ツギハギ短編物語
村に着いた。
最初の村だ。たぶん。
木の家、井戸、畑、そして掲示板。
RPG的に安心する景色。
だが掲示板の内容が不穏だった。
【魔王さま : 本日も畑を耕してくださいました】
【魔王さま : 井戸の修理ありがとうございました】
【魔王さま : 子どもと遊んでくれて感謝】
「……は?」
僕は看板を二度見....
いや、三度見した。
そのとき、後ろから声がする。
「旅の方ですか?」
振り向くと、角の生えた男が鍬を持って立っていた。
マント着用。威厳あり。オーラは出てないが、どう見てもラスボスの外見。
だが笑顔が近所のお兄さん。
「畑、踏まないでくださいね。昨日整地したばかりなので」
「あっすみません」
思わず謝った。
気づかぬうちに入ってしまっていたようだ。
村人が寄ってくる。
「魔王さま、この人たぶん勇者です!」
「ついに来たのか…!」
「家の壺を隠せ!!」
「待って僕、何もしてない」
その瞬間、足元に宝箱を見つける。
反射で開けた。
パンが入ってた。
「「「やっぱりーー!!」」」
村人が悲鳴をあげる。
「それ。非常食です!」
「三日分のです!」
「魔王さまが焼いてくれたのに!」
「ごめん」
魔王が優しく僕の肩に手を置く。
「勇者様、落ち着いてください。ここはダンジョンではありません」
そのとき、近くの壺に肘が当たる。
割れた。
静寂。
その直後、子どもが泣き出す。
「あー……えっと……」
魔王がしゃがんで破片を集める。
「大丈夫ですよ。形あるものはいずれ壊れますから」
人格者だ。
村人たちが俺を見る目だけが冷たい。
掲示板に新しい紙が貼られる。
【本日の村の被害:勇者】
「僕がモンスター扱い!?」
魔王は苦笑する。
「勇者とは本来、世界を変える存在ですからね」
「フォローになってない」
夕日が沈む。
僕は村の外に立たされていた。
門が閉まる。
内側から声がする。
「次の村へお願いします」
世界を救うことになるかもしれない、旅が始まった。
たぶん、悪評と共に。
最初の村だ。たぶん。
木の家、井戸、畑、そして掲示板。
RPG的に安心する景色。
だが掲示板の内容が不穏だった。
【魔王さま : 本日も畑を耕してくださいました】
【魔王さま : 井戸の修理ありがとうございました】
【魔王さま : 子どもと遊んでくれて感謝】
「……は?」
僕は看板を二度見....
いや、三度見した。
そのとき、後ろから声がする。
「旅の方ですか?」
振り向くと、角の生えた男が鍬を持って立っていた。
マント着用。威厳あり。オーラは出てないが、どう見てもラスボスの外見。
だが笑顔が近所のお兄さん。
「畑、踏まないでくださいね。昨日整地したばかりなので」
「あっすみません」
思わず謝った。
気づかぬうちに入ってしまっていたようだ。
村人が寄ってくる。
「魔王さま、この人たぶん勇者です!」
「ついに来たのか…!」
「家の壺を隠せ!!」
「待って僕、何もしてない」
その瞬間、足元に宝箱を見つける。
反射で開けた。
パンが入ってた。
「「「やっぱりーー!!」」」
村人が悲鳴をあげる。
「それ。非常食です!」
「三日分のです!」
「魔王さまが焼いてくれたのに!」
「ごめん」
魔王が優しく僕の肩に手を置く。
「勇者様、落ち着いてください。ここはダンジョンではありません」
そのとき、近くの壺に肘が当たる。
割れた。
静寂。
その直後、子どもが泣き出す。
「あー……えっと……」
魔王がしゃがんで破片を集める。
「大丈夫ですよ。形あるものはいずれ壊れますから」
人格者だ。
村人たちが俺を見る目だけが冷たい。
掲示板に新しい紙が貼られる。
【本日の村の被害:勇者】
「僕がモンスター扱い!?」
魔王は苦笑する。
「勇者とは本来、世界を変える存在ですからね」
「フォローになってない」
夕日が沈む。
僕は村の外に立たされていた。
門が閉まる。
内側から声がする。
「次の村へお願いします」
世界を救うことになるかもしれない、旅が始まった。
たぶん、悪評と共に。