ピッ、ピッ…ーピッ
無機質な心電図の音が不規則に鳴る病室。
あれから、私は入院した。
3日たった今、息苦しさは増すばかり。
お医者さんが言うには…余命は今日限り。
これでは、もう絵の続きを書くどころか、文化祭にも行けない。
志賀「もう…私、死んでしまう…」
真っ白な病院のベッドは、私の涙で少し濡れてしまった。
夜7時。両親が私のところへお見舞いに来てくれた。
両親は共働きだから、これまでなかなか来れなかったみたい。
弟は来なかった。
でも、お見舞いの時間は経ったの3分。
私の重体を悟ったのか、病室のデスクに3-1の集合写真を置いて出ていった。
もっと、大事に思ってくれていいじゃない…


夜9時30分。
10時になれば、私は眠らないといけない。
それにもかかわらず、病室のドアがノックされた。
志賀「…どうぞ」
カラカラとゆっくりドアが開き、その人物は入ってきた。
高松「ごめん、なかなか行けなくて」
高松さんの顔はいつもの優しい顔じゃなく、どこか泣きそうな顔だった。


お見舞いの時間は30分。
高松さんは時間ギリギリまでいてくれた。
早く元気になるといいね、高松さんは私の手を優しく握って言ってくれた。
少し無理して作ったいつもの微笑みを添えて。
私は、余命のことは話さなかった。
そんなこと言ったら、私は心まで人間じゃなくなってしまう。
自分でも心音が弱まるのを感じる。
堪えていた苦しみや痛みが一気に押し寄せた。


午後10時1分。私は亡くなった。