「[大文字]お父さん！お母さん！[/大文字]」
　　[漢字]桃色[/漢字][ふりがな]ピンク[/ふりがな]の髪に[漢字]桃色[/漢字][ふりがな]ピンク[/ふりがな]の目、特異な容姿をした少年は両親を探して家中を駆け回っていた。
「どうしたの/んだ？[太字]黄昏[/太字]。」
　少年の名は[大文字]『[/大文字][漢字][大文字]宮沢[/大文字][/漢字][ふりがな]みやざわ[/ふりがな]　[漢字][大文字]黄昏[/大文字][/漢字][ふりがな]たそがれ[/ふりがな][大文字]』[/大文字]。とある一般的な家庭の一人息子である。
「えっとね、ボク、おっきい[漢字]向日葵[/漢字][ふりがな]ひまわり[/ふりがな]見つけたんだ！」
「へぇ！凄いわね。どれだけ大きかったの？」
「[大文字]こ～んなに！[/大文字]」
　腕をいっぱいに広げ、母親に見せる。心優しい人たちなのだろう。黄昏もそんな両親に影響されて育っていた。
[水平線]
[大文字]「お父さん！お母さん！」[/大文字]
　[漢字]桃色[/漢字][ふりがな]ピンク[/ふりがな]の髪に[漢字]桃色[/漢字][ふりがな]ピンク[/ふりがな]の目、特異な容姿をした少年は両親を探して家中を駆け回っていた。
「ごめんね / な」
　黒髪の両親は、目の前で[明朝体][打消し]赤く散った[/打消し][/明朝体]。
「[明朝体]ヒッ[/明朝体]…[大文字]⁉[/大文字][明朝体]あ、いや、やめ、[/明朝体]」
　目の前で[太字]何度も[/太字]銃弾によって死体が跳ねる。腰が抜けてへたり込む少年に一人の男が立ち[漢字]憚[/漢字][ふりがな]はばか[/ふりがな]った。
「殺しますか？」
「[漢字]否[/漢字][ふりがな]イヤ[/ふりがな]、多少は金になる。口に布でも当てて連れて行け。政府の物好きには高く売[小文字]れ[/小文字]―――」
　男が言葉を紡ぎ終える前に、少年は気を失った。
　この日、とある少年の人生が底に堕ちていった――