空色学園Sクラス!【参加型】
【翼side】
「おはようみんな!」
やっぱり何度見ても[太字]ちっこい[/太字]恵夢那先生が、[太字]二羽の鳥[/太字]を肩に乗せてひらひら手を振りながら入ってきた。
「問題児ども。吾輩に勉学を教わることを光栄と思いが良い」
「あたくしもよ!? 超天才のあたくし、そこの白鳩なんかに負けないからね!?」
あー喋る鳥。夢じゃなかったねぇあはははは。
非現実的世界かよ。
「じゃあねー、一時限目は数学でーす」
ということで、俺達は数学をやることになった。
「この単元は、『正負の数』っていいまーす。君たちは今までプラスの計算しかやってこなかったけど、これからはマイナスがついた数が出てくるよ」
恵夢那先生がゆるっゆるの解説をしてくれる。
教壇に背が足りず椅子に乗って授業をする彼。
しかしそんな小ささでありながらゆるゆる解説は思いの外わかりやすいのだ。
二年はシロイ、三年はクロイが教えている。
「じゃあここまで説明したので、このプリントやってね〜。終わったら手、あげて」
プリントを配られた。
俺は、算数は得意なわけでもなかったけど別に苦手でもなかった。数学もそこまで苦手な感じはしない。
「スタート!」
恵夢那先生が言って、一年たちが一斉に問題を解き出した。
えー、と、5m前進をマイナスを使って表すと……。
「「はいっ!」」
高い声が、2つ、同時に響いた。
え? ま、まさか[太字]もう終わった?[/太字] 始まってからまだ10秒経ってないと思うよ?
手をぴしっと宙に突き刺すようにあげているのは、
[太字]例の瑛司と[漢字]華麗[/漢字][ふりがな]ほわりー[/ふりがな]、小学四年。[/太字]
はああああああああ!?
やっぱ飛び級できるくらいの天才なのか!(いや、日本って京大以外飛び級制度ないよね……?)
二人はお互いに睨み合っている。
「なんでお前と同じタイミングなんだよ」
「知らないよ。僕だって瑛司と一緒とか嫌だし」
「俺のほうが早くできるはずなんだ」
「何言ってるの、僕だし。思い上がらないでくれる?」
「は?」
丸メガネに明るい茶髪の瑛司と、紺色の髪を一つにくくった[漢字]華麗[/漢字][ふりがな]ほわりー[/ふりがな]。どっちも、顔は幼め。小競り合いも少し子供っぽいかな。
それなのに……こんなに頭いいとは……。
続いて[漢字]如月奈乃[/漢字][ふりがな]きさらぎなの[/ふりがな]……ピンクブラウンメッシュ髪のスマホ女子がだるそうに手をあげる。
次にチビと言われてキレた[漢字]鈴原雪乃[/漢字][ふりがな]すずはらゆきの[/ふりがな]、続いてトキヤ、そして俺。
「は? え? どういうことだ?」
横から困惑しきった声が聞こえてきて、見れば杠葉が頭を抱えていた。
「どうしたの」
「5m前進はそのままだろ? 他に何があるっていうんだ? 前進してるんだからマイナスなんてつけられないだろ?」
「……」
杠葉ツカサは、数学がめっちゃ苦手らしい。
だけど俺も勉強なんて得意教科の国語以外教えたことなんかない。
うーん、でもやってみるか!
なんかやる気が出た俺は杠葉に教えることにした。
「後退を基準にすると……」
「……やっとわかった!」
「……良かったね……」
ただいま、杠葉理解したようです。
俺、結構疲れた。
だけどあとに残る不思議な達成感。
「ありがとな、瀬川」
「へ? あ、うん」
つい変な声を出してしまった俺。
お礼言われただけじゃないか! 「へ?」とはなんだ!
俺は自分を戒めるが、へんてこなこそばゆさがそれを邪魔する。
「また、なんかあったら、教えるよ」
「ああ。ぜひお願いしたい」
「まかせろ」
俺は気づけば笑っていた。
「おはようみんな!」
やっぱり何度見ても[太字]ちっこい[/太字]恵夢那先生が、[太字]二羽の鳥[/太字]を肩に乗せてひらひら手を振りながら入ってきた。
「問題児ども。吾輩に勉学を教わることを光栄と思いが良い」
「あたくしもよ!? 超天才のあたくし、そこの白鳩なんかに負けないからね!?」
あー喋る鳥。夢じゃなかったねぇあはははは。
非現実的世界かよ。
「じゃあねー、一時限目は数学でーす」
ということで、俺達は数学をやることになった。
「この単元は、『正負の数』っていいまーす。君たちは今までプラスの計算しかやってこなかったけど、これからはマイナスがついた数が出てくるよ」
恵夢那先生がゆるっゆるの解説をしてくれる。
教壇に背が足りず椅子に乗って授業をする彼。
しかしそんな小ささでありながらゆるゆる解説は思いの外わかりやすいのだ。
二年はシロイ、三年はクロイが教えている。
「じゃあここまで説明したので、このプリントやってね〜。終わったら手、あげて」
プリントを配られた。
俺は、算数は得意なわけでもなかったけど別に苦手でもなかった。数学もそこまで苦手な感じはしない。
「スタート!」
恵夢那先生が言って、一年たちが一斉に問題を解き出した。
えー、と、5m前進をマイナスを使って表すと……。
「「はいっ!」」
高い声が、2つ、同時に響いた。
え? ま、まさか[太字]もう終わった?[/太字] 始まってからまだ10秒経ってないと思うよ?
手をぴしっと宙に突き刺すようにあげているのは、
[太字]例の瑛司と[漢字]華麗[/漢字][ふりがな]ほわりー[/ふりがな]、小学四年。[/太字]
はああああああああ!?
やっぱ飛び級できるくらいの天才なのか!(いや、日本って京大以外飛び級制度ないよね……?)
二人はお互いに睨み合っている。
「なんでお前と同じタイミングなんだよ」
「知らないよ。僕だって瑛司と一緒とか嫌だし」
「俺のほうが早くできるはずなんだ」
「何言ってるの、僕だし。思い上がらないでくれる?」
「は?」
丸メガネに明るい茶髪の瑛司と、紺色の髪を一つにくくった[漢字]華麗[/漢字][ふりがな]ほわりー[/ふりがな]。どっちも、顔は幼め。小競り合いも少し子供っぽいかな。
それなのに……こんなに頭いいとは……。
続いて[漢字]如月奈乃[/漢字][ふりがな]きさらぎなの[/ふりがな]……ピンクブラウンメッシュ髪のスマホ女子がだるそうに手をあげる。
次にチビと言われてキレた[漢字]鈴原雪乃[/漢字][ふりがな]すずはらゆきの[/ふりがな]、続いてトキヤ、そして俺。
「は? え? どういうことだ?」
横から困惑しきった声が聞こえてきて、見れば杠葉が頭を抱えていた。
「どうしたの」
「5m前進はそのままだろ? 他に何があるっていうんだ? 前進してるんだからマイナスなんてつけられないだろ?」
「……」
杠葉ツカサは、数学がめっちゃ苦手らしい。
だけど俺も勉強なんて得意教科の国語以外教えたことなんかない。
うーん、でもやってみるか!
なんかやる気が出た俺は杠葉に教えることにした。
「後退を基準にすると……」
「……やっとわかった!」
「……良かったね……」
ただいま、杠葉理解したようです。
俺、結構疲れた。
だけどあとに残る不思議な達成感。
「ありがとな、瀬川」
「へ? あ、うん」
つい変な声を出してしまった俺。
お礼言われただけじゃないか! 「へ?」とはなんだ!
俺は自分を戒めるが、へんてこなこそばゆさがそれを邪魔する。
「また、なんかあったら、教えるよ」
「ああ。ぜひお願いしたい」
「まかせろ」
俺は気づけば笑っていた。