異世界転移して冒険者たちのパーティに入った結果、メンバー達に溺愛されてます!?
アランから、好意を伝えられた。
...と言っていいのかどうか。
「うーん......」
「何をそんなに悩んでるんだよ」
私の頭の中に割り込んできたのはラントだ。
久しぶりに声を聞いた。
ラントになら、話してもいいかな。
「...ってこと。とにかく、私の気持ちが分からなくて」
「何でそんなに悩む必要があるんだよ?取りあえず付き合ってみりゃいいじゃん。っていうか結婚してるんだろ?」
「そうだけど...。あっ、この話も聞いてほしいの!」
「お前も大変なんだな」
「そうだよ~」
ふと思い出して、エディに避けられているという話もした。
ラントはさらっと言う。
「離婚したら?」
「そんなに簡単にはできないの!」
「どうして?」
「どうして、って...えっと...女の人は夫が5人必要なんでしょ?足りなくなっちゃう!」
「俺が結婚してやるよ」
「またそういうことを言って...それよりも、グレイさんに...」
結局あれこれ相談してしまった。
...相談というよりも、お悩み紹介みたいな感じ?
とりあえず...
「グレイさん、好きです!付き合ってください!」
「.........」
「.........」
「...............えぇ!?!?」
想像以上に慌てられた。
「嫌ですか?」
「い、嫌じゃないけど...!え!?」
「私、グレイさんのことが好きです」
「お...れも、好きだよ。ずっと」
沈黙が流れる。
恥ずかしくなってきたかも。
ぎゅっと手を握られた。
「嬉しい......。でも、俺から言おうと思ってたのに」
「えへへ。待ちきれませんでした」
「ごめん」
「いいえ」
その日はご機嫌だった。
ご飯もちょっと張り切ってみちゃったり。
テーブルの上の片付けをしていると、キッチンからガチャンという音が聞こえた。
慌ててキッチンを覗きこむ。
「シド!」
シドの顔は青い。
さっき割れたのであろうマグカップが足元に落ちていた。
「大変、大丈夫?」
「俺は...。でも、マグカップが」
「これ、シドのマグカップ?」
「そうだ。貰い物なんだが......」
シドは視線を落として、暗い声で言った。
「もう使えないな」
「そんなことありません!くっつければ飾るくらいはできるはずです」
「だが、どうやって...」
「接着剤はないんですか?」
「セッチャク...何だ?」
ガーン。接着剤、ないのか!
私の創造魔法だったらどうかな?
頑張って魔力を集中させる。
ちょっとヒビが残っているが、形は何となく分かる。
「ど、どうですか?」
「凄い...ありがとう、ルカ」
「良かったね!」
無事解決し、キッチンから出ようとすると、目眩がした。
足元がふらついてこけそうになる。
「ルカ!」
シドの大きな体に支えられる。
しんどさよりも恥ずかしさが勝ってしまう。
「ごめんなさい、もう大丈夫だよ」
「そんなはずはない。エディに見てもらおう」
ええ...そんな大袈裟な。
たぶん魔力を使いすぎただけだし。
「何故あなたは無理をするのですか」
「ゴメンナサイ...」
私はエディに睨まれ、縮こまっていた。
後ろでシドが申し訳なさそうにして部屋を出ていったのが見えた。
くそう、恨んでやる。
「無理はしてないっていうか...今日はたまたま...」
「今日は何で魔力を使ったんですか?」
今日は...農家の人にハシゴを作ってあげたり、女の子に髪飾りを作ってあげたり、倒れてた人におにぎりを作ってあげたり、ええと......
あ、創造魔法は一定時間経ったら作ったものは消滅するから気をつけないと駄目だ。
そうじゃないと商人の人の仕事がなくなっちゃうしね。
「あなたは幼児ですか?」
「ええ!?急に!?」
「自分の魔力の残量くらい把握してください。それと何でも魔法で作ろうとしないこと」
「スミマセン...」
それは確かにそうだ。
魔法に頼りきったら駄目だよね。
ふと、エディの腕に傷を見つける。
「これ、何の傷?」
「ん?ああ、猫に引っ掻かれました」
「そうなの?」
せめて絆創膏くらい貼った方がいいんじゃない?
そう思ったときには、手に絆創膏が握られていた。
「あっ...」
「はあ、言ったそばから」
ため息をはかれる。
でももう出しちゃったんだもん。
半ば無理矢理、エディの腕に絆創膏を貼った。
エディの机の上に赤いペンを見つける。
私はペンを手に取り、絆創膏にハートを書いた。
「な...!何をしているんです!」
「こっちのほうが可愛いでしょ?」
「よりによってハートだなんて...」
うーん、よく見ると左右が対称じゃない。まあいっか。
また怒られる前に部屋を出る。
「じゃあね、今日はありがとう!」
「あっ......」
.........................................................................................................................................
ルカが去った部屋は静まりかえっている。
窓からは、わずかに月明かりが差し込んでいた。
「........まさか..........でも.....はぁ」
ぽつりと呟いたエディはベッドに突っ伏して、そのまま眠りに落ちた。
...と言っていいのかどうか。
「うーん......」
「何をそんなに悩んでるんだよ」
私の頭の中に割り込んできたのはラントだ。
久しぶりに声を聞いた。
ラントになら、話してもいいかな。
「...ってこと。とにかく、私の気持ちが分からなくて」
「何でそんなに悩む必要があるんだよ?取りあえず付き合ってみりゃいいじゃん。っていうか結婚してるんだろ?」
「そうだけど...。あっ、この話も聞いてほしいの!」
「お前も大変なんだな」
「そうだよ~」
ふと思い出して、エディに避けられているという話もした。
ラントはさらっと言う。
「離婚したら?」
「そんなに簡単にはできないの!」
「どうして?」
「どうして、って...えっと...女の人は夫が5人必要なんでしょ?足りなくなっちゃう!」
「俺が結婚してやるよ」
「またそういうことを言って...それよりも、グレイさんに...」
結局あれこれ相談してしまった。
...相談というよりも、お悩み紹介みたいな感じ?
とりあえず...
「グレイさん、好きです!付き合ってください!」
「.........」
「.........」
「...............えぇ!?!?」
想像以上に慌てられた。
「嫌ですか?」
「い、嫌じゃないけど...!え!?」
「私、グレイさんのことが好きです」
「お...れも、好きだよ。ずっと」
沈黙が流れる。
恥ずかしくなってきたかも。
ぎゅっと手を握られた。
「嬉しい......。でも、俺から言おうと思ってたのに」
「えへへ。待ちきれませんでした」
「ごめん」
「いいえ」
その日はご機嫌だった。
ご飯もちょっと張り切ってみちゃったり。
テーブルの上の片付けをしていると、キッチンからガチャンという音が聞こえた。
慌ててキッチンを覗きこむ。
「シド!」
シドの顔は青い。
さっき割れたのであろうマグカップが足元に落ちていた。
「大変、大丈夫?」
「俺は...。でも、マグカップが」
「これ、シドのマグカップ?」
「そうだ。貰い物なんだが......」
シドは視線を落として、暗い声で言った。
「もう使えないな」
「そんなことありません!くっつければ飾るくらいはできるはずです」
「だが、どうやって...」
「接着剤はないんですか?」
「セッチャク...何だ?」
ガーン。接着剤、ないのか!
私の創造魔法だったらどうかな?
頑張って魔力を集中させる。
ちょっとヒビが残っているが、形は何となく分かる。
「ど、どうですか?」
「凄い...ありがとう、ルカ」
「良かったね!」
無事解決し、キッチンから出ようとすると、目眩がした。
足元がふらついてこけそうになる。
「ルカ!」
シドの大きな体に支えられる。
しんどさよりも恥ずかしさが勝ってしまう。
「ごめんなさい、もう大丈夫だよ」
「そんなはずはない。エディに見てもらおう」
ええ...そんな大袈裟な。
たぶん魔力を使いすぎただけだし。
「何故あなたは無理をするのですか」
「ゴメンナサイ...」
私はエディに睨まれ、縮こまっていた。
後ろでシドが申し訳なさそうにして部屋を出ていったのが見えた。
くそう、恨んでやる。
「無理はしてないっていうか...今日はたまたま...」
「今日は何で魔力を使ったんですか?」
今日は...農家の人にハシゴを作ってあげたり、女の子に髪飾りを作ってあげたり、倒れてた人におにぎりを作ってあげたり、ええと......
あ、創造魔法は一定時間経ったら作ったものは消滅するから気をつけないと駄目だ。
そうじゃないと商人の人の仕事がなくなっちゃうしね。
「あなたは幼児ですか?」
「ええ!?急に!?」
「自分の魔力の残量くらい把握してください。それと何でも魔法で作ろうとしないこと」
「スミマセン...」
それは確かにそうだ。
魔法に頼りきったら駄目だよね。
ふと、エディの腕に傷を見つける。
「これ、何の傷?」
「ん?ああ、猫に引っ掻かれました」
「そうなの?」
せめて絆創膏くらい貼った方がいいんじゃない?
そう思ったときには、手に絆創膏が握られていた。
「あっ...」
「はあ、言ったそばから」
ため息をはかれる。
でももう出しちゃったんだもん。
半ば無理矢理、エディの腕に絆創膏を貼った。
エディの机の上に赤いペンを見つける。
私はペンを手に取り、絆創膏にハートを書いた。
「な...!何をしているんです!」
「こっちのほうが可愛いでしょ?」
「よりによってハートだなんて...」
うーん、よく見ると左右が対称じゃない。まあいっか。
また怒られる前に部屋を出る。
「じゃあね、今日はありがとう!」
「あっ......」
.........................................................................................................................................
ルカが去った部屋は静まりかえっている。
窓からは、わずかに月明かりが差し込んでいた。
「........まさか..........でも.....はぁ」
ぽつりと呟いたエディはベッドに突っ伏して、そのまま眠りに落ちた。