「はぁ...はぁ...詩彩良...はぁ...」
今、僕は病院めがけて走っている。詩彩良と昼休みに会話をしていたら急に詩彩良は倒れてしまったのだ。もちろん僕はその場にいたので先生に話を聞かれた。
今日は朝からかるい頭痛がすると言ってたがこんなことになるなんて...
病院まであともうすぐ...！待ってて詩彩良！

「有咲ちゃん！」
おばさんが手をこっちに降っている。
「はぁ...おばさん、詩彩良は...？」
「...有咲ちゃん、落ち着いて聞いてね」
「はい...」
「詩彩良はね、さっきの検査でね...病気が再発したことがわかったの...」
「え...？」
おばさんは嗚咽混じりの声でいう。
「だからね。詩彩良はもう一度入院しないといけない...ごめんね。倒れたところとかみて辛かったと思うのに...ごめんね。」
「そんな...おばさんは悪くないですよ。詩彩良はきっと助かりますよ...」
「そう思いたいけどね...詩彩良はもうあんまりいい状態じゃないみたいなの...
詩彩良はもうあんまり時間がないかもしれないんだって...」
「なんで...？なんで...？」
僕は心から声が漏れる。そして涙が出てきた。
「有咲ちゃん、ありがとうね。そしてごめんなさい。」
「大丈夫です。最後に詩彩良に会えますか？」
「もちろんよ。」

「詩彩良...なんで...どうして...？」
僕は詩彩良に駆け寄ってすぐ心の中の疑問をぶつけそうになった。本当になんで？どうして？時間が少ないってなんでなの？なんで僕はこんなにも人を失うの？なんで僕は救えないの？なんで？本当になんでなの？僕の運が悪いの？ねぇどうしてなの？なんで？なんで？
「有咲ちゃん、大丈夫よ...詩彩良は死なない。約束しよ。」
僕は頷いた。そうだ、詩彩良は強いんだ。大丈夫だ。きっと詩彩良なら。