二次創作
【文スト二次/リクエスト可/質問受付中】道化のラプソディア
「腹立つ呪いかけんな!」
また少年の蹴りが太宰に命中する。太宰は小さく呻いた。
「そうよ、可哀そうよ…[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]はきっと伸びるだろうけど、ちょっと…。[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]がもしかしたら抜かしてしまうかもしれないわ。成長期もまだ来てないし…。」
「うるせえ!お前もお前で合間合間に俺を貶すんじゃねェ!」
ルイスが少年と言葉を交わす。その合間に広津が太宰に駆け寄っていくのが視界の端で見えた。
「嗚呼、そうね、思い出したわ。重力を操れるし、体術も一般人以上。報復主義はたった一人の少年によってなされている。―――貴方、『羊』のリーダーの『羊の王』、『中原 中也』ね。」
「俺は王じゃねぇ。ただ『強さ』っていう手札を持ってるだけだ。その責任を果たしてるだけだ。」
「強さ故の責任、ねぇ…面倒臭そうだわ、やっぱり。」
そう言って言葉を切り、ルイスを睨みつけた。
「手前、やけに『羊』の内情に詳しいじゃねえか。」
「[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]、裏の組織の事情はだいたい知るようにしてるのよ。勧誘され時の事とかもね。もちろん断ったわよ。異能ぐらい自分自身で使い方を決めたいもの。」
「そりゃいい判断だ。手前が入ってたら、どんな手段を使ってでも、追い出してるぜ。」
「その前に貴方の組織を崩壊させるわ。だって、貴方以外は所詮、子供だもの。」
中也がルイスを睨み、ルイスが中也に微笑みで返した。
「ごめんなさいね。時間稼ぎをするにはこれが正解だと思ったの。貴方では[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]たちを殺せない。」
「はぁ?」
「あの跫音が聞こえないのかい?」
「跫音だと?」
全方位から怒声が叩きつけられた。マフィアの救援が到着したようだ。
全方位から様々な銃の銃口が中也に向けられている。ルイスは広津とのやり取りを横目で見ながら、安全圏のトタンの屋根に腰を下ろした。
広津の異能力は斥力を発生させる。重力を操る中也とは相性が悪い。完全に上位互換の関係にあるのだ。そのための一工夫がそこにはあった。
短い時間のやりあいをルイスは静かに見詰めていた。太宰が中也の首筋に手を当てる。これで中也の重力は手から離れた。
広津の異能が発動し、中也は予想通り吹き飛んだ。それと同時に太宰も吹き飛ぶ。
「太宰さん!」
「やら……れた。」
腹部を押さえて呻いた。ルイスも思わず屋根から飛び降り、状況を整理する。
「衝撃の直前に下半身の回転だけで蹴られたんだわ!太宰の手から離れて、自分の異能で緊急脱出…‼」
中也はそのまま壁に横向きで着地した。その口には、猛獣の笑みが浮かぶ。
「ははは!そうだ、そいつだよ!宴の開幕にふさわしい花火を上げようぜ!」
次の瞬間、黒い炎が、全員を水平に吹き飛ばした。
また少年の蹴りが太宰に命中する。太宰は小さく呻いた。
「そうよ、可哀そうよ…[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]はきっと伸びるだろうけど、ちょっと…。[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]がもしかしたら抜かしてしまうかもしれないわ。成長期もまだ来てないし…。」
「うるせえ!お前もお前で合間合間に俺を貶すんじゃねェ!」
ルイスが少年と言葉を交わす。その合間に広津が太宰に駆け寄っていくのが視界の端で見えた。
「嗚呼、そうね、思い出したわ。重力を操れるし、体術も一般人以上。報復主義はたった一人の少年によってなされている。―――貴方、『羊』のリーダーの『羊の王』、『中原 中也』ね。」
「俺は王じゃねぇ。ただ『強さ』っていう手札を持ってるだけだ。その責任を果たしてるだけだ。」
「強さ故の責任、ねぇ…面倒臭そうだわ、やっぱり。」
そう言って言葉を切り、ルイスを睨みつけた。
「手前、やけに『羊』の内情に詳しいじゃねえか。」
「[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]、裏の組織の事情はだいたい知るようにしてるのよ。勧誘され時の事とかもね。もちろん断ったわよ。異能ぐらい自分自身で使い方を決めたいもの。」
「そりゃいい判断だ。手前が入ってたら、どんな手段を使ってでも、追い出してるぜ。」
「その前に貴方の組織を崩壊させるわ。だって、貴方以外は所詮、子供だもの。」
中也がルイスを睨み、ルイスが中也に微笑みで返した。
「ごめんなさいね。時間稼ぎをするにはこれが正解だと思ったの。貴方では[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]たちを殺せない。」
「はぁ?」
「あの跫音が聞こえないのかい?」
「跫音だと?」
全方位から怒声が叩きつけられた。マフィアの救援が到着したようだ。
全方位から様々な銃の銃口が中也に向けられている。ルイスは広津とのやり取りを横目で見ながら、安全圏のトタンの屋根に腰を下ろした。
広津の異能力は斥力を発生させる。重力を操る中也とは相性が悪い。完全に上位互換の関係にあるのだ。そのための一工夫がそこにはあった。
短い時間のやりあいをルイスは静かに見詰めていた。太宰が中也の首筋に手を当てる。これで中也の重力は手から離れた。
広津の異能が発動し、中也は予想通り吹き飛んだ。それと同時に太宰も吹き飛ぶ。
「太宰さん!」
「やら……れた。」
腹部を押さえて呻いた。ルイスも思わず屋根から飛び降り、状況を整理する。
「衝撃の直前に下半身の回転だけで蹴られたんだわ!太宰の手から離れて、自分の異能で緊急脱出…‼」
中也はそのまま壁に横向きで着地した。その口には、猛獣の笑みが浮かぶ。
「ははは!そうだ、そいつだよ!宴の開幕にふさわしい花火を上げようぜ!」
次の瞬間、黒い炎が、全員を水平に吹き飛ばした。