二次創作
# 嫌われたので死んでみた .
仕事用のパソコンへの通知は滝のようだったが、その中から過去のものを遡り とある人の電話番号を手に入れた。
「 用があったらL!NEにしてくださいね〜 」とか何とか言っていたような気もする。
だが今は緊急時のため後で焼肉奢っとこ、と思いスマホに番号を打ち込む。
数回のコール音が鳴り、案の定 相手は3コールで出てくれて、少し安堵する。
『 … もしもし、どちら様ですか? 』
きっと相手のことだから、真面目に出勤して仕事に手をつけていたのだろう。
後ろでカタカタという音と誰かの声がした。
相手は私の電話番号を知らないから、他人のように対応してくる。
( 君とは、何年もの付き合いなのにねぇ… )
少しがっかりとした気持ちもあるが、まずは見ず知らずの電話に出てくれたことに感謝すべきかもしれない。
数日ぶりに話す相手との会話に少し不安を交えながら、そっと通話ボタンを押す。
「 もしもーし、○○ですけど 」
相手は、私の専属マネージャーである天野さん。
私が名乗った瞬間、通話口からゴンッという物凄く大きな音と、イスから落ちたような痛々しい声。
『 いった……… 』
「 …… 大丈夫そ? 」
『 ええ大丈夫です…… って、○○さんですよね!?!? 』
やっとこちらに気付いてくれた彼は、少し、というか大分焦った声で話す。
普段クールな彼のどこに、というほどの声に、少し笑えてくる。
「 そーだよ 」
『 全然連絡とれなくて心配してたんですけど…… 』
向こう側で大きくため息を吐く音が聞こえる。
可愛いなぁ、と思いながらも早速要件を伝える。
『 … は??………いや………は??? 』
『 なんで貴方はそう自己犠牲を厭わない計画ばかり…… 』
『 いやちょっと僕の能力だと役不足というか……… 』
『 こればっかりはちょっと……… 』
『 焼肉奢り、ですか 』
『 仕方ないですね、裏仕事は任せてください 』
少々渋ってはいたが、結局は私(焼肉付き)に甘く、快く承諾してくれた。
「 わーいありがとー 」
少し棒読みな返事を返し、通話終了ボタンをタップすると、
ちょうどいむくんが新しい珈琲を持ってやってくる。
白い湯気が出続ける珈琲を前に、彼へ「話があるの」と告げると、
普段の可愛らしい雰囲気から少し真面目そうな表情へ変わった。
やっぱりこの子も、真面目ないい子なんだよねとつくづく思う。
「 … で、話って? 」
「 実はね、いむくんにお願いがあって 」
「 うん… 」
「 メンバーに私が自殺したって伝えて欲しいの。 」
「 …………え? 」