空色学園Sクラス!【参加型】
【翼side】
「母さーん、ただいま」
「あ、翼。おかえりなさい」
家に帰ると、母さんが笑顔で出迎えてくれた。
今日は母さんが仕事が休みの日だ。父さんは普通のサラリーマンで、今は仕事。
「なんかいい匂いする……」
「あ、わかっちゃった? そう、クッキーを作ってるのよ」
「え、マジ!? やった!」
「そりゃそうよ、私の作るものはみんなおいしいの」
エヘンと胸を張る母さん。
たしかに、母さんの料理はみんなうまい。
俺くらいの年になるとみんな親がウザくなってくるとこだろう。でも、みんなの前だと少しこういうのは恥ずかしいが、俺は家族が好きだ。母さんだけじゃなく、今いない父さんも。
クッキーをかじりながら、今日のことを思い出す。
やばかったなぁ。
心の中のものをすべて吐き出すような特大のため息が出た。
「そういえば、どうだった? 空色学園」
「……はは」
思わず笑ってしまった。
「俺、なんか『S組』ってのに入れられたんだよね……」
「えすぐみ? なにそれ?」
きょとんとする母さんに、俺は一からすべてを説明した。
「翼……それは大変ね……」
「ほんと……」
話すだけで疲労する始末。
「どうする? 翼が本当に嫌なら、考えないといけない」
「考える?」
「例えば、校長に訴えるとか、この学校辞めるとか」
「……」
脳裏に突然、杠葉の姿が思い浮かんだ。
ずっと、何か言ってる。でも聞こえない。
しかし。
俺は、S組を辞めてはいけないのだ──それだけが、わかった。
「……母さん。俺、頑張るよ。一応、友達みたいなやつはできたし。泰雅も応援してくれるって」
「そうか」
母さんは優しく笑った。
「本当に辛かったらすぐに言ってね」
「わかったよ」
俺は返事をする。はっきりと。
夜の部屋から星が見える。
その星の数を数えているうちに──眠れないと思ったのにいつの間にか夢の中。
俺の一日は幕を閉じる。
『……す……!』
誰だろ?
声だけが聞こえる。
『わたしのせいだ』
?
『起きてよ……た…………!』
一部、聞こえないところがある。
『たす……く……っ!』
俺の名を呼ぶのは。
「……誰なんだ?」
俺がそう口に出した瞬間に。
すべてが消え去った。
「……ん」
思いまぶたをゆっくり開ける。
そこは見慣れた俺の部屋、まだ暗い空。
「夢かぁ」
俺はほっと息をついた。
『たす……く……っ!』
あの言葉が、今も俺の頭の中をうろうろと彷徨っている。
「母さーん、ただいま」
「あ、翼。おかえりなさい」
家に帰ると、母さんが笑顔で出迎えてくれた。
今日は母さんが仕事が休みの日だ。父さんは普通のサラリーマンで、今は仕事。
「なんかいい匂いする……」
「あ、わかっちゃった? そう、クッキーを作ってるのよ」
「え、マジ!? やった!」
「そりゃそうよ、私の作るものはみんなおいしいの」
エヘンと胸を張る母さん。
たしかに、母さんの料理はみんなうまい。
俺くらいの年になるとみんな親がウザくなってくるとこだろう。でも、みんなの前だと少しこういうのは恥ずかしいが、俺は家族が好きだ。母さんだけじゃなく、今いない父さんも。
クッキーをかじりながら、今日のことを思い出す。
やばかったなぁ。
心の中のものをすべて吐き出すような特大のため息が出た。
「そういえば、どうだった? 空色学園」
「……はは」
思わず笑ってしまった。
「俺、なんか『S組』ってのに入れられたんだよね……」
「えすぐみ? なにそれ?」
きょとんとする母さんに、俺は一からすべてを説明した。
「翼……それは大変ね……」
「ほんと……」
話すだけで疲労する始末。
「どうする? 翼が本当に嫌なら、考えないといけない」
「考える?」
「例えば、校長に訴えるとか、この学校辞めるとか」
「……」
脳裏に突然、杠葉の姿が思い浮かんだ。
ずっと、何か言ってる。でも聞こえない。
しかし。
俺は、S組を辞めてはいけないのだ──それだけが、わかった。
「……母さん。俺、頑張るよ。一応、友達みたいなやつはできたし。泰雅も応援してくれるって」
「そうか」
母さんは優しく笑った。
「本当に辛かったらすぐに言ってね」
「わかったよ」
俺は返事をする。はっきりと。
夜の部屋から星が見える。
その星の数を数えているうちに──眠れないと思ったのにいつの間にか夢の中。
俺の一日は幕を閉じる。
『……す……!』
誰だろ?
声だけが聞こえる。
『わたしのせいだ』
?
『起きてよ……た…………!』
一部、聞こえないところがある。
『たす……く……っ!』
俺の名を呼ぶのは。
「……誰なんだ?」
俺がそう口に出した瞬間に。
すべてが消え去った。
「……ん」
思いまぶたをゆっくり開ける。
そこは見慣れた俺の部屋、まだ暗い空。
「夢かぁ」
俺はほっと息をついた。
『たす……く……っ!』
あの言葉が、今も俺の頭の中をうろうろと彷徨っている。