ハンクが衝撃的なことを言ってきた。

「ねえ知ってた？ルカって21歳らしいよ」
「は？」
「ほんとだよ〜」

もっと若いのかと思っていた。

「じゃあもう結婚しているのですか？」
「さあ。してなさそうだけどね」

エディの問いにハンクが肩をすくめた。
興味津々といった様子で、アランが言った。

「何？まさかエディ、気になってる感じ？」

心臓が跳ねた。
だがエディは冷めた目をしている。

「まさか。あんな得体の知れない女」
「いい子だと思うけどなあ」

ハンクの言葉にグレイが頷いた。

「頑張り屋だし、可愛いし」

そこでアランがいきなり言った。

「俺、明日ルカに求婚する」

思わずお茶を吹き出してしまう。
皆が驚いた顔でこちらを見てきた。

「シド、お前…」
「わかった。シドのことも言ってやる」
「俺も頼む」
「俺も！」

視線がエディに集まる。
エディは大きなため息をはいて吐き捨てた。

「分かりました」




ルカがアランの求婚を受け入れた。
俺たちの話題になったところで、ルカの前に出る。
ルカが頭を下げた。
そうやってすぐに頭を下げるのも考えものだが…とりあえず今はいい。

「皆さん…私と結婚してください！！」

ああもう。
こういうところも好きだ。
俺はルカを抱きしめる。
ちっちゃくて、柔らかくて、暖かい。

一瞬でアランに引き剥がされた。
まあ何だかんだアイツも幸せそうだからいいか。


ルカが外に出たいと言うから、冒険者ギルドでルカの登録をした後にラントに会わせることになった。
フードを被ったルカが前が見えないらしいから、抱き上げた。
すんなりとは抱かれてくれないとは思っていたが、想像より抵抗されて少し傷つく。
するとルカが顔を真っ赤にして、俺に向かって手を伸ばしてきた。

「嫌じゃない…抱っこして」

嬉しい。可愛すぎる。
俺がルカを持ち上げると、ぎゅっと抱きつかれた。
！？！？
胸が…あ、当たっている…
見た目よりあるんだな…
はっ、駄目だ。
何とか足を動かした。



酒場に着いて、ルカに話しかける。
ルカはよりフードを深く被って、声を低くした。
…全然駄目だ。
可愛さが全く隠れていない。

久しぶりの酒は上手くて、普段はそんなことないが結構酔ってしまった。



エディから聞く話によると、ルカは戦う時に無意識で強力な肉体強化の魔法を発動させているらしい。
よく分からないがすごいな。