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逆ハーです。

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異世界転移して冒険者たちのパーティに入った結果、メンバー達に溺愛されてます!?

#22

君の笑顔

「俺が?」
「うん!シドなら適任だと思って」
「分かった、任せろ」

シドに頼んだのは、体力づくりの手伝い。
体も大きくて、筋肉もついているし、ぴったりだよね。
快く引き受けてくれたシドと共に、裏山に出かける。

「まずはストレッチだ」
「はいっ、先生!」
「何だ、それは」

シドが笑った。
普段から微笑むことはあるけど、声をあげて笑うことなんてなかった。
それが何だかとても嬉しくて、私もつられて笑った。

「どうした?」
「ううん。シドが笑ってくれたのが嬉しかったの」
「......そうか」

また笑った。ただし、軽く口角を上げただけ。
もしかしたらシドが笑ったのって、凄くレアだったのかも。



「いたたたたた!」

背中を押されて、情けない声をあげる。
だって痛いんだもん。硬いんだもん。
シドはありえないくらい体が柔らかかった。
それに比べて私はガチガチだ。
でも私が悲鳴をあげると、すぐに押す力が弱まる。
シドが優しすぎて、全然ストレッチにならない。
私はなるべく口を開かないように頑張った。

結局、私の体が想定外の硬さだったせいで、今日の練習はストレッチで終わった。
明日、体痛くなりそうだな...。

さあ帰ろう、と足を踏み出したが、シドが着いてくる気配がない。
私は後ろを振り返った。
シドがこちらを見つめている。
どくん、と心臓が音をたてた。

「俺は女性恐怖症だ」
「......えっ!?」

いきなり衝撃発言をぶっこまれて、私はすっとんきょうな声をあげた。
ちょっと待って、じゃあ私今までシドにすごく辛い思いをさせてたの...!?

「ご、ごめん。知らなくって...これくらい離れてたら大丈夫?」
「いや、ルカは嫌じゃない」

私が急いで距離をとると、シドはその分近づいてくる。
それどころかシドは段々歩幅が大きくなっていって、ついに私の目の前にまで来た。

「俺も、ルカが笑うと嬉しい」
「えっ」
「ルカのことが好きだ」
「な...!」

顔が熱くなる。
嬉しいと思っている自分がいる。
ごめんなさい、ハンク、グレイさん。
私...

「私も、シドのことが好き」
「!!ルカ...!」

がばりと、シドが抱きついてきた。
大きい体に、私はすっぽり包まれてしまう。

「嬉しい」
「私も」

仲良く手を繋いで帰った。
ハンクとグレイさんは複雑そうな顔をしながらも、少し嬉しそうだ。
二人は、皆は、本当にシドのことが好きなんだね。

作者メッセージ

ド直球告白、いいなあ。
私の友達が好きな人に「告白待ってる」って言われたらしいです。
待つな!!来いよ!!
って怒ってましたね。笑

2025/05/23 17:54

まっちゃん ID:≫ 9tLeB9AxJiZq2
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