異世界転移して冒険者たちのパーティに入った結果、メンバー達に溺愛されてます!?
ルカと結婚して、ただただ幸せな日々が続いていた。
俺がルカに意識されていないことは明白だが、それでも幸せだ。
...ときどき、考えてしまう。
ルカが、俺のことを愛してくれたらって。
欲張りなのは重々承知している。でも、想像するだけなら自由だということにしてほしい。
今まで誰にも愛されなかった俺に、ルカは愛を与えてくれる。
ルカにとってはそんなに大層なものではなくて、ただの優しさのひと欠片なのかもしれない。
でも、俺は凄く嬉しかったんだ。救われたんだ。
大したことはなく、むしろしょぼいと言える俺の魔法に、毎回感動してくれる。
褒めてくれる。心から。
くすぐったくて、照れくさくて、嬉しくて。
俺の努力を見てくれる。
結果は出なかった。でも、血の滲むような努力を続けてきた。
ルカはちゃんと分かって、俺を尊敬してくれる。
逆にルカを好きにならない男なんているか?
いや、いるわけがない。
偶然だった。
棚から足を滑らせて落ちるルカの姿が見えたのは。
本能で体が動いて、気がついた時には自分の腕の中にルカがいた。
ルカはバツが悪そうに苦笑いをする。
「ごめん。いけると思って...」
「はあ...取りたかったのはこれ?」
「そうそう、それ!」
俺は少しルカを咎めたが、次の瞬間にはすでに、ルカは怒られたことを忘れているようだった。
本当に、この人は危なっかしすぎる。
「...で、そろそろおろしてくれてもいいんだよ?」
俺がいなかったら、ルカは怪我をしていたかもしれない。
...少しくらい、褒美があってもいいんじゃないか?
視界の端に、廊下を歩くエディが見えた。
俺のいたずら心に火が灯る。
「あ、髪の毛にゴミが」
「え?」
ルカの言葉を聞かぬまま、彼女に覆い被さる。
同じ洗剤を、シャンプーを使っているはずなのに、どうしてこんなにいい匂いがするのだろう。
髪の毛を櫛くと、サラサラとこぼれ落ちていく。
ずっとそうしていたかったが、ルカに止められた。
......変なことをしてしまったが、鈍感なルカは本当に俺が髪の毛のゴミをとっただけだと思っている様子だった。
エディの部屋に向かうルカを見送ったあと、特にすることもなかったので、本棚の本の題名をなんとなく眺めていた。
しばらくして、エディの部屋の方から声が聞こえた気がした。
「それにしても、あんなところでイチャつくのはやめていただいてもよろしいですか?」
それにドキッとして、ゆっくりとエディの部屋に近づく。
何か言い合いをしているのだろうか。
よく聞こえなかったが、次の瞬間、半ば叫ぶようなルカの声が響いた。
「...出ていくけど、ハンクのことは本当に何とも思ってないから!!」
別に分かっていた。
......が、刺さるものは刺さる。
ドアが開いて、部屋から出てきたルカの顔が青くなる。
「ハ...ハンク......」
俺はへらりと笑うことしかできなかった。
いや、笑うことさえできていなかったかもしれない。
俺がルカに意識されていないことは明白だが、それでも幸せだ。
...ときどき、考えてしまう。
ルカが、俺のことを愛してくれたらって。
欲張りなのは重々承知している。でも、想像するだけなら自由だということにしてほしい。
今まで誰にも愛されなかった俺に、ルカは愛を与えてくれる。
ルカにとってはそんなに大層なものではなくて、ただの優しさのひと欠片なのかもしれない。
でも、俺は凄く嬉しかったんだ。救われたんだ。
大したことはなく、むしろしょぼいと言える俺の魔法に、毎回感動してくれる。
褒めてくれる。心から。
くすぐったくて、照れくさくて、嬉しくて。
俺の努力を見てくれる。
結果は出なかった。でも、血の滲むような努力を続けてきた。
ルカはちゃんと分かって、俺を尊敬してくれる。
逆にルカを好きにならない男なんているか?
いや、いるわけがない。
偶然だった。
棚から足を滑らせて落ちるルカの姿が見えたのは。
本能で体が動いて、気がついた時には自分の腕の中にルカがいた。
ルカはバツが悪そうに苦笑いをする。
「ごめん。いけると思って...」
「はあ...取りたかったのはこれ?」
「そうそう、それ!」
俺は少しルカを咎めたが、次の瞬間にはすでに、ルカは怒られたことを忘れているようだった。
本当に、この人は危なっかしすぎる。
「...で、そろそろおろしてくれてもいいんだよ?」
俺がいなかったら、ルカは怪我をしていたかもしれない。
...少しくらい、褒美があってもいいんじゃないか?
視界の端に、廊下を歩くエディが見えた。
俺のいたずら心に火が灯る。
「あ、髪の毛にゴミが」
「え?」
ルカの言葉を聞かぬまま、彼女に覆い被さる。
同じ洗剤を、シャンプーを使っているはずなのに、どうしてこんなにいい匂いがするのだろう。
髪の毛を櫛くと、サラサラとこぼれ落ちていく。
ずっとそうしていたかったが、ルカに止められた。
......変なことをしてしまったが、鈍感なルカは本当に俺が髪の毛のゴミをとっただけだと思っている様子だった。
エディの部屋に向かうルカを見送ったあと、特にすることもなかったので、本棚の本の題名をなんとなく眺めていた。
しばらくして、エディの部屋の方から声が聞こえた気がした。
「それにしても、あんなところでイチャつくのはやめていただいてもよろしいですか?」
それにドキッとして、ゆっくりとエディの部屋に近づく。
何か言い合いをしているのだろうか。
よく聞こえなかったが、次の瞬間、半ば叫ぶようなルカの声が響いた。
「...出ていくけど、ハンクのことは本当に何とも思ってないから!!」
別に分かっていた。
......が、刺さるものは刺さる。
ドアが開いて、部屋から出てきたルカの顔が青くなる。
「ハ...ハンク......」
俺はへらりと笑うことしかできなかった。
いや、笑うことさえできていなかったかもしれない。