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今作は第1部「能力者たちの詩編歌」、第2部「希望に満てる知識欲」、第3部「誠と偽りの狂情曲」、第4部「真実、誠実の優等生」
の続編です。
まだそれらを見ていない人は、先にそちらをご覧いただけると話がわかりやすいと思います。
第1部→https://novelcake.net/works/lite/?mode=view&log=1969&no=1
第2部→https://novelcake.net/works/lite/?mode=view&log=2089&no=1
第3部→novelcake.net/works/lite/?mode=view&log=2280#JumpTitle
第4部→novelcake.net/works/lite/?mode=view&log=2733&no=1
第5部→novelcake.net/works/lite/?mode=view&log=2975&no=1

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仁愛に今、決別の歌を。

#8

オレンジ



花の高校生活!




俺はいじめっこと運命を別れさせ、人生を謳歌!!




…そんなことはなかった。



入学早々、俺は不登校になった。




いや、高校でいじめられたとかじゃなく。



単純に、すごく疲れたから。




ここまで悲しみも苦労もすべて隠して一滴も出さず、




ひたすらに努力してきたが。





そのストレスが今になって心にのしかかってきた。




神威「あー・・・外、出たくない・・・お母さん、お父さん・・・まじでごめん」




良い高校いったのに、全然行かなくて、こんな親不孝な子を許してください。




ピーンポーン



ん?


神威「インターホン…?宅配?」



家には誰もいない。俺オンリー。


…なので、重い足腰を引きずりながらそのインターホンに応え、ドアを開ける。



ガチャ



「!」



神威「…はい?」



目の前には、一度入学式で見たきりの担任…[太字]夕凪璃透[/太字]先生がいた。



[水平線]



神威「えーと…なんの用ですか?」



「.....あ、君が神威くんで合ってるかな」


神威「は、はい…」



正直、入ってきたのが先生だと知って、真っ先に沸いた感情は「クソが」だった。




だって、小学校の先生も中学校の先生も…



誰一人俺のことなんか見なかったじゃん。



今更遅いよね。



それに、ちょっと疲れてるだけだし。いじめはもうないし。



「急にごめんな、びっくりした?」


目の前の先生は、そう言って緊張の氷を溶かすように笑う。


神威「まぁ…はい」



「......まぁ、まずは......挨拶と言ってはなんだが、入学おめでとう。」


うん、マジで挨拶といってはなんだよ。入学式の記憶ほぼないよ。


神威「…あ、ありがとう、ございます?」


「んで俺は、君のクラスの担任になった......夕凪 璃透。」


「まぁ......好きに呼んで。」



神威「…夕凪先生…。…それで?…連れ出すんですか?」



中学や小学の先生みたいに、生徒のこと何にも考えず連れて行くんですよね?



先生ってみんなそうでしょ?



「連れ出す......いや、そんなわけないだろ......連れ出したところで俺に意味ないし」



社に構えた俺の心とは反対に、そう苦笑いを混ぜながら先生は言う。



「普通に、お話しに来たんだよ」


神威「…」



お話…か。



「......ちなみに今、親はいたりする?」



神威「…いないと思います。この時間帯は二人とも仕事なので」



「......そう、か。......じゃあなおさら話しやすいか」



咳払いを一つしてから、話し始める。



「......単刀直入に言うと、君が......神威が、不登校になってる事について、
俺の方でサポートしていこうと思ってる」


神威「…」


「......ただ、詳しいことについては、俺もよく知ってない。」



神威「…」



「でも、流石に最初から学校に行けとか無理なことは言わないよ」




先生は、意味もなく少し周りをきょろきょろしてから、話し始める。


「......まぁこれは俺の後悔とか持論含めての話になるけど.........
やっぱ、学校に行って友達作って、高校生活を楽しんでほしいんだよな」



…結局それか。



神威「…」



「......だって、せっかくの高校生なんだぞ?
楽しまないのはもったいないって少しは思わないか?」




楽しまなければもったいない。



それに対しての、一番の回答をぶつけてみた。



神威「……よく、わからない」



神威「学校って楽しいもの…なのかな?
…おそらく、多分そうなんだろうけど…俺にはよくわかんない。 」



だって、俺が知る学校っていうのは…



[太字]少しの過ちで、すべての人が敵になる狭い世界。3年で出られる檻の中。[/太字]



…そんなものだから。



「......俺にとっては、少なくとも楽しかったよ。3年だけだけど、本当に記憶に残る思い出ばっかりだった。」



「もちろん高校生活送ってて、俺にもつらいこととかたくさんあった。
けど......それ以上に楽しかったよ。俺にとってはな。」


神威「………そう」


どうしようかな。



…俺の学校生活がわからない理由に対して、先生はどういってくれるんだろ。



そういう感情がふと沸いてきた。



神威「俺…小学校と中学校の合わせて9年間以上、ずっとクラスメイトにいじめられてて」



きっとそれは、「この人なら大丈夫なんじゃないか」


という軽薄な信用だと思う。


「......!」



神威「だから、普通の学校生活がわからない。」



「.........」



話してしまった言葉は止まらない。



ひねった蛇口から水が止まらないように、俺は次々と話してしまう。


神威「中3のとき、俺はいじめをやめてほしくて、
本やマンガで読んだ学校生活によくいる「元気な人気者」を演じてみた。」



神威「それでいじめは止められなかったよ。
…でも勉強だけははかどってたから…中3はひたすら勉強してた。」



神威「…だから、演じてた1年間の学校生活もほとんど記憶にない」



だから、学校生活がわからない。



さぁ先生は、これになんて反応をする?



…俺の本音を、貶してみろよ____



「.........そっか、それはつらかったな」



神威「わっ!?」



しかし先生は、貶すもせず、…俺を抱きしめた。




親でもない男性に抱きしめられてさすがに困惑したが、


それはすぐに安堵に変わる。



神威「……俺、学校、行きたいんだよ。本当は。 」



そうして、相手を試すような本音の出し方じゃない、



相手を信頼するからこその本音が出た。



神威「でも、疲れてるんだ」


神威「[太字]…「甘え」だよ。大人が一番嫌いなやつ。[/太字]」




小学校の時、学校に行きたくないと先生に相談したとき、持ち出された言葉。





それを目の前の教師は…



「.........大人が「甘え」ってのを嫌ってるのはな、それに依存してばっかりだからだよ」



否定してくれた。




「別に逃げてもいい、甘えてもいい。」




「......ただ、いつかは絶対に自分と向き合わないといけないから」




「.........大人の言ってる「甘え」ってのは、ずっと逃げてばっかりの臆病者ってことだよ」




まるで自分が大人じゃないように言う。




「......いつでもいいよ、向き合えるようになるってのは。その辺は自分のペースでいい。」



神威「……ありがとう、ございます」



「......両親でもいいし、別に俺とか頼ってもいいんだよ、どんな事でもいいから」




「だからそれまで、ゆっくりでいいから向き合えるようになってこう、な?」




変だ、視界がおかしいよ。



涙があふれて止まらないんだ。



神威「……ッく、う”…っ…」



どうして、どうして先生はそんなにいい人なの。




…初めてだよ。こんなに、大人に頼ってよかったって思ったの。



神威「っうあ”あ”あ”あ”あ”ん…!」



嗚咽の声は、しばらく止まなかった。



たしかに俺の心は、そこで救われたんだと思う。


[水平線]



神威「おはようございまーす!夕凪せんせー!」




まともに高校へ行けるようになって、はや数か月がたった。



人生初の、普通の学校生活は。



俺の思った何倍も楽しかった。




「お前は今日も元気だな…」



夕凪先生は、そんな俺の挨拶に反応してくれる。




__俺はそうやって、救われたんだっけ。





でも…

作者メッセージ

この話を書くにあたって全力で炙られまぐろさんに感謝をささげる。((


チャットでセリフ出してもらったりしました。マジでお世話になりました。


夕凪先生の出演許可出してくれてありがとうまぐろよ。


まぐろの「全部上書きして」にも神威の存在が時々出てるぞ。読んでみろ読者。マジで神作品だ。

2025/03/23 00:18

おとうふ ID:≫ 3aqFVNFsPVo.c
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