【拾われ少年、愛されました。スピンオフ作品/リクエスト受付中!】ルイン・ウォー
[大文字]「[大文字]やっほ[/大文字]。元気してた~?」[/大文字]
「…太宰、お前なんか[明朝体][漢字]窶[/漢字][ふりがな]やつ[/ふりがな]れて[/明朝体]ないか?」
太宰と1か月ぶりに出会った俺――[大文字]『[/大文字][漢字][大文字]芥川[/大文字][/漢字][ふりがな]あくたがわ[/ふりがな] [漢字][大文字]隆之助[/大文字][/漢字][ふりがな]りゅうのすけ[/ふりがな][大文字]』[/大文字]は相棒に久しぶりに会う言葉とは[明朝体]あり得ない[/明朝体]言葉を掛けた。
「[明朝体]あははっ、[/明朝体]気のせいだよ~あんまり動かない私を[大文字]無理やり[/大文字]連れだしたんだからじゃないの?」
[明朝体]「…お前らしくないな。」[/明朝体]
太宰の表情が急に[打消し]暗くなった[/打消し]気が、否、[下線]暗くなっていた。[/下線]
「瑠奈ちゃんの[太字]カウンセリング[/太字]術は健在かな?」
「嗚呼。お前のつれてきた二人の面倒は多少ぐらいは見てやる。すぐ戻って来いよ。お前の[太字][打消し]過去[/打消し][/太字]は全く知らないが、[下線]お前が居なければ[太字]困る[/太字][/下線]。いいな?」
太宰は少し[明朝体]きょとん[/明朝体]とした表情をして、すぐに悪戯っ気を含んだように微笑みを浮かべた。
「戻ってくるよ。[大文字]なるはやで[/大文字]。」
太宰は手を振って瑠奈の部屋へと去って行った。目の前に[明朝体]二人[/明朝体]が残される。
一人は[下線]脅えて[/下線]いたが、もう一人は[下線]虚ろな目[/下線]で一点を見詰めているのか、正面を見詰めていた。
その様子は、俺の[漢字]拾った一人[/漢字][ふりがな]あの少年[/ふりがな]と似たような感じだった。
「すまないが、名を教えて貰ってもいいか?太宰の奴が何も言わずに去るものでな。」
「ぁ、ぇ[小文字]と[/小文字]、『[漢字]与謝野[/漢字][ふりがな]よさの[/ふりがな] [漢字]霞[/漢字][ふりがな]かすみ[/ふりがな]』です。」
「お前は?」
聞いていない、否、[下線]聞こえて[漢字]いない[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな][/下線]のだろう。
「太宰…さん…?が言ってたんですけど…この子は、『[漢字]谷崎[/漢字][ふりがな]たにざき[/ふりがな] [漢字]茜[/漢字][ふりがな]あかね[/ふりがな]』という名前だそうです。」
「嗚呼、有難う。俺の方でも一人保護してるんだが…[明朝体]会うか?[/明朝体]」
霞が茜の反応を見ようと揺するが、茜は何の反応も示さない。
「…[漢字]妾[/漢字][ふりがな]アタシ[/ふりがな]は良いんだけど、この子がヘンな反応見せたら辞めて欲しい…。」
「嗚呼、お前らが嫌な気持ちにならない事を[太字]前提[/太字]に俺は動く。此れだけは[太字]約束[/太字]する。」
霞も安心したのかもう一人に会う事にすると[漢字]頷[/漢字][ふりがな]うなず[/ふりがな]いた。
「…おいで、来れるか?」
奥の部屋で椅子に座っていた[太字]少年[/太字]と思われる子供が居た。手で招き、反応を示すが、椅子から[打消し]落ちてしまった。[/打消し]
芥川が[明朝体]慌てて[/明朝体]抱き上げて二人の前に運ぶ。
「…この子は、[大文字]『[/大文字][漢字][大文字]宮沢[/大文字][/漢字][ふりがな]みやざわ[/ふりがな] [漢字][大文字]黄昏[/大文字][/漢字][ふりがな]たそがれ[/ふりがな][大文字]』[/大文字]。さっき言ったとおり、太宰と別行動していた時に保護した子だ。」
黄昏と茜の[下線]目が合った[/下線]。しばらく見つめあい、静かに少しずつ歩み寄っている。
「…?」
手を伸ばして、[明朝体]繋いだ[/明朝体]。そのままさらに近づいて、手を離してお互いの肩に手をまわす。
つまりは、[明朝体]抱き着きあっていた[/明朝体]。
「…[大文字]⁉[/大文字]んな、[打消し]濃厚[/打消し]な…⁉」
霞はとんでもない様なものを見てしまった気がしてならない様で、[打消し]顔を手で隠しながら[明朝体]ちらちら[/明朝体]と[太字]覗いている[/太字]。[/打消し]
[明朝体][小文字]「「…っ、ぅぇ、ぅ…。」」[/小文字][/明朝体]
二人から[漢字][大文字]嗚咽[/大文字][/漢字][ふりがな]おえつ[/ふりがな]が漏れる。
俺は黄昏の[明朝体][打消し]泣き顔[/打消し][/明朝体]を初めて見たのかもしれない。霞も心配げに二人の様子を[漢字]窺[/漢字][ふりがな]うかが[/ふりがな]っている。
泣き止むと、二人でくっ付いてしゃがんだ。
[明朝体]子供部屋[/明朝体]、とでも云うのだろうか。壁紙は青空が描かれ、辺りには動物のぬいぐるみや、赤青黄などの塗装が施された積み木などそれぞれが木箱に丁寧に収められていた。
「[漢字]甘い物[/漢字][ふりがな]お菓子[/ふりがな]は好きか?」
「「…好き。」」
霞が頷く前に二人が小さく呟いた。
「あははっ、[太字]双子[/太字]みたいだねェ。[漢字]妾[/漢字][ふりがな]アタシ[/ふりがな]は…[大文字]うん[/大文字]、[漢字]長い間[/漢字][ふりがな]戦場で[/ふりがな]食べ[漢字]て[/漢字][ふりがな]れて[/ふりがな]無いし頂くよ。」
甘味は好まないのか…[大文字]以後[/大文字]気を付けよう。
[右寄せ][大文字][大文字][大文字]ガタッガタガタッ―――[/大文字][/大文字][/大文字][/右寄せ]
子供部屋の奥にある[漢字]襖[/漢字][ふりがな]ふすま[/ふりがな]が揺れた。三人は驚いて襖を[太字]凝視[/太字]している。そして、
[中央寄せ][大文字][大文字][大文字][大文字]スパァン―――!![/大文字][/大文字][/大文字][/大文字][/中央寄せ]
と、音を立てて一気に開いた。
[明朝体][大文字]『[大文字]ちょっ⁉[/大文字]渚くんっ、まだ診察終わって無いよ⁉』[/大文字][/明朝体]
可愛らしい機会音声と共に、[太字]猫耳[/太字]と[太字]猫の尾[/太字]が目立つ[太字]白髪[/太字]に、[太字]翠眼[/太字]と[太字]碧眼[/太字]の[漢字][太字]虹彩異色症[/太字][/漢字][ふりがな]オッドアイ[/ふりがな]の[明朝体]少女[/明朝体]…のように見える[太字]少年[/太字]が霞に向かって突っ込み、抱きしめた。
「[明朝体]ぇ…?[/明朝体]ナギ、[大文字]君…?[/大文字]」
[小文字]「…霞の莫迦。」[/小文字]
霞の驚愕した表情を見て、少年は少し顔を離したかと思えば、[漢字]頭突きを決めた[/漢字][ふりがな]・・・・・・・[/ふりがな]。
[大文字][大文字]「いだぁッ⁉」[/大文字][/大文字]
「[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]、[漢字]怒って[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]ますからね?」
少し赤くなった[漢字]額[/漢字][ふりがな]ひたい[/ふりがな]を押さえて霞が[漢字]蹲[/漢字][ふりがな]うずくま[/ふりがな]る。
「渚く~ん、[漢字]私等に聞こえるぐらい喉鳴っ[/漢字][ふりがな][大文字]めっちゃ喉ゴロゴロし[/大文字][/ふりがな]てるし、尻尾めっちゃ[漢字]揺れて[/漢字][ふりがな][大文字]ぶんぶんして[/大文字][/ふりがな]るからね~?」
[小文字]「…五月蠅いです。」[/小文字]
猫の獣人としての[漢字]性[/漢字][ふりがな]サガ[/ふりがな]には逆らえないのか、[明朝体]ツン[/明朝体]とそっぽを向いた。
『[大文字]も~お~![/大文字]私を無視して出て行かないで…[小文字]よ?[/小文字]』
[太字]白髪[/太字]に赤髪の混じった[太字]碧眼[/太字]の少女が襖の奥から出てくる。
[漢字]異様な[/漢字][ふりがな][大文字]カオスな[/大文字][/ふりがな]光景に全員の動きが止まった。
「あー、うん。一回全員[太字]落ち着いて[/太字]、[漢字]如何[/漢字][ふりがな]どう[/ふりがな]いう状況か[太字]説明[/太字]しようか。」
太宰の[下線]真っ当すぎる意見[/下線]に皆が反論する余地もなく、その意見は受け入れられた。
これが、一番最初にこの物語の主要人物が出会った瞬間である――
「…太宰、お前なんか[明朝体][漢字]窶[/漢字][ふりがな]やつ[/ふりがな]れて[/明朝体]ないか?」
太宰と1か月ぶりに出会った俺――[大文字]『[/大文字][漢字][大文字]芥川[/大文字][/漢字][ふりがな]あくたがわ[/ふりがな] [漢字][大文字]隆之助[/大文字][/漢字][ふりがな]りゅうのすけ[/ふりがな][大文字]』[/大文字]は相棒に久しぶりに会う言葉とは[明朝体]あり得ない[/明朝体]言葉を掛けた。
「[明朝体]あははっ、[/明朝体]気のせいだよ~あんまり動かない私を[大文字]無理やり[/大文字]連れだしたんだからじゃないの?」
[明朝体]「…お前らしくないな。」[/明朝体]
太宰の表情が急に[打消し]暗くなった[/打消し]気が、否、[下線]暗くなっていた。[/下線]
「瑠奈ちゃんの[太字]カウンセリング[/太字]術は健在かな?」
「嗚呼。お前のつれてきた二人の面倒は多少ぐらいは見てやる。すぐ戻って来いよ。お前の[太字][打消し]過去[/打消し][/太字]は全く知らないが、[下線]お前が居なければ[太字]困る[/太字][/下線]。いいな?」
太宰は少し[明朝体]きょとん[/明朝体]とした表情をして、すぐに悪戯っ気を含んだように微笑みを浮かべた。
「戻ってくるよ。[大文字]なるはやで[/大文字]。」
太宰は手を振って瑠奈の部屋へと去って行った。目の前に[明朝体]二人[/明朝体]が残される。
一人は[下線]脅えて[/下線]いたが、もう一人は[下線]虚ろな目[/下線]で一点を見詰めているのか、正面を見詰めていた。
その様子は、俺の[漢字]拾った一人[/漢字][ふりがな]あの少年[/ふりがな]と似たような感じだった。
「すまないが、名を教えて貰ってもいいか?太宰の奴が何も言わずに去るものでな。」
「ぁ、ぇ[小文字]と[/小文字]、『[漢字]与謝野[/漢字][ふりがな]よさの[/ふりがな] [漢字]霞[/漢字][ふりがな]かすみ[/ふりがな]』です。」
「お前は?」
聞いていない、否、[下線]聞こえて[漢字]いない[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな][/下線]のだろう。
「太宰…さん…?が言ってたんですけど…この子は、『[漢字]谷崎[/漢字][ふりがな]たにざき[/ふりがな] [漢字]茜[/漢字][ふりがな]あかね[/ふりがな]』という名前だそうです。」
「嗚呼、有難う。俺の方でも一人保護してるんだが…[明朝体]会うか?[/明朝体]」
霞が茜の反応を見ようと揺するが、茜は何の反応も示さない。
「…[漢字]妾[/漢字][ふりがな]アタシ[/ふりがな]は良いんだけど、この子がヘンな反応見せたら辞めて欲しい…。」
「嗚呼、お前らが嫌な気持ちにならない事を[太字]前提[/太字]に俺は動く。此れだけは[太字]約束[/太字]する。」
霞も安心したのかもう一人に会う事にすると[漢字]頷[/漢字][ふりがな]うなず[/ふりがな]いた。
「…おいで、来れるか?」
奥の部屋で椅子に座っていた[太字]少年[/太字]と思われる子供が居た。手で招き、反応を示すが、椅子から[打消し]落ちてしまった。[/打消し]
芥川が[明朝体]慌てて[/明朝体]抱き上げて二人の前に運ぶ。
「…この子は、[大文字]『[/大文字][漢字][大文字]宮沢[/大文字][/漢字][ふりがな]みやざわ[/ふりがな] [漢字][大文字]黄昏[/大文字][/漢字][ふりがな]たそがれ[/ふりがな][大文字]』[/大文字]。さっき言ったとおり、太宰と別行動していた時に保護した子だ。」
黄昏と茜の[下線]目が合った[/下線]。しばらく見つめあい、静かに少しずつ歩み寄っている。
「…?」
手を伸ばして、[明朝体]繋いだ[/明朝体]。そのままさらに近づいて、手を離してお互いの肩に手をまわす。
つまりは、[明朝体]抱き着きあっていた[/明朝体]。
「…[大文字]⁉[/大文字]んな、[打消し]濃厚[/打消し]な…⁉」
霞はとんでもない様なものを見てしまった気がしてならない様で、[打消し]顔を手で隠しながら[明朝体]ちらちら[/明朝体]と[太字]覗いている[/太字]。[/打消し]
[明朝体][小文字]「「…っ、ぅぇ、ぅ…。」」[/小文字][/明朝体]
二人から[漢字][大文字]嗚咽[/大文字][/漢字][ふりがな]おえつ[/ふりがな]が漏れる。
俺は黄昏の[明朝体][打消し]泣き顔[/打消し][/明朝体]を初めて見たのかもしれない。霞も心配げに二人の様子を[漢字]窺[/漢字][ふりがな]うかが[/ふりがな]っている。
泣き止むと、二人でくっ付いてしゃがんだ。
[明朝体]子供部屋[/明朝体]、とでも云うのだろうか。壁紙は青空が描かれ、辺りには動物のぬいぐるみや、赤青黄などの塗装が施された積み木などそれぞれが木箱に丁寧に収められていた。
「[漢字]甘い物[/漢字][ふりがな]お菓子[/ふりがな]は好きか?」
「「…好き。」」
霞が頷く前に二人が小さく呟いた。
「あははっ、[太字]双子[/太字]みたいだねェ。[漢字]妾[/漢字][ふりがな]アタシ[/ふりがな]は…[大文字]うん[/大文字]、[漢字]長い間[/漢字][ふりがな]戦場で[/ふりがな]食べ[漢字]て[/漢字][ふりがな]れて[/ふりがな]無いし頂くよ。」
甘味は好まないのか…[大文字]以後[/大文字]気を付けよう。
[右寄せ][大文字][大文字][大文字]ガタッガタガタッ―――[/大文字][/大文字][/大文字][/右寄せ]
子供部屋の奥にある[漢字]襖[/漢字][ふりがな]ふすま[/ふりがな]が揺れた。三人は驚いて襖を[太字]凝視[/太字]している。そして、
[中央寄せ][大文字][大文字][大文字][大文字]スパァン―――!![/大文字][/大文字][/大文字][/大文字][/中央寄せ]
と、音を立てて一気に開いた。
[明朝体][大文字]『[大文字]ちょっ⁉[/大文字]渚くんっ、まだ診察終わって無いよ⁉』[/大文字][/明朝体]
可愛らしい機会音声と共に、[太字]猫耳[/太字]と[太字]猫の尾[/太字]が目立つ[太字]白髪[/太字]に、[太字]翠眼[/太字]と[太字]碧眼[/太字]の[漢字][太字]虹彩異色症[/太字][/漢字][ふりがな]オッドアイ[/ふりがな]の[明朝体]少女[/明朝体]…のように見える[太字]少年[/太字]が霞に向かって突っ込み、抱きしめた。
「[明朝体]ぇ…?[/明朝体]ナギ、[大文字]君…?[/大文字]」
[小文字]「…霞の莫迦。」[/小文字]
霞の驚愕した表情を見て、少年は少し顔を離したかと思えば、[漢字]頭突きを決めた[/漢字][ふりがな]・・・・・・・[/ふりがな]。
[大文字][大文字]「いだぁッ⁉」[/大文字][/大文字]
「[漢字]私[/漢字][ふりがな]ワタクシ[/ふりがな]、[漢字]怒って[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]ますからね?」
少し赤くなった[漢字]額[/漢字][ふりがな]ひたい[/ふりがな]を押さえて霞が[漢字]蹲[/漢字][ふりがな]うずくま[/ふりがな]る。
「渚く~ん、[漢字]私等に聞こえるぐらい喉鳴っ[/漢字][ふりがな][大文字]めっちゃ喉ゴロゴロし[/大文字][/ふりがな]てるし、尻尾めっちゃ[漢字]揺れて[/漢字][ふりがな][大文字]ぶんぶんして[/大文字][/ふりがな]るからね~?」
[小文字]「…五月蠅いです。」[/小文字]
猫の獣人としての[漢字]性[/漢字][ふりがな]サガ[/ふりがな]には逆らえないのか、[明朝体]ツン[/明朝体]とそっぽを向いた。
『[大文字]も~お~![/大文字]私を無視して出て行かないで…[小文字]よ?[/小文字]』
[太字]白髪[/太字]に赤髪の混じった[太字]碧眼[/太字]の少女が襖の奥から出てくる。
[漢字]異様な[/漢字][ふりがな][大文字]カオスな[/大文字][/ふりがな]光景に全員の動きが止まった。
「あー、うん。一回全員[太字]落ち着いて[/太字]、[漢字]如何[/漢字][ふりがな]どう[/ふりがな]いう状況か[太字]説明[/太字]しようか。」
太宰の[下線]真っ当すぎる意見[/下線]に皆が反論する余地もなく、その意見は受け入れられた。
これが、一番最初にこの物語の主要人物が出会った瞬間である――