とりぷるふーるず!!
朝礼――
全校生徒が整列する、無機質な校庭。
その中央、壇上に立つのは教頭。 威圧的な眼鏡越しに、生徒たちを一瞥する。
「本日より、スマートフォンの校内持ち込みは禁止とする。違反者は――」
「それ、やめまーす」
声がかぶさった。
壇上のマイクに、蓮賽 汐花がふわっと立っていた。
「……蓮賽、生徒会長。いま発言を遮るのは非常に――」
「非常にだるいのでやめまーす。あと、今日から生徒会主導で新しい校則作りました~‼︎」
そう言って、汐花は手にした用紙を空中にばらまいた。
ひらひらと舞う白い紙には、こう記されていた。
【とりぷるふーるずからの新校則!!!!!!!!】
1. 授業中でもピクニック可
2. 好きな制服カスタムOK(チャイナ服・特攻服・アイドル衣装など)
3. 廊下はスケボー走行推奨
4. 教師の言うことは7割無視してOK
5. 飼育小屋のウサギは校内で放し飼い
6. 朝礼はダンスで開始
「これより、この学校は――ボクたち3人の"遊び場"になります!」
弥生と条兎も壇上に跳び上がる。 朝礼の空気が、一瞬で変わった。
ざわざわ…ざわざわ……
生徒たちの間に、ざわめきと興奮が走る。
「マジ!?制服改造していいの!?」 「ってか、校則とか勝手に変えていいの!?」 「でも生徒会がやってんなら……ありじゃね?」
弥生は小さなスピーカーを取り出し、音楽をかけた。 その場で、アイソレーションからのロボットダンスを踊り出す。
「君ら~~~~!?!?!?!?!?」
教頭が絶叫するが、もはや誰も聞いていない。
条兎はグラウンドにスプレーで巨大な丸を描き、「ここが新しい朝礼ゾーンです」と言った。 自ら爆音で音楽をかけ、軽い(軽くない)運動を始める。
「これがボクたちのやり方よ!」
汐花はピースサインを片目に当て、ポーズを決めた。
まるでライブ会場。 まるで文化祭の最終日。
校庭は、狂乱のカーニバルになった。
✴︎✴︎✴︎
放課後、生徒会室。 3人は、ソファにぐったりと寝転んでいた。
汐花「……バッカだなあ、うちら……」
条兎「革命って、筋肉痛になるんだね……」
弥生「でも、笑ってる生徒……多かったね」
沈黙。
――いや、沈黙じゃなかった。 3人とも、笑っていた。
この学校で、これほど腹の底から笑ったのは、初めてかもしれない。
「さーて。次は何して壊す?」
汐花が言う。
「風紀委員会、たぶんもう怒ってるよ。あと教頭、泡吹いてた」
弥生が返す。
「でも、全部燃やし尽くしてやろうよ。 "完璧"に殺されるくらいなら、最低で生き残ってやる方がマシだろ?」
条兎が小さく頷く。
「……とりぷるふーるず。次は本気出す」
3人の拳が、ぽんと重なった。
この日、蓮見河大学附属高校は、 史上初の「始末書」を発行することとなる。
けれどそれは、 ある意味で、この学校が初めて生きた日でもあった。
その中央、壇上に立つのは教頭。 威圧的な眼鏡越しに、生徒たちを一瞥する。
「本日より、スマートフォンの校内持ち込みは禁止とする。違反者は――」
「それ、やめまーす」
声がかぶさった。
壇上のマイクに、蓮賽 汐花がふわっと立っていた。
「……蓮賽、生徒会長。いま発言を遮るのは非常に――」
「非常にだるいのでやめまーす。あと、今日から生徒会主導で新しい校則作りました~‼︎」
そう言って、汐花は手にした用紙を空中にばらまいた。
ひらひらと舞う白い紙には、こう記されていた。
【とりぷるふーるずからの新校則!!!!!!!!】
1. 授業中でもピクニック可
2. 好きな制服カスタムOK(チャイナ服・特攻服・アイドル衣装など)
3. 廊下はスケボー走行推奨
4. 教師の言うことは7割無視してOK
5. 飼育小屋のウサギは校内で放し飼い
6. 朝礼はダンスで開始
「これより、この学校は――ボクたち3人の"遊び場"になります!」
弥生と条兎も壇上に跳び上がる。 朝礼の空気が、一瞬で変わった。
ざわざわ…ざわざわ……
生徒たちの間に、ざわめきと興奮が走る。
「マジ!?制服改造していいの!?」 「ってか、校則とか勝手に変えていいの!?」 「でも生徒会がやってんなら……ありじゃね?」
弥生は小さなスピーカーを取り出し、音楽をかけた。 その場で、アイソレーションからのロボットダンスを踊り出す。
「君ら~~~~!?!?!?!?!?」
教頭が絶叫するが、もはや誰も聞いていない。
条兎はグラウンドにスプレーで巨大な丸を描き、「ここが新しい朝礼ゾーンです」と言った。 自ら爆音で音楽をかけ、軽い(軽くない)運動を始める。
「これがボクたちのやり方よ!」
汐花はピースサインを片目に当て、ポーズを決めた。
まるでライブ会場。 まるで文化祭の最終日。
校庭は、狂乱のカーニバルになった。
✴︎✴︎✴︎
放課後、生徒会室。 3人は、ソファにぐったりと寝転んでいた。
汐花「……バッカだなあ、うちら……」
条兎「革命って、筋肉痛になるんだね……」
弥生「でも、笑ってる生徒……多かったね」
沈黙。
――いや、沈黙じゃなかった。 3人とも、笑っていた。
この学校で、これほど腹の底から笑ったのは、初めてかもしれない。
「さーて。次は何して壊す?」
汐花が言う。
「風紀委員会、たぶんもう怒ってるよ。あと教頭、泡吹いてた」
弥生が返す。
「でも、全部燃やし尽くしてやろうよ。 "完璧"に殺されるくらいなら、最低で生き残ってやる方がマシだろ?」
条兎が小さく頷く。
「……とりぷるふーるず。次は本気出す」
3人の拳が、ぽんと重なった。
この日、蓮見河大学附属高校は、 史上初の「始末書」を発行することとなる。
けれどそれは、 ある意味で、この学校が初めて生きた日でもあった。