二次創作
【文スト二次/リクエスト可/質問受付中】道化のラプソディア
鈍い衝突音が響いた。それだけならば、ここ、『魔都ヨコハマ』の日常の一つである。
だが、明らかに違った。単純に威力が桁違いなのだ。衝突音とともに衝撃波が辺りにとどめく。
衝突音をたどると、一人の少年と一人の少女にたどり着いた。
少年────もとい、『中原 中也』。少女────『ルイス・キャロル』。簡潔に述べれば、二人の喧嘩である。だが、二人の力量が並みの大人よりも桁違いに高い。それ故に、辺りの被害が大きかった。
被害といっても、気づかない程度の衝撃波と、騒音だけなのだが。誰かの眠りを阻害してしまったのならば物申せばいい。マフィアに手を出すことになるのだが。
「[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]は何もおかしなことはしていないと思うのだけれど?たった一人を救うために組織に甚大な被害を及ばすなんて、さすがに貴方でもどうなるか分かるんじゃ無いのかしら?」
「うるせぇっ!それぐらい分かってんだよ!───ッでも!やり方が気に食わねぇんだよ!」
二人はある任務に就いていた。二人の部下も数名ついていたが、戦闘中に相手が建物ごとの自爆を試み、ルイスは重傷を負った部下を即座に見捨て、離脱した。
中也も仕方なく離脱したが、ルイスの一言でこのような結果に至ることとなった。
「さっさと帰りましょ。あの遺体は処理に任せるわ。ま、どうせ助からなかったんだから、死が早まっただけね。」
中也が食って掛かり、廃棄された大型コンテナの中で強大すぎる喧嘩は始まった。
「あの時少しでも遅れればもっと被害が出たはずよ!『不思議の国のアリス』!ハートの女王よ!首を刎ねなさい!」
「ンなこと分かってる、だけど!彼奴がどう思ったかわかんねぇのかよ!」
「知らないわよそんなこと!マフィアは喜んで命を捨てる、それが[漢字]理[/漢字][ふりがな]ことわり[/ふりがな]なのよ!」
ダンッ──!!
ルイスを床に押し付ける。喧嘩はそこで終わった。
「分かんないわよ。そんなこと。生憎[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]は人の気持ちなんだか考えられないわ。何も、分からないんだもの。自分がその立場にいたって、死にたくない、酷い、なんて戯言思わないわ。理解できないの。」
「……悪かった。俺は、マフィアとしては失格だ。でも、お前が気づけないのは、自分自身のことすら考えてねェからだ。」
中也はルイスの頬を殴ろうとした拳を床に軽く押し当てて立ち上がった。
「……ぇ?」
「帰るぞ。首領にとやかく言われる前にな。」
「……。」
ルイスは幾分か黙って、中也を見つめ、自分の手のひらを見つめた。
「えぇ。帰りましょ。」
このことは、二人しか知らないはずなのだが、翌日、太宰により『今週の負け惜しみ中也』によって発表された。
中也のその時の心情は知るまでもないだろう。
だが、明らかに違った。単純に威力が桁違いなのだ。衝突音とともに衝撃波が辺りにとどめく。
衝突音をたどると、一人の少年と一人の少女にたどり着いた。
少年────もとい、『中原 中也』。少女────『ルイス・キャロル』。簡潔に述べれば、二人の喧嘩である。だが、二人の力量が並みの大人よりも桁違いに高い。それ故に、辺りの被害が大きかった。
被害といっても、気づかない程度の衝撃波と、騒音だけなのだが。誰かの眠りを阻害してしまったのならば物申せばいい。マフィアに手を出すことになるのだが。
「[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]は何もおかしなことはしていないと思うのだけれど?たった一人を救うために組織に甚大な被害を及ばすなんて、さすがに貴方でもどうなるか分かるんじゃ無いのかしら?」
「うるせぇっ!それぐらい分かってんだよ!───ッでも!やり方が気に食わねぇんだよ!」
二人はある任務に就いていた。二人の部下も数名ついていたが、戦闘中に相手が建物ごとの自爆を試み、ルイスは重傷を負った部下を即座に見捨て、離脱した。
中也も仕方なく離脱したが、ルイスの一言でこのような結果に至ることとなった。
「さっさと帰りましょ。あの遺体は処理に任せるわ。ま、どうせ助からなかったんだから、死が早まっただけね。」
中也が食って掛かり、廃棄された大型コンテナの中で強大すぎる喧嘩は始まった。
「あの時少しでも遅れればもっと被害が出たはずよ!『不思議の国のアリス』!ハートの女王よ!首を刎ねなさい!」
「ンなこと分かってる、だけど!彼奴がどう思ったかわかんねぇのかよ!」
「知らないわよそんなこと!マフィアは喜んで命を捨てる、それが[漢字]理[/漢字][ふりがな]ことわり[/ふりがな]なのよ!」
ダンッ──!!
ルイスを床に押し付ける。喧嘩はそこで終わった。
「分かんないわよ。そんなこと。生憎[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]は人の気持ちなんだか考えられないわ。何も、分からないんだもの。自分がその立場にいたって、死にたくない、酷い、なんて戯言思わないわ。理解できないの。」
「……悪かった。俺は、マフィアとしては失格だ。でも、お前が気づけないのは、自分自身のことすら考えてねェからだ。」
中也はルイスの頬を殴ろうとした拳を床に軽く押し当てて立ち上がった。
「……ぇ?」
「帰るぞ。首領にとやかく言われる前にな。」
「……。」
ルイスは幾分か黙って、中也を見つめ、自分の手のひらを見つめた。
「えぇ。帰りましょ。」
このことは、二人しか知らないはずなのだが、翌日、太宰により『今週の負け惜しみ中也』によって発表された。
中也のその時の心情は知るまでもないだろう。