「ある男」送信者だ。私の「ある女」に対してだと思うが、これは中々面白いと女は思った。とりあえずお礼のメッセージを送らなければ・・
しかし私は40歳だ。ふと頭によぎる、相手は35歳息子と同じだ。いったいどんな事を書けばいいのか・・当たり障りのない天気の話でもしょう。
後は相手の出方を見るしかない。それに返事が来るとも限らない。
でも、「ある男」の存在が何となく気になっていた。

母親はある程度の事は自分で出来るのだがたまに訳の分からない事を永遠と言う傾向がある。認知症の人それぞれ症状があるのだろう。
女っけは自分なんかよりずっとある。病院の前の日には必ず白髪染をする。
大したものだ。自分はそんな事あまり考えたりしない。
父の事が本当に大好きだったんだと思う。一緒にやっていた社交ダンス。
「お父さん以外の人とは踊りたくない」そう言ってきっぱり辞めてしまった。
その後はカラオケにはまり1人でも行くようになった。大きなケガや病気もせず、仕事も家事もやってくれた。親孝行出来ると思ったが、今度は同じ肺がんで義息子が亡くなるなんて本当に辛い事は続くものだ。
結局、何もしてあげられていないのが現状だ。母は85歳。女は60歳。
どちらもおばあさんの事は間違いない。
「ある男」さん。返信あるかな・・
その日は何となく嬉しい気持ちの女だった