孤独な一匹狼くん、現在孤立中のうそぎゃるちゃんが大好きすぎる件。
淡いピンク色に染まった桜がまたひとつ、またひとつと散っていく。
不意に伸ばした手は落ちてきた桜を見事にキャッチして、手のひらでふわりと踊るように舞った。
そして数秒後には目の前からその花びらは消えていて、いかにも春、という心地よい風とともに仲間の元へ去っていった。
「新入生入学式会場こちらでーす」
そんな桜に見惚れていると、係の方の声が耳へ入った。
そっか、わたし今日入学式に来たんだったっ.....
危うく本題を忘れてしまいそうだった、危ない危ない...
わたしは渦に飲み込まれるようにして、人混みの中をかき分けながら会場へ足早に向かった。
会場内にはすでにたくさんの人が席についていて、先に家を出たお母さんの姿を必死に探した。
そしておそらくだけど、この席順は多分出席番号順。
わたしの名字は『[漢字]有栖[/漢字][ふりがな]ありす[/ふりがな]』だから、数多くある席の中でも比較的前の方だと言えるはず。
.......とにかく、前の方に行けば合流できるのかな.....
わたしはそう思って、とりあえず前の方の席を目指して足を踏み出____
「わ.....!」
そうとしたら、見事に前にあったどこかへ繋がっていたであろうケーブル線に引っかかり、全体重が重力に逆らえず真っ逆さまに倒れようとしていた。
......あだめだやばいこれずっこける終わった...
身を引き締め、できるだけ痛みを最小限に抑える体制へ変えようとしたとき、誰かがわたしの体を支えた。
「......大丈夫か....?」
わあ一安心...と思っているのもつかの間。
.....え?ま、待ってこれはもしや______
「い、いずみくんっ......」
「..........お前.....うた、か!!?」
だめだ、最悪な再会の仕方をしてしまった。
[水平線]
お母さんと合流できたわたしは、無事着席。
どうやら出席番号は関係なかったみたいで、無駄な空回りをしてしまったなあと、少し悲しい気持ちになった。
そして式自体の内容もあまり濃いものでなく、1時間余で終了。
お母さんは「もっと長引くかと思ってた」と口を尖らせていたけど、のりのりでファミリーレストランの予約を取ろうとしていた。
わたしも特にする事はないし、この後は家に帰ってゆっくりしよう、と思ってたんだけど____
[水平線]
「びっくりしたわ〜!まさか詩ちゃんと和泉が高校まで同じだなんて!」
「私も驚いたわよ〜!詩も和泉くんも知らなかったみたいだし、2人の間に剛毛な糸でもあるのかしらね〜!」
きゃははという甲高い声を上げながら、わたしのお母さんといずみくんのお母さんがお世辞にも言えないくらい大声でそんな会話をしていた。
........今日、なんだかすごく運が悪い気がする......
そしてもちろん、いずみくんのお母さんが居るという事は....
「母さんこの荷物.............あ゛?」
その...い、いずみくんも居るわけなんだよねっ....
「あら和泉くん〜!久しぶりね〜!詩の母です〜!」
お、お母さんんんん!!!
和泉くんは驚いたようにして、わたしとお母さんを交互に凝視した。
......あああもう消えたい....
せっかく、高校生からは『変身したわたし』を見てもらおうと思ってたのに....
.....いや、さっきも1回ばったり会っちゃったけどそれをカウントせずに考えるとかなりダメージだ。
「.......うた、ちょっとこっち来い。」
1人もんもんと思考を巡らせていると、いずみくんがわたしの名前を口にした事に気づいた。
.....え?い、いずみくん....一体何の用.....?
もしかして"この姿"のわたしが嫌、とか.....?なら帰ってすぐいつものに戻したいけど、そんな事を考えるひまもなく、わたしはいずみくんに腕を引っ張られるがままだった。
〜母〜
「もうウチの和泉は詩ちゃん以外のコが彼女なんて認めてないのよ〜!」
「あらそうなの〜!奇遇ね、ウチの詩も和泉くん以外のコが彼氏なんて容認しない事にしてるの〜!」
「「おほほほほ〜〜!!」」
-これが2人が学校で浮く原因だと分かるのは、もう少し先の事-
[水平線]
「なあうた....その格好何....」
思っていた通り、いずみくんはわたしを突き放すようにそう言った。
....や、やっぱりだめだったよね.....
中学の頃から全然目立たなかったわたしが、今更高校生になって"ギャル"するのは幼馴染として、やだよね.....
「ごめんなさい」そう言おうとしたとき、この世で最も破壊力のある言葉が、わたしに向けて発せられた。
[太字][大文字]「うた、かわいすぎる。」[/大文字][/太字]
花の高校生生活、まだまだ先は長そうです....!
不意に伸ばした手は落ちてきた桜を見事にキャッチして、手のひらでふわりと踊るように舞った。
そして数秒後には目の前からその花びらは消えていて、いかにも春、という心地よい風とともに仲間の元へ去っていった。
「新入生入学式会場こちらでーす」
そんな桜に見惚れていると、係の方の声が耳へ入った。
そっか、わたし今日入学式に来たんだったっ.....
危うく本題を忘れてしまいそうだった、危ない危ない...
わたしは渦に飲み込まれるようにして、人混みの中をかき分けながら会場へ足早に向かった。
会場内にはすでにたくさんの人が席についていて、先に家を出たお母さんの姿を必死に探した。
そしておそらくだけど、この席順は多分出席番号順。
わたしの名字は『[漢字]有栖[/漢字][ふりがな]ありす[/ふりがな]』だから、数多くある席の中でも比較的前の方だと言えるはず。
.......とにかく、前の方に行けば合流できるのかな.....
わたしはそう思って、とりあえず前の方の席を目指して足を踏み出____
「わ.....!」
そうとしたら、見事に前にあったどこかへ繋がっていたであろうケーブル線に引っかかり、全体重が重力に逆らえず真っ逆さまに倒れようとしていた。
......あだめだやばいこれずっこける終わった...
身を引き締め、できるだけ痛みを最小限に抑える体制へ変えようとしたとき、誰かがわたしの体を支えた。
「......大丈夫か....?」
わあ一安心...と思っているのもつかの間。
.....え?ま、待ってこれはもしや______
「い、いずみくんっ......」
「..........お前.....うた、か!!?」
だめだ、最悪な再会の仕方をしてしまった。
[水平線]
お母さんと合流できたわたしは、無事着席。
どうやら出席番号は関係なかったみたいで、無駄な空回りをしてしまったなあと、少し悲しい気持ちになった。
そして式自体の内容もあまり濃いものでなく、1時間余で終了。
お母さんは「もっと長引くかと思ってた」と口を尖らせていたけど、のりのりでファミリーレストランの予約を取ろうとしていた。
わたしも特にする事はないし、この後は家に帰ってゆっくりしよう、と思ってたんだけど____
[水平線]
「びっくりしたわ〜!まさか詩ちゃんと和泉が高校まで同じだなんて!」
「私も驚いたわよ〜!詩も和泉くんも知らなかったみたいだし、2人の間に剛毛な糸でもあるのかしらね〜!」
きゃははという甲高い声を上げながら、わたしのお母さんといずみくんのお母さんがお世辞にも言えないくらい大声でそんな会話をしていた。
........今日、なんだかすごく運が悪い気がする......
そしてもちろん、いずみくんのお母さんが居るという事は....
「母さんこの荷物.............あ゛?」
その...い、いずみくんも居るわけなんだよねっ....
「あら和泉くん〜!久しぶりね〜!詩の母です〜!」
お、お母さんんんん!!!
和泉くんは驚いたようにして、わたしとお母さんを交互に凝視した。
......あああもう消えたい....
せっかく、高校生からは『変身したわたし』を見てもらおうと思ってたのに....
.....いや、さっきも1回ばったり会っちゃったけどそれをカウントせずに考えるとかなりダメージだ。
「.......うた、ちょっとこっち来い。」
1人もんもんと思考を巡らせていると、いずみくんがわたしの名前を口にした事に気づいた。
.....え?い、いずみくん....一体何の用.....?
もしかして"この姿"のわたしが嫌、とか.....?なら帰ってすぐいつものに戻したいけど、そんな事を考えるひまもなく、わたしはいずみくんに腕を引っ張られるがままだった。
〜母〜
「もうウチの和泉は詩ちゃん以外のコが彼女なんて認めてないのよ〜!」
「あらそうなの〜!奇遇ね、ウチの詩も和泉くん以外のコが彼氏なんて容認しない事にしてるの〜!」
「「おほほほほ〜〜!!」」
-これが2人が学校で浮く原因だと分かるのは、もう少し先の事-
[水平線]
「なあうた....その格好何....」
思っていた通り、いずみくんはわたしを突き放すようにそう言った。
....や、やっぱりだめだったよね.....
中学の頃から全然目立たなかったわたしが、今更高校生になって"ギャル"するのは幼馴染として、やだよね.....
「ごめんなさい」そう言おうとしたとき、この世で最も破壊力のある言葉が、わたしに向けて発せられた。
[太字][大文字]「うた、かわいすぎる。」[/大文字][/太字]
花の高校生生活、まだまだ先は長そうです....!