とりぷるふーるず!!
その日は、金曜日の放課後だった。
革命(=校則ぶっ壊し)で爆走中の3人だったが、ふと汐花が言った。
「ねぇ……うちら、服ダサくない?」
「いや急に何」
「だってせっかく制服フリーになったのに、自由に着こなしてる生徒うちら以外いないじゃん!」
弥生が缶コーヒー片手にうなずく。
「でもそもそも、私服って何着ればいいのかわかんない。ラボコートしか着てないし」
条兎は眉をひそめた。
「私は……動きやすいジャージか、スーツしか……」
「アウト。今から買いに行くよ。全員、戦闘服(≒おしゃれ着)に着替えるの!!」
[水平線]
というわけで―― 3人は渋谷へと降り立った。
「まぶし……人、多……」
弥生が目を細める。科学室の照明以外は苦手だ。
「人間が多すぎてデータノイズ……」
「うっさい科学者、後目立たないように白衣脱げ」
「じゃあジャージと交換して」
「どちらも目立つわ」
まず向かったのは、ビルの6階にあるセレクトショップ。 入り口に等身大パネルのモデルが立っている。
「うっ……こういうとこ、心のドアの開け方がわからん……」
条兎が警戒心マシマシで左の壁際に張りついている。
「だいじょぶ、こういうとここそ“破壊”よ」
汐花は店員に堂々と話しかける。
「ねぇ!超ヤバい服3人分コーデして!性別?特になし!!」
「かしこまりました!!!!」
店員が秒でノリに乗った。
[水平線]
🖌️ 蓮賽 汐花: → ゴスロリ×ストリートミックスコーデ。 黒とターコイズのミニ丈パーカー+ミニスカ+ペイントタイツ。 首元には大きな安全ピンのピアス。
「なんか……芸術家の亡霊みたいな見た目だね」 「亡霊じゃない!天才の進化系よ!」
🥼 茜 弥生: → 理系眼鏡女子×原宿スチームパンク。 ネクタイつきのシャツにベスト、歯車モチーフのアクセ。スカートの中に理科ポーチ。
「この中に蒸気機関あるから」 「蒸気機関いらんしあったとしても嘘でしょ後その歯車、絶対回らないでしょ」
🥋 宝条 条兎: → アスレジャー×モードミックス。 黒のスポブラ+ハイウエストワイドパンツ。背中には『FIGHT LIKE A GIRL』のロゴ。
「ちょっと……かっこよすぎでは?」 「視線が突き刺さる……!筋肉がバレる……!」
[水平線]
「せっかくだからプリ撮ろう!渋谷って言ったらプリでしょ!」
汐花に引きずられて、プリ機に突入する3人。
「なんで画面こんな加工強いの!?顔面変形してるんだけど!」
「目の大きさ、私の2倍になってるんだけど?」
「これはもはや……骨格の崩壊だ」
「それな!!!」
完成したプリクラには、なぜか“革命前夜★爆買い部隊”という謎のテキストが乗っていた。
[水平線]
買い物が終わり、某カフェでアイスカフェラテを飲みながら。
弥生がぽつりとつぶやいた。
「こういうの、初めてかも」
「こういうのって?」
「誰かと……意味もなく、何かを選ぶ時間」
条兎も、小さくうなずく。
「競技でもなく、評価もなく、ただ"好き"って選べるのって……変な感じだけど、悪くないね」
汐花がストローをくるくる回して、笑った。
「でしょ。うちらが生きてるって、誰かに証明しなくてもいいんだよ。好きな服着て、好きなもん食って、バカな写真撮って……それでいい」
誰も返事をしなかった。 でも、全員がその言葉を大事に飲み込んでいた。
[水平線]
夕焼けに照らされながら、駅までの道を歩く。
「ねえ次、原宿行こ!おそろいのパーカーとか作ろ!」
「バカだな」
「うん、バカだけど……楽しそうだね」
3人の笑い声が、薄暗い街に浮かんだ。
革命の中でも、こんな一日があっていい。
世界を壊すためじゃなく、 自分たちの"日常"を取り戻すために。
革命(=校則ぶっ壊し)で爆走中の3人だったが、ふと汐花が言った。
「ねぇ……うちら、服ダサくない?」
「いや急に何」
「だってせっかく制服フリーになったのに、自由に着こなしてる生徒うちら以外いないじゃん!」
弥生が缶コーヒー片手にうなずく。
「でもそもそも、私服って何着ればいいのかわかんない。ラボコートしか着てないし」
条兎は眉をひそめた。
「私は……動きやすいジャージか、スーツしか……」
「アウト。今から買いに行くよ。全員、戦闘服(≒おしゃれ着)に着替えるの!!」
[水平線]
というわけで―― 3人は渋谷へと降り立った。
「まぶし……人、多……」
弥生が目を細める。科学室の照明以外は苦手だ。
「人間が多すぎてデータノイズ……」
「うっさい科学者、後目立たないように白衣脱げ」
「じゃあジャージと交換して」
「どちらも目立つわ」
まず向かったのは、ビルの6階にあるセレクトショップ。 入り口に等身大パネルのモデルが立っている。
「うっ……こういうとこ、心のドアの開け方がわからん……」
条兎が警戒心マシマシで左の壁際に張りついている。
「だいじょぶ、こういうとここそ“破壊”よ」
汐花は店員に堂々と話しかける。
「ねぇ!超ヤバい服3人分コーデして!性別?特になし!!」
「かしこまりました!!!!」
店員が秒でノリに乗った。
[水平線]
🖌️ 蓮賽 汐花: → ゴスロリ×ストリートミックスコーデ。 黒とターコイズのミニ丈パーカー+ミニスカ+ペイントタイツ。 首元には大きな安全ピンのピアス。
「なんか……芸術家の亡霊みたいな見た目だね」 「亡霊じゃない!天才の進化系よ!」
🥼 茜 弥生: → 理系眼鏡女子×原宿スチームパンク。 ネクタイつきのシャツにベスト、歯車モチーフのアクセ。スカートの中に理科ポーチ。
「この中に蒸気機関あるから」 「蒸気機関いらんしあったとしても嘘でしょ後その歯車、絶対回らないでしょ」
🥋 宝条 条兎: → アスレジャー×モードミックス。 黒のスポブラ+ハイウエストワイドパンツ。背中には『FIGHT LIKE A GIRL』のロゴ。
「ちょっと……かっこよすぎでは?」 「視線が突き刺さる……!筋肉がバレる……!」
[水平線]
「せっかくだからプリ撮ろう!渋谷って言ったらプリでしょ!」
汐花に引きずられて、プリ機に突入する3人。
「なんで画面こんな加工強いの!?顔面変形してるんだけど!」
「目の大きさ、私の2倍になってるんだけど?」
「これはもはや……骨格の崩壊だ」
「それな!!!」
完成したプリクラには、なぜか“革命前夜★爆買い部隊”という謎のテキストが乗っていた。
[水平線]
買い物が終わり、某カフェでアイスカフェラテを飲みながら。
弥生がぽつりとつぶやいた。
「こういうの、初めてかも」
「こういうのって?」
「誰かと……意味もなく、何かを選ぶ時間」
条兎も、小さくうなずく。
「競技でもなく、評価もなく、ただ"好き"って選べるのって……変な感じだけど、悪くないね」
汐花がストローをくるくる回して、笑った。
「でしょ。うちらが生きてるって、誰かに証明しなくてもいいんだよ。好きな服着て、好きなもん食って、バカな写真撮って……それでいい」
誰も返事をしなかった。 でも、全員がその言葉を大事に飲み込んでいた。
[水平線]
夕焼けに照らされながら、駅までの道を歩く。
「ねえ次、原宿行こ!おそろいのパーカーとか作ろ!」
「バカだな」
「うん、バカだけど……楽しそうだね」
3人の笑い声が、薄暗い街に浮かんだ。
革命の中でも、こんな一日があっていい。
世界を壊すためじゃなく、 自分たちの"日常"を取り戻すために。