たけしは転生して最初に出会ったもの、それは「魔王の城」だった。街道を歩いていると、巨大な魔王がトラクターを操縦して暴走していた。あれ、これはもしかして…？

「うわ、やっぱり魔王もやることが派手だな…」たけしは思った。

魔王が「私は世界を支配するためにトラクターを使っている！」と叫びながら、時速120キロで街を荒らしていた。

たけしはその光景を呆然と見つめながら魔王のトラクターの大きさに圧倒されていた。

「おい、止めろ！」たけしは思わず声を上げた。だが、魔王はまったく気にする様子もなく、トラクターのアクセルを踏み込んで街の建物をなぎ倒しながら進んでいく。

そんな中、魔王は突然トラクターのスピードを落とし、だんだんと車体を回転させながら停止した。そして、ドアを開けて降り立った。魔王は、目の前に立っていたたけしを一瞥すると、ニヤリと笑った。

「お前、何をしてるんだ？」魔王はその声で問いかけた。まるで自分が一番偉いと言わんばかりの威圧感を放っていた。

たけしは少し焦りながらも、本当にトラクターで世界を支配するのかと魔王に尋ねた。

魔王は豪快に笑い、再びトラクターに乗り込んだ。「お前も乗るか？」

たけしは一瞬迷ったが、どこかでこんな展開を期待していた自分がいることに気づいてしまった。「乗るのか…まあ、いいか。」そう言って、トラクターに乗ることに決めた。

トラクターは再び時速120キロを超え、道行くものすべてを巻き込んで突き進んだ。まるで暴走する雷のように、トラクターは街を駆け抜けた。たけしはそのスピードと派手さに圧倒されながらも、ふと後ろを振り返った。

「おい、なんか後ろに…？」たけしは目を見開いた。

魔王はクスリと笑いながら振り返った。「ああ、あれは『トラクター軍団』だ。俺の支配下にある、あのトラクターたちは全部俺が操縦してるんだ。」

その言葉が終わると、後ろから大群のトラクターが猛スピードで迫ってきた。まるで魔王の手下のように、何十台ものトラクターが並んでついてきていた。

「こ、これが…本当に世界支配の手段か？」たけしは言葉を失いながら、魔王の奇妙な指導力を見ていた。（続く？）