原初の魔人
「おかえり。レフィ」
たった今。
一羽の白い鳥が何処かに向かって羽ばたいた。
雲一つなく、どこまでも続いてそうな
青い空。
三月頃だろうか。
草原には涼しい風が吹く。
風に煽られて、草が揺れる。
花弁が舞う。
そして、
「…………」
鳥がマフラーを咥えて一人の少年の元へとやってくる。
「…………んぁ。あぁ!?ぁああっ!」
スヤスヤと寝ている少年の顔に鳥が着地した。
そして、両手をバタバタさせて鳥を追い払う。
「っわぁ。ビビったぁ。なんなんだよ本当。」
鳥が置いてあったマフラーを拾い上げる。
「なんだこのマフラー。女子がつけてそうなヤツじゃねぇかよ。」
ぶつぶつ文句を言いながらじっと見つめて。
「エレボス•クリスティアル……あの、王都に支えてる人か。」
エレボス•クリスティアル。この国の魔法軍隊総統。
その名前がマフラーに刻まれていた。
「さてと。届けに行くか。」
そして、大草原とは逆方向。
大都市部に向かって歩き出した。
85
たった今。
一羽の白い鳥が何処かに向かって羽ばたいた。
雲一つなく、どこまでも続いてそうな
青い空。
三月頃だろうか。
草原には涼しい風が吹く。
風に煽られて、草が揺れる。
花弁が舞う。
そして、
「…………」
鳥がマフラーを咥えて一人の少年の元へとやってくる。
「…………んぁ。あぁ!?ぁああっ!」
スヤスヤと寝ている少年の顔に鳥が着地した。
そして、両手をバタバタさせて鳥を追い払う。
「っわぁ。ビビったぁ。なんなんだよ本当。」
鳥が置いてあったマフラーを拾い上げる。
「なんだこのマフラー。女子がつけてそうなヤツじゃねぇかよ。」
ぶつぶつ文句を言いながらじっと見つめて。
「エレボス•クリスティアル……あの、王都に支えてる人か。」
エレボス•クリスティアル。この国の魔法軍隊総統。
その名前がマフラーに刻まれていた。
「さてと。届けに行くか。」
そして、大草原とは逆方向。
大都市部に向かって歩き出した。
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