉で自身の席に戻る。
五限目を受けている中、自分は彼に嫌われているのでは無いかと心配になる。
以前、帰り道で友人二人とした話を思い出す。
「なぁ、●●はどんな子が性癖?」
「んー、可愛い子」
好きな人が話題になり、そんな会話をしていた。
「あぁ~!ええよな、うちのクラスだったら、、中島さんとか?」
友人は低身長の男子を挙げる。
「うわっ、ええな」
「でもさ、意外と○○君も可愛いよな!」
もう一人がそう言った。
好きな人の名前を急に聞くのは心臓に悪い。
「分かる!何か仕草が可愛いよね」
「あ、この前英語ん時に話とったんやけどさ、目合わせて話してくれんのんよなぁ~」
他の人に対しても同じ様に接していると思っていた。
だから、友人の言葉には驚いた。
「え?普通に目合わせてくれるよな?」
「うん、うちも目合わせてくれるで?」
流石に、その言葉には不安になった。
だが、自分の気持ちを無意識に揺らす彼に虜になっている事実には変わらない。
片思い何てそんなもんだ、きっと。
休み時間、騒がしい教室──
自分を呼ぶ声は紛れもない、彼の声だった。
普段全く話などしないのにどうしたんだろうか。
「大丈夫、やけど」
○○さんに震える声でそう伝える。
変に思われていないだろうか。
「これ、届けれる?」
彼が自分の手に紙を乗せる。
彼に手渡されたのは、今日欠席している友人の連絡物だった。
不安気に問う彼に勿論、肯定の返事以外の選択は無かった。
何しろ、彼の低い声が妙に耳に残って心音が大きくなるのを感じたのだから。
「いいよ」
「ありがとう」
そう言って彼は友人の方へと走って行ってしまった。
喜びもあったが、何より、その虚しさときたら無かった。
自身に話し掛ける理由はそんな用事だけでしか無いのかと。
「●●?これ見て」
友人の声に我に帰る。
友人が指したのは○○さんだった。
机に伏せていて、彼の友人らにつつかれている。
こういう所含め、やはり可愛いと思ってしまう。
「ははっ、マジやん」
「なぁ、あっち行こうで」
友人がおどけた様に言った。
内心喜びながらも心の奥に押し込む。
友人が話し掛ける。
「何しとん?」
「、、これ」
彼の友人が○○さんを指して答えた。
これ扱いされているのも何だか微笑ましい。
「、、ん」
彼は頭を上げると頭を左右に振った。
ふわふわとした髪の毛が可愛らしくて笑みが溢れる。
「寝癖みたいになっとるで、」
友人が彼の頭を触る。
友人だろうが、嫉妬してしまうものは仕方無い。
「、なに?」
眠たげな瞳でこちらを見てくる。
その時彼と目が合い、心臓が跳ねる様な感覚がした。
だが、彼に目を逸らされてしまった。
「あ、そろそろ予鈴鳴るで~」
「席帰るかぁ」
友人の言葉で自身の席に戻る。
五限目を受けている中、自分は彼に嫌われているのでは無いかと心配になる。
以前、帰り道で友人二人とした話を思い出す。
「なぁ、●●はどんな子が性癖?」
「んー、可愛い子」
好きな人が話題になり、そんな会話をしていた。
「あぁ~!ええよな、うちのクラスだったら、、中島さんとか?」
友人は低身長の男子を挙げる。
「うわっ、ええな」
「でもさ、意外と○○君も可愛いよな!」
もう一人がそう言った。
好きな人の名前を急に聞くのは心臓に悪い。
「分かる!何か仕草が可愛いよね」
「あ、この前英語ん時に話とったんやけどさ、目合わせて話してくれんのんよなぁ~」
他の人に対しても同じ様に接していると思っていた。
だから、友人の言葉には驚いた。
「え?普通に目合わせてくれるよな?」
「うん、うちも目合わせてくれるで?」
流石に、その言葉には不安になった。
だが、自分の気持ちを無意識に揺らす彼に虜になっている事実には変わらない。
片思い何てそんなもんだ、きっと。
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