【拾われ少年、愛されました。スピンオフ作品/リクエスト受付中!】ルイン・ウォー
夕方になり、茜色の空を[漢字]鴉[/漢字][ふりがな]からす[/ふりがな]が飛び始めた。
「今日で、[明朝体]お別れ[/明朝体]だね。」
「うぅん、きっと[大文字]また会えるよ![/大文字]」
少年と少女の[下線]未来の分岐点[/下線]、とでもいうのだろうか。
少年――[大文字]『[/大文字][漢字][大文字]泉[/大文字][/漢字][ふりがな]いずみ[/ふりがな] [漢字][大文字]渚[/大文字][/漢字][ふりがな]なぎさ[/ふりがな][大文字]』[/大文字]は12歳、卒業を機に、都内の学校に通い始める。
少女――[大文字]『[/大文字][漢字][大文字]与謝野[/大文字][/漢字][ふりがな]よさの[/ふりがな] [漢字][大文字]霞[/大文字][/漢字][ふりがな]かすみ[/ふりがな][大文字]』[/大文字]は地元に残るため、此処から数年会えなくなることを寂しく思っていた。
「辛くなったら戻ってくるんだよ。お手紙も一週間に一回送ろうね。」
「霞も頑張ってね、僕も、[大文字]頑張るから![/大文字]」
泣きながら笑って、手を振った。
渚は到着した列車に乗り込む。片道切符を握り締めて窓から手を振った。
霞もホームの端まで走って見えなくなるまで手を振り続けた。
[水平線]
一ヶ月が経っただろう頃。[明朝体]ぱたり[/明朝体]と霞からの手紙は送られなくなった。
「郵便屋さん、僕宛の手紙無かった?」
「うーん、今日はないね。」
悲しそうに俯いて、[下線]霞宛の手紙[/下線]を渡す。
霞に[下線]何かあったのだろうか[/下線]、自分と手[下線]紙を交わすことが嫌になった[/下線]のだろうか、不安だけが胸の中で渦巻いた。
「渚?如何だった?」
「今日も、来てなかった。」
渚が都内の学校に通う一つの条件、[下線]特別な身分[/下線]らしい、[大文字]『[/大文字][漢字][大文字]太宰[/大文字][/漢字][ふりがな]だざい[/ふりがな] [漢字][大文字]修治[/大文字][/漢字][ふりがな]しゅうじ[/ふりがな][大文字]』[/大文字]という人物が保護者として付くことだった。
「私が首突っ込んだら駄目なんだろうけど、一応、[大文字]一つだけ[/大文字]。」
「…?」
太宰が渚の頭を撫でた。
「その子、渚のことは嫌いになって無いよ。これだけは、[下線][太字]断言[/太字]できる[/下線]。」
「やめてよ…撫でられて喜ぶ年じゃないんだから…。」
少し目を閉じて、[漢字]故郷[/漢字][ふりがな]ふるさと[/ふりがな]の風景を脳裏に浮かべる。[明朝体]辛い[/明朝体]事、[明朝体]苦しい[/明朝体]事だらけだったけど、[太字]霞だけは違うから[/太字]。
そう、自分に言い聞かせて、今日も学校に向かうのだった―――
「今日で、[明朝体]お別れ[/明朝体]だね。」
「うぅん、きっと[大文字]また会えるよ![/大文字]」
少年と少女の[下線]未来の分岐点[/下線]、とでもいうのだろうか。
少年――[大文字]『[/大文字][漢字][大文字]泉[/大文字][/漢字][ふりがな]いずみ[/ふりがな] [漢字][大文字]渚[/大文字][/漢字][ふりがな]なぎさ[/ふりがな][大文字]』[/大文字]は12歳、卒業を機に、都内の学校に通い始める。
少女――[大文字]『[/大文字][漢字][大文字]与謝野[/大文字][/漢字][ふりがな]よさの[/ふりがな] [漢字][大文字]霞[/大文字][/漢字][ふりがな]かすみ[/ふりがな][大文字]』[/大文字]は地元に残るため、此処から数年会えなくなることを寂しく思っていた。
「辛くなったら戻ってくるんだよ。お手紙も一週間に一回送ろうね。」
「霞も頑張ってね、僕も、[大文字]頑張るから![/大文字]」
泣きながら笑って、手を振った。
渚は到着した列車に乗り込む。片道切符を握り締めて窓から手を振った。
霞もホームの端まで走って見えなくなるまで手を振り続けた。
[水平線]
一ヶ月が経っただろう頃。[明朝体]ぱたり[/明朝体]と霞からの手紙は送られなくなった。
「郵便屋さん、僕宛の手紙無かった?」
「うーん、今日はないね。」
悲しそうに俯いて、[下線]霞宛の手紙[/下線]を渡す。
霞に[下線]何かあったのだろうか[/下線]、自分と手[下線]紙を交わすことが嫌になった[/下線]のだろうか、不安だけが胸の中で渦巻いた。
「渚?如何だった?」
「今日も、来てなかった。」
渚が都内の学校に通う一つの条件、[下線]特別な身分[/下線]らしい、[大文字]『[/大文字][漢字][大文字]太宰[/大文字][/漢字][ふりがな]だざい[/ふりがな] [漢字][大文字]修治[/大文字][/漢字][ふりがな]しゅうじ[/ふりがな][大文字]』[/大文字]という人物が保護者として付くことだった。
「私が首突っ込んだら駄目なんだろうけど、一応、[大文字]一つだけ[/大文字]。」
「…?」
太宰が渚の頭を撫でた。
「その子、渚のことは嫌いになって無いよ。これだけは、[下線][太字]断言[/太字]できる[/下線]。」
「やめてよ…撫でられて喜ぶ年じゃないんだから…。」
少し目を閉じて、[漢字]故郷[/漢字][ふりがな]ふるさと[/ふりがな]の風景を脳裏に浮かべる。[明朝体]辛い[/明朝体]事、[明朝体]苦しい[/明朝体]事だらけだったけど、[太字]霞だけは違うから[/太字]。
そう、自分に言い聞かせて、今日も学校に向かうのだった―――