猫と円盤
#1
UFO…
何年前からか、人間はそれに心惹かれている。
宇宙というほぼ唯一の無限のどこからか、いつかきっとやって来ることを信じている。
青い星、地球。
そこに住む人間は勝手に宇宙のその大きさと比較して自分たちのちっぽけさを語ったりする。
そして結局そのちっぽけな悩みは消えないのであった。
しかし、人間はちっぽけだが我々はそうでもない。
世界の裏側で人間を動かしている。
人間は我々を飼っていると思っているらしい。
人間が月に立ち、旗を立てたのはどちらかといえば最近の方だ。
だって、我々はその何年も前に爪痕を残してきた。
我々の最大の管理下、人間。
人間による情報でしか聞いたことがない。
ただ、確かに目の前にいるのだ。
「…名刺交換するか?」
自己紹介がここまで意味を持たないのも珍しい。
東京ドーム…いや、路地裏の地下に建設した缶詰工場の何倍だろう。
とても大きな円盤。
銀というより鉄色。
いや、鉄製ですら無いのかもしれない。
ドアが開き、中にいた誰かが出て来る。
「さて、資源がたくさんあると聞いたが…」
「ここ…日本だからあんまり無いですよ。ほら、ここここ」
我が親友、ねこたろう。
世界地図の下の方を指差している。
「石油か鉄鉱石か、木炭かによっても変わるんですよ」
「ほう。じゃあそのオーストラリアとやらに言ってみるか。」
「てか、日本語話すんですね。」
確かに…
「そう。実はこの星のデータはこっちの星に送られてたりするんだ。」
おっと、宇宙は無限なことを忘れていた。
無限…
ということは、砂粒も無限、黄金だって無限。
金持ちになって一生遊ぶチャンス…?
「それに乗せてくれ!乗せて!」
「どんだけ金が欲しいかは知らないけど、ひとまずオーストラリア行きのUFOだぞ」
「それは無理だな。君重そうじゃないか。この乗り物の重量制限は食料やら荷物やら含めて5トンだ。君ならどうせ超えるだろ?」
ひどい…
「ええい!乗ってやる!太平洋に沈め!宇宙人!」
「あああ!待て待て待て待て!」
親友の声…ごめんよ…今までありがとう…僕は宇宙へ行くんだ…
UFOに乗り込み、奥へ奥へと進む。
キッチン、ジム、ベットルーム。
あらゆる部屋を抜け、一本の廊下へと出た。
そこで、アナウンスが鳴った。
[太字]「間もなく出発します。覚悟して下さい。」[/太字]
覚悟が必要なのか…
生きて帰ることを祈り、地球の地面と別れた。
何年前からか、人間はそれに心惹かれている。
宇宙というほぼ唯一の無限のどこからか、いつかきっとやって来ることを信じている。
青い星、地球。
そこに住む人間は勝手に宇宙のその大きさと比較して自分たちのちっぽけさを語ったりする。
そして結局そのちっぽけな悩みは消えないのであった。
しかし、人間はちっぽけだが我々はそうでもない。
世界の裏側で人間を動かしている。
人間は我々を飼っていると思っているらしい。
人間が月に立ち、旗を立てたのはどちらかといえば最近の方だ。
だって、我々はその何年も前に爪痕を残してきた。
我々の最大の管理下、人間。
人間による情報でしか聞いたことがない。
ただ、確かに目の前にいるのだ。
「…名刺交換するか?」
自己紹介がここまで意味を持たないのも珍しい。
東京ドーム…いや、路地裏の地下に建設した缶詰工場の何倍だろう。
とても大きな円盤。
銀というより鉄色。
いや、鉄製ですら無いのかもしれない。
ドアが開き、中にいた誰かが出て来る。
「さて、資源がたくさんあると聞いたが…」
「ここ…日本だからあんまり無いですよ。ほら、ここここ」
我が親友、ねこたろう。
世界地図の下の方を指差している。
「石油か鉄鉱石か、木炭かによっても変わるんですよ」
「ほう。じゃあそのオーストラリアとやらに言ってみるか。」
「てか、日本語話すんですね。」
確かに…
「そう。実はこの星のデータはこっちの星に送られてたりするんだ。」
おっと、宇宙は無限なことを忘れていた。
無限…
ということは、砂粒も無限、黄金だって無限。
金持ちになって一生遊ぶチャンス…?
「それに乗せてくれ!乗せて!」
「どんだけ金が欲しいかは知らないけど、ひとまずオーストラリア行きのUFOだぞ」
「それは無理だな。君重そうじゃないか。この乗り物の重量制限は食料やら荷物やら含めて5トンだ。君ならどうせ超えるだろ?」
ひどい…
「ええい!乗ってやる!太平洋に沈め!宇宙人!」
「あああ!待て待て待て待て!」
親友の声…ごめんよ…今までありがとう…僕は宇宙へ行くんだ…
UFOに乗り込み、奥へ奥へと進む。
キッチン、ジム、ベットルーム。
あらゆる部屋を抜け、一本の廊下へと出た。
そこで、アナウンスが鳴った。
[太字]「間もなく出発します。覚悟して下さい。」[/太字]
覚悟が必要なのか…
生きて帰ることを祈り、地球の地面と別れた。
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