[大文字]「[大文字][大文字]お嬢様ッッ‼[/大文字][/大文字]お逃げ下さい‼敵襲に御座います！」[/大文字]
　侍女が部屋に飛び入ったと思ったら、[打消し][太字]首[/太字]が跳ね飛んだ[/打消し]。それと同時に一人の大柄な男が入ってくる。少女に飛び掛かる。
[大文字]「ッ⁉ウチに触るんじゃないわよ！」[/大文字]
　髪を結っていた[漢字]簪[/漢字][ふりがな]かんざし[/ふりがな]を抜き、装甲の隙間、首に[漢字]簪[/漢字][ふりがな]かんざし[/ふりがな]を刺す。男は抵抗しようとするが、その前に、何度も[漢字]簪[/漢字][ふりがな]かんざし[/ふりがな]を首に刺され、[明朝体]絶命した[/明朝体]。
　水色の髪に水色の目をした少女は、[大文字]『[/大文字][漢字][大文字]谷崎[/大文字][/漢字][ふりがな]たにざき[/ふりがな]　[漢字][大文字]茜[/大文字][/漢字][ふりがな]あかね[/ふりがな][大文字]』[/大文字]。
　かの有名な[下線]谷崎財閥[/下線]の末娘である。姉、兄は茜の知る限りでは[太字]20人以上[/太字]おり、茜は谷崎財閥の主に嫁いだ者の副産物として、冷ややかな目で見られ、離れに住まわされていた。
「…[大文字]ッ⁉[大文字]おいっ[/大文字]、しっかりしろ！…[/大文字]死んで、[小文字]る[/小文字]？」
　[漢字]寝台[/漢字][ふりがな]ベット[/ふりがな]の下に隠れ、仲間の死に驚いているうちに背後に忍び寄り、先ほど殺した者から奪った[漢字]拳銃[/漢字][ふりがな]ピストル[/ふりがな]を首の小さな装甲の隙間に弾丸を打ち込む。
　幸い、拳銃は[漢字]消音装置[/漢字][ふりがな]サイレンサー[/ふりがな]付きだったため、静かに首から血が零れた。
　それを複数回繰り返し、武器も、[漢字]拳銃[/漢字][ふりがな]ピストル[/ふりがな]、[漢字]回転式拳銃[/漢字][ふりがな]リボルバー[/ふりがな]、[漢字]短機関銃[/漢字][ふりがな]サブマシンガン[/ふりがな]、[漢字]散弾銃[/漢字][ふりがな]ショットガン[/ふりがな]、PDW、[漢字]突撃銃[/漢字][ふりがな]アサルトライフル[/ふりがな]。
　ふと、顔をあげてみると、[打消し]辺りは紅く、死体が積み上がっていた。[/打消し]
[明朝体]「…はぁ。」[/明朝体]
　溜め息を吐いた。こんな事したって意味がない。どうせ、大きな屋敷を襲うにはこんな人数じゃ[漢字]足りない[/漢字][ふりがな]・・・・[/ふりがな]から。
　諦めて扉の前に立った。数分経った頃だろうか、首に重い物が勢いを付けて当てられ、気を失った。
　少女の戦闘の才は、努力でも何でもない。天から与えられたもの、天才と云うのだろう―――