冷たい風が頬を撫でる。そんな冬の夜にある少女は旅立とうと刃を持っていた。
結衣｢さよなら、、、」
結衣は涙ぐんだ声で必死に声を絞り出して言った。
その瞬間、ナイフを持った結衣のか弱い手を何者が掴んだ。
結衣｢だれ、、、」
その正体は幼なじみ。翔太だった。
翔太｢ったくどこまで死にたがりなんだよ。」
結衣｢っうるさい！」
そう言いながら翔太の手を振り払おうとした。だがその手は掴んだままだった。
翔太｢目の前で人が死ぬってんのに黙ってられっかバーカ」
結衣｢あんたに私の気持ちなか、、、」
翔太｢そりゃてめぇの気持ちなんか知らねぇけどよ。知らねぇからこそわかるもんがあるんじゃねーの？幼なじみからの助言だよw
」
結衣｢.....」
翔太｢まあどうとらえるかはてめぇ次第だけどな。あ、ナイフは没収な。」
結衣｢あっ.......」
そんな悲しそうな表情を浮かべる結衣を無視して翔太は帰っていった。
数ヶ月後...
結衣｢今度は邪魔されないように飛び降りにしよう、、、」
崖にて
結衣｢ふぅ、、、、」
結衣は深く深呼吸をしたあと勢い良く空中に飛び込んだ。
翔太｢おいちょっ...待てや！！」
結衣は一瞬ドクッと心音がしたがそのまま構わず飛び込む。
翔太｢チッ」
その瞬間翔太も駆け出した。翔太の鋭い目は結衣を捉えていた。足は翔太の方が速い。翔太は空中の中で結衣を抱き抱え、上の方へぶん投げた。
思いっきり結衣は膝を擦りむいたが軽症だった。
翔太はいまだに空中にいて、そのまま落下していった。
ドンッ
鈍い音が周りを包む。結衣は何が起こったのかわからなかった。ただ結衣の目の中には翔太がピクリとも動かなくなっていた。
結衣｢嘘、、、」