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兎に角ヤバいところはとことんヤバいので覚悟してみて下さい!
 本編と同じ程度に抑えられるよう善処は、します!善処は、ね?

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【拾われ少年、愛されました。スピンオフ作品/リクエスト受付中!】ルイン・ウォー

#15

第捌話『アーミーサージョン』サイド:与謝野 霞

[明朝体][大文字]「はぁッ、はぁッ…」[/大文字][/明朝体]
 急いで走って上官の部屋に駆け込んだ。
「[漢字][大文字]上官[/大文字][/漢字][ふりがな]センセイ[/ふりがな][大文字]![/大文字][大文字][大文字]敵軍がっ[/大文字][/大文字]、[大文字]もうこっち[/大文字][漢字][大文字]迄[/大文字][/漢字][ふりがな]まで[/ふりがな][大文字]来て―⁉」[/大文字]
「[明朝体]嗚呼、ごめんね…[漢字]吃驚[/漢字][ふりがな]びっくり[/ふりがな]、させちゃったよね…。[/明朝体][漢字]此[/漢字][ふりがな]こ[/ふりがな]の空母の中で[下線]生きてるのは[太字]カスミとぼく[/太字]しか居ない[/下線]みたい。他の将校たちとかは、[打消し]みんな[明朝体]玉砕[/明朝体]するか、[明朝体]自決[/明朝体]しちゃった。[/打消し]」
 上官は腹を押さえて口から血を流していた。早く治療しなければ[打消し][明朝体]死んでしまうだろう。[/明朝体][/打消し]
 そして、辺りには位の高い者たちが毒を飲んだのか、口から血を吹き出して倒れていた。
「[小文字]皆[/小文字]、[大文字]皆ーッ[大文字]助けたのにッ‼[/大文字][/大文字]」
「いい、よく聞いて。[明朝体]ぼくを置いて[/明朝体]君は空母の外に出るん―――」
「[大文字][大文字]嫌だッ![/大文字][/大文字][漢字]妾[/漢字][ふりがな]アタシ[/ふりがな]は[漢字][大文字]軍医[/大文字][/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな][大文字]だよッ[/大文字]怪我人が居たら、[大文字][漢字]妾[/漢字][ふりがな]アタシ[/ふりがな]は[太字]絶対[/太字]に見捨てないッ‼[/大文字]」
 上官は辺りを見回して、決意したのか霞を見た。
「…空母の外までは一緒に行こう。[漢字]其処[/漢字][ふりがな]そこ[/ふりがな]で応急手当てをして君とぼくは分かれて逃げるんだ。[大文字]いいね?[/大文字][漢字]与謝野軍医。[/漢字][ふりがな]これは命令だ[/ふりがな]」
 首を振って、涙を[漢字]拭[/漢字][ふりがな]ぬぐ[/ふりがな]って[漢字]唇[/漢字][ふりがな]くちびる[/ふりがな]を嚙んだ。
 小柄な上官の肩を何とか担いで、非常用の出口へと向かう。そのうちにも、少し遠くに離れて定着していた空母が砲撃に会う音が響く。
 いつ、此処も砲撃に会うか分からない。[下線]そんな[明朝体]恐怖[/明朝体]が込み上げてくる。[/下線]
[大文字]「[大文字]カスミ![/大文字]そこの廊下の右奥だ!」[/大文字]
 小さな光の漏れる廊下の突き当りに、鉄の厳重そうな扉があった。
 上官が支えられながらも基盤を[漢字]弄[/漢字][ふりがな]いじ
[/ふりがな]る。
「カスミ、せーので押すよ!」
[大文字]「はいっ!」[/大文字]
 [大文字][明朝体]ギギギギィィ…[/明朝体][/大文字]と、重々しい音が響いて何とか扉が開いた。
 [漢字]藪[/漢字][ふりがな]やぶ[/ふりがな]に飛び込んで、[漢字]暫[/漢字][ふりがな]しばら[/ふりがな]く後ろも振り向かずに島の中へと走った。
 轟音がして後ろをやっとみると、[漢字]長期間[/漢字][ふりがな]ずっと[/ふりがな]居た空母が沈んでいた。
[明朝体]「全部…[小文字]全部、無くなっちゃった。[/小文字]」[/明朝体]
「カスミ、そろそろ[明朝体]良いだろう[/明朝体]。別れて行動しよう。変に一緒に居たって[打消し]死ぬ確率[/打消し]が上がるだけだ。」
 上官が息を切らしながら言葉を紡ぐ。[漢字]いつもの[/漢字][ふりがな]優しい[/ふりがな]口調が無くなっていることから、余裕がないのだろう。
「[大文字]待って[/大文字]、待ってよ。[漢字][大文字]妾[/大文字][/漢字][ふりがな]アタシ[/ふりがな]、まだ[漢字]上官[/漢字][ふりがな]センセイ[/ふりがな]の[下線]手当て[/下線]してない。」
「困ったな…君の優しさに負けたよ。」
 そう言って木に[漢字]凭[/漢字][ふりがな]もた[/ふりがな]れ[漢字]掛[/漢字][ふりがな]か[/ふりがな]かる様に座った。
 包帯を巻きながら上官が[漢字]懐[/漢字][ふりがな]ふところ[/ふりがな]から[明朝体]木箱[/明朝体]を取り出した。
「[漢字]上官[/漢字][ふりがな]センセイ[/ふりがな]、動いたら傷が開いちゃうよ…?[大文字]何[/大文字]、それ?」
「戦争が始まる前、軍の訓練施設に植えてた[明朝体]桜[/明朝体]だよ。」
 木箱から、桜の形の[明朝体]ガラス細工[/明朝体]を手に乗せる。[明朝体]透明のガラスの中には桜の押し花[/明朝体]が浮いていた。
「ぼくの実家がガラス細工をやっててね。父さんに頼んで作ってもらったんだ。此処に金具を付けたら髪飾りになってね、[大文字]ちょっと[/大文字]動かないでね…。」
 ガラス細工に金具を取り付けて霞の髪につける。
「ほら、[大文字]可愛い[/大文字]。カスミに合うと思ったんだ。」
「[大文字]えぇ?[/大文字]そう?鏡…持ってないや。」
 上官は微笑んで霞の頬を撫でた。
「ガラス細工は[漢字]暫[/漢字][ふりがな]しばら[/ふりがな]く貸してあげる。また、会った時に返してね。[明朝体][大文字]約束[/大文字][/明朝体]。」
 小指を差し出して、[明朝体][大文字]『指切り』[/大文字][/明朝体]の手をする。
「…[大文字]‼[/大文字][漢字]上官[/漢字][ふりがな]センセイ[/ふりがな]、また、会えたら、[漢字]妾[/漢字][ふりがな]アタシ[/ふりがな]と付き合って下さい。…[明朝体][大文字]約束[/大文字][/明朝体]。」
「[大文字]‼[/大文字]いいよ。[明朝体][大文字]約束[/大文字][/明朝体]だね。」
 小指を絡める。
[明朝体]「「ゆびきりげんまんうそついたらはりせんぼんのーますゆびきった」」[/明朝体]
 [下線]小指を離すとき[/下線]、その時が[下線]別れの瞬間[/下線]になる気がして離すことを惜しむ。
 上官が先に小指を離した。
「カスミはあっちに行ってね。ぼくは反対側に行くから。」
[大文字]「[漢字]妾[/漢字][ふりがな]アタシ[/ふりがな]、[漢字]上官[/漢字][ふりがな]センセイ[/ふりがな]に会うまで、[大文字][太字]絶対[/太字]彼氏作らない![/大文字][漢字]上官[/漢字][ふりがな]センセイ[/ふりがな]に会うまで[大文字][太字]絶対[/太字]髪飾りも無くさないから![/大文字]」[/大文字]
「…[大文字]じゃあね[/大文字]、カスミ。」
 [漢字]頷[/漢字][ふりがな]うなず[/ふりがな]いて、走り出した。[下線]後ろ髪を引かれる思いは沢山ある[/下線]。でも、止まって振り向いた時が[明朝体]約束を破った瞬間[/明朝体]になってしまうような気がして走り続けた。
 [下線][漢字]上官[/漢字][ふりがな]センセイ[/ふりがな]の手当て[/下線]。[漢字]其[/漢字][ふりがな]そ[/ふりがな]れが、[下線][漢字]妾[/漢字][ふりがな]アタシ[/ふりがな]の[漢字]最後の軍医[/漢字][ふりがな]・・ ・・[/ふりがな]としての仕事だった。[/下線]
[明朝体] 戦争が、終わったから――[/明朝体]

作者メッセージ

 甘酸っぱい時間がずっと続けばいいのに、現実は優しくなくて、分かれの時間が来てしまう。
 この瞬間を、嚙み締めて―――

 やつがれ、恋愛が分からずどうしてこんな甘酸っぱい?感じの奴作ったのか分からん…。この二人の続きが見たいってコメントしてくれるか、ハート押してくれたら霞ちゃんの救済措置は作りますよ~

2025/02/20 18:43

鐘平瑠璃(無印の方でも活動中!) ID:≫ 0pv1m./JCWDnU
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