【圧倒的人手不足殺し屋KAN】
― カラスの部屋前 ―
「カラスさん、カラスさん。起きてくださいヨ」
ドアの前で澄んだ声が響く。
「オリバー様。鴉様は近頃ゲームで夜更かしをしてるから寝不足なんです」
モップを持ったメアが淡々と説明する。
「なんと貧弱な人間なんだ」
「ローズ!うるさいよ!」
朝からやけに騒がしい。
鴉の部屋の前には、
執事のような物腰のオリバー。
その後ろに、掃除係のメア。
そこへ、陽とローズが通りかかる。
「どいて。私が起こしてあげるから♪」
そう言って現れたのは、一ノ瀬ゆのん。
なぜか手には手榴弾を持っている。
「ちょっと……ゆのんさん、だめだって!」
彼女の服に必死にしがみついているのは、烏丸 莉魅だった。
「あなた可愛いわね、付き合う?」
「……悪趣味」
その時、ドアが開いた。
「はよ。どしたの、皆んな僕の部屋の前で」
寝癖だらけのカラスが顔を出す。
「もう起きちゃったの?キスしてあげようと思ったのに」
「はっ、ハハッ。結構。それより他の皆んなは?任務?」
「そうなんデスよ。Disneyだそうデス」
相変わらずオリバーの発音は無駄に綺麗だ。
「メア、今日他に任務は入ってる?」
「いいえ。ライチ様が行かれた任務のみです」
「じゃあ丁度いいね。皆んな暇してる?」
カラスはそう言って、満面の笑みを浮かべた。
「?? ヒマですガ?」
ボサボサの髪を整えながら、カラスは受話器のある場所へ向かう。
「じゃあ、合同演習でもしようか」
― 某ネズミの国 ―
「アルビノさん。何か困ったことがあったら言ってください」
「わ、わかりました……えぇと、ライズさん?」
「ライチ。神鳴ライチです」
「アルビノちゃん、よろしくね」
「よろしくお願い……します。姫宮さん」
「おい、妹に何かしたらぶち◯すで?」
某ネズミの国の入り口。
四人はミッ◯キーやダッ◯ィーのカチューシャを付けて並んでいた。
手荷物検査を終え、無事入場。
その瞬間四人は素人が何かを探しているかのような視線を察知した。
「兄ちゃん。右に三人、シンデレラ城の一番上に一人」
「わかっとるで」
「アルビノさん。堂々と歩いてください。疑われないように」
「は、はひぃ!」
この四人――
神鳴ライチ、姫宮るる、姫宮ゆう、アルビノは
国の中でも屈指の大富豪を暗殺するために来ていた。
その男は麻薬取引で財を成したクズ。そのため殺し屋を金で買収し護衛としてつけていた。
匿名の依頼主から、暗殺依頼が出ている。
「しかし、大富豪もディ◯ニー来るんやな」
「いい?ここからは別行動だよ」
ライチが低い声で言う。
「アルビノさんは俺と。
姫宮ズは二人で行動して」
「わーてるわ、ボケナス」
ゆうの顔には、
“妹とディ◯ニーを楽しみたい”という欲望が隠しきれず浮かんでいた。
「バレないように。
ターゲットを見つけても、夜になるまで待つんだ」
「「りょーかい!」」
「んじゃ、カラス小隊出動!」
⸻
カラス小隊
隊長(仮):神鳴 ライチ
姫宮 るる
姫宮 ゆう
アルビノ