二次創作
【文スト二次/リクエスト可/質問受付中】道化のラプソディア
電子板が明滅し、激しい電子音が鳴り響く。
少年二人の勝負は、太宰の勝利で終わったようだ。
「くそ……割と自信あったのに……!」
直接的な争いは、森により禁止されているため、電子遊戯勝負が選ばれていた。其の勝負も今、決着がついたのだが。
そんな争いを横目に、ルイスは、店の入り口に少年少女の影を見た。其の三人に全員の右手首に青い細帯。『羊』のメンバーだ。
「中也。貴方のお迎えが来てるみたいだけれど。」
「はッ⁉あいつ等が出て来る迄こっち見んじゃねえぞ!」
ルイスと太宰はお互い顔を合わせ、口を開いた。
「「おおーい中也君/中也!さっさと仕事をしに行くよー/わよー!首領の命令だろーう/よねー?」」
「手前っ……!」
中也が小声で毒づくと同時に少年少女の三人組が中也を発見し、小走り気味に近づいた。
中也と三人組、態度が真反対の掛け合いをルイスは眺め、口を挟んだ太宰に続いた。
「じゃあ、被害が確認できる一番古い噂は何時?」
「ずっと前の噂よ。情報が曖昧でも良いわ。」
「おい……中也?誰だこいつ等?入団希望者か?ガキが興味本位で入るところじゃないぞ?」
少年はルイスを睨んだ。ルイスは微笑みながら、カーテシーをした。
「……一応、そんなところだ。悪いが、答えてやってくれ。」
納得のいかないようだが、銀髪の少年は答えた。
「そもそも、噂が始まったのは8年前だな。大戦の末期、擂鉢街を作った大爆発。『[漢字]荒覇吐[/漢字][ふりがな]アラハバキ[/ふりがな]』が実際に出した被害はこれ以前にはねえ。」
太宰とルイスは得心顔で頷いた。
「この二人……本当に『羊』の新入りか?幾らお前でも独断では入れられないんだぞ。確かに」
「お前は一番強いし、一番組織に貢献してる。それで……強権横暴だって、前から皆に言われているのかしら?」
少年がたじろぐ。中也がルイスを睨みつけるように見て、低い声でルイスに文句をたれようとする少年の台詞を遮るように言った。
「判ってる。」
太宰とルイスは、楽しむように中也と『羊』のやり取りを傍観している。
太宰の拍手が響き、ルイスは楽しげに嗤った。
一連のやり取りが終わり、『羊』が去ろうとしたとき、ルイスが微笑みながら云った。
「ねェ、[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]、付いて行って良いかしら?」
太宰は少し考えるそぶりをして、答えた。
「良いんじゃないの?まァ、友情の証ってことで、仲良くしたらいいよ。」
「……。」
中也はルイスをしばらく睨むようにしていたが、諦めたように溜息を吐いた。
『羊』たちは何か話し合う様子を見せ、渋々頷いた。
擂鉢街の奥へと進む『羊』たちに、ルイスは軽やかな足取りで付いて行く。
「ねェ、どこら辺まで行くのかしら?」
無言。
「ねェ、最近、陽が照って暑いわね。」
無言。
「[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]、そろそろ疲れてきそうだわ。」
無言。
「異能に運んでもらっていいかしら?」
無言。
ルイスは詰まらなさそうに、「ちぇっ」と呟き、口を尖らせた。
「嗚呼、先に言っておくと、貴方達では[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]を殺せないわ。殺したとしても、人質が死に、貴方達も皆殺し。そう、中也が戻ってくる前にね。」
『羊』たちの足がやっと止まった。ルイスは気にせず言葉を続ける。
「中也が居ない限りは、強奪した銃火器で戦闘ね。ポートマフィアは貴方達以上の人間、装備で殺すけどね。」
ルイスは『羊』たちの前に軽やかに出て、微笑んで振り返った。
「仲良くしましょ!」
「……。」
『羊』たちは元来た道を引き返し、ある家に入った。其処には、少年少女が楽しげに騒いでいた。が、ルイスを見た途端、静まり返った。
「嗚呼、そうね。自己紹介を忘れていたわ。[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]はルイス。『ルイス・キャロル』よ。」
にっこりと微笑んだ。
『羊』は自身の危険性を知った。ルイスが少女らに愛でられたのは、割愛させてもらう。
少年二人の勝負は、太宰の勝利で終わったようだ。
「くそ……割と自信あったのに……!」
直接的な争いは、森により禁止されているため、電子遊戯勝負が選ばれていた。其の勝負も今、決着がついたのだが。
そんな争いを横目に、ルイスは、店の入り口に少年少女の影を見た。其の三人に全員の右手首に青い細帯。『羊』のメンバーだ。
「中也。貴方のお迎えが来てるみたいだけれど。」
「はッ⁉あいつ等が出て来る迄こっち見んじゃねえぞ!」
ルイスと太宰はお互い顔を合わせ、口を開いた。
「「おおーい中也君/中也!さっさと仕事をしに行くよー/わよー!首領の命令だろーう/よねー?」」
「手前っ……!」
中也が小声で毒づくと同時に少年少女の三人組が中也を発見し、小走り気味に近づいた。
中也と三人組、態度が真反対の掛け合いをルイスは眺め、口を挟んだ太宰に続いた。
「じゃあ、被害が確認できる一番古い噂は何時?」
「ずっと前の噂よ。情報が曖昧でも良いわ。」
「おい……中也?誰だこいつ等?入団希望者か?ガキが興味本位で入るところじゃないぞ?」
少年はルイスを睨んだ。ルイスは微笑みながら、カーテシーをした。
「……一応、そんなところだ。悪いが、答えてやってくれ。」
納得のいかないようだが、銀髪の少年は答えた。
「そもそも、噂が始まったのは8年前だな。大戦の末期、擂鉢街を作った大爆発。『[漢字]荒覇吐[/漢字][ふりがな]アラハバキ[/ふりがな]』が実際に出した被害はこれ以前にはねえ。」
太宰とルイスは得心顔で頷いた。
「この二人……本当に『羊』の新入りか?幾らお前でも独断では入れられないんだぞ。確かに」
「お前は一番強いし、一番組織に貢献してる。それで……強権横暴だって、前から皆に言われているのかしら?」
少年がたじろぐ。中也がルイスを睨みつけるように見て、低い声でルイスに文句をたれようとする少年の台詞を遮るように言った。
「判ってる。」
太宰とルイスは、楽しむように中也と『羊』のやり取りを傍観している。
太宰の拍手が響き、ルイスは楽しげに嗤った。
一連のやり取りが終わり、『羊』が去ろうとしたとき、ルイスが微笑みながら云った。
「ねェ、[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]、付いて行って良いかしら?」
太宰は少し考えるそぶりをして、答えた。
「良いんじゃないの?まァ、友情の証ってことで、仲良くしたらいいよ。」
「……。」
中也はルイスをしばらく睨むようにしていたが、諦めたように溜息を吐いた。
『羊』たちは何か話し合う様子を見せ、渋々頷いた。
擂鉢街の奥へと進む『羊』たちに、ルイスは軽やかな足取りで付いて行く。
「ねェ、どこら辺まで行くのかしら?」
無言。
「ねェ、最近、陽が照って暑いわね。」
無言。
「[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]、そろそろ疲れてきそうだわ。」
無言。
「異能に運んでもらっていいかしら?」
無言。
ルイスは詰まらなさそうに、「ちぇっ」と呟き、口を尖らせた。
「嗚呼、先に言っておくと、貴方達では[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]を殺せないわ。殺したとしても、人質が死に、貴方達も皆殺し。そう、中也が戻ってくる前にね。」
『羊』たちの足がやっと止まった。ルイスは気にせず言葉を続ける。
「中也が居ない限りは、強奪した銃火器で戦闘ね。ポートマフィアは貴方達以上の人間、装備で殺すけどね。」
ルイスは『羊』たちの前に軽やかに出て、微笑んで振り返った。
「仲良くしましょ!」
「……。」
『羊』たちは元来た道を引き返し、ある家に入った。其処には、少年少女が楽しげに騒いでいた。が、ルイスを見た途端、静まり返った。
「嗚呼、そうね。自己紹介を忘れていたわ。[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]はルイス。『ルイス・キャロル』よ。」
にっこりと微笑んだ。
『羊』は自身の危険性を知った。ルイスが少女らに愛でられたのは、割愛させてもらう。