空色学園Sクラス!【参加型】
……なんでだ?
名札にはふりがななんて書かれてない。普通なら「ツバサ」って読むはずだ。
それに、この、この……
眼は、一体、なんなんだ。
俺は、今まで彼女にあったことはない。
「……俺が、何?」
不思議に思って、聞く。
すると美少女はもう一回眼を見開いて、そしてふいと視線をそらして。
引き結んだ唇が、引きつっていた。
しばらくの沈黙。
「……いや」
やっと美少女が口を開いた。
ああ、なつ……ん?
いやっ、なんでもないはず。
美少女の声は透き通るようだった。
「その、な、私の知り合い……、に、たすくという奴がいて……顔も微妙にお前に似てたものだから……ごめん、ただの勘違いだ」
「ああ、勘違いか。でも、へえ。俺に似てる人がいるんだ」
なるほど、そういうことか。
違和感がほどけた。
「あ……まあな。……で? お前の名前は……ツバサか?」
「え? あ、違う違う。よくそう思われるんだけどさ。俺はほんとにたすくなんだ。瀬川翼って書いてせがわたすく。珍しいよな。だから、さっきびっくりした」
[太字]「……っ!」[/太字]
[水平線]
わからない、私にはわからない。
この胸を突き上げるような気持ちの正体が。
わかるのはただ。
この世界はやはり残酷だということ。
そして、それだというのに暗闇の中に……、小さな星が見えたような気がしたこと。
[水平線]
「……私はな、ツカサだ。[漢字]杠葉[/漢字][ふりがな]ゆずりは[/ふりがな]ツカサ」
「へえ、杠葉ツカサか。いい名前じゃん」
自然に褒めたのに、杠葉はなぜか赤くなった。
「だっ、黙れっ!」
うーん……なんで?
「じゃあ、杠葉。よろしく」
「……よろしくな」
よかった。杠葉とは仲良くなれるかも。
大号は相変わらず隣で暗号を解いている。
花の香りはやっぱり漂ってくる。前の先輩から。
耳にピアス大量の超背高い先輩もいるし……。
「永遠に死」の御札の人いるし……。
あそこの髪メッシュの女子はスマホをずっといじってる。スマホいじっていいの休み時間だけじゃなかったっけ?
あそこの睨み合ってる二人組、やけに背ちっさいな……。
やばい……やばいけど。
俺は隣の杠葉をちらっと見る。
どうしてか、この絶望の学校生活に、希望の星が見えたような、そんな気がした。
[太字]ぱあん。[/太字]
しまっていた教室のドアが、高い音を立てて開いた。
教室に……入ってきたのは。
[太字]二羽の……鳥。[/太字]
ぽかんと口を開けたまま動けない俺をよそに。
あとから入ってきた人は。
「おっはよーう!! 君たちの担任並びに鳥使いのえむ先生でーーす!」
黒い鳥と白い鳥を肩に乗せて……その8歳くらいの少年は、ニッコリと微笑んだのだった。
名札にはふりがななんて書かれてない。普通なら「ツバサ」って読むはずだ。
それに、この、この……
眼は、一体、なんなんだ。
俺は、今まで彼女にあったことはない。
「……俺が、何?」
不思議に思って、聞く。
すると美少女はもう一回眼を見開いて、そしてふいと視線をそらして。
引き結んだ唇が、引きつっていた。
しばらくの沈黙。
「……いや」
やっと美少女が口を開いた。
ああ、なつ……ん?
いやっ、なんでもないはず。
美少女の声は透き通るようだった。
「その、な、私の知り合い……、に、たすくという奴がいて……顔も微妙にお前に似てたものだから……ごめん、ただの勘違いだ」
「ああ、勘違いか。でも、へえ。俺に似てる人がいるんだ」
なるほど、そういうことか。
違和感がほどけた。
「あ……まあな。……で? お前の名前は……ツバサか?」
「え? あ、違う違う。よくそう思われるんだけどさ。俺はほんとにたすくなんだ。瀬川翼って書いてせがわたすく。珍しいよな。だから、さっきびっくりした」
[太字]「……っ!」[/太字]
[水平線]
わからない、私にはわからない。
この胸を突き上げるような気持ちの正体が。
わかるのはただ。
この世界はやはり残酷だということ。
そして、それだというのに暗闇の中に……、小さな星が見えたような気がしたこと。
[水平線]
「……私はな、ツカサだ。[漢字]杠葉[/漢字][ふりがな]ゆずりは[/ふりがな]ツカサ」
「へえ、杠葉ツカサか。いい名前じゃん」
自然に褒めたのに、杠葉はなぜか赤くなった。
「だっ、黙れっ!」
うーん……なんで?
「じゃあ、杠葉。よろしく」
「……よろしくな」
よかった。杠葉とは仲良くなれるかも。
大号は相変わらず隣で暗号を解いている。
花の香りはやっぱり漂ってくる。前の先輩から。
耳にピアス大量の超背高い先輩もいるし……。
「永遠に死」の御札の人いるし……。
あそこの髪メッシュの女子はスマホをずっといじってる。スマホいじっていいの休み時間だけじゃなかったっけ?
あそこの睨み合ってる二人組、やけに背ちっさいな……。
やばい……やばいけど。
俺は隣の杠葉をちらっと見る。
どうしてか、この絶望の学校生活に、希望の星が見えたような、そんな気がした。
[太字]ぱあん。[/太字]
しまっていた教室のドアが、高い音を立てて開いた。
教室に……入ってきたのは。
[太字]二羽の……鳥。[/太字]
ぽかんと口を開けたまま動けない俺をよそに。
あとから入ってきた人は。
「おっはよーう!! 君たちの担任並びに鳥使いのえむ先生でーーす!」
黒い鳥と白い鳥を肩に乗せて……その8歳くらいの少年は、ニッコリと微笑んだのだった。