闇が世界を包むまで
リツはまず試しに、一番近くにあった店前に立った。
商品を見る限り、恐らく果物屋だろう。
リンゴやオレンジと言った、色鮮やかな果物が並んでいる。
「どうした、[漢字]兄[/漢字][ふりがな]あん[/ふりがな]ちゃん。見ねぇ顔と格好だな。さてはここらへんの奴じゃねぇな?」
そうリツに言ってきたのは、果物屋の店主と思える強面の男性だ。
店主は「まぁいい」と言いながら、商品棚に並べられているリンゴを一つ取り、リツに差し出した。
「買うのか?ランガ」
「ランガ?リンゴじゃなくて?」
「リンゴぉ?聞いたことねぇな、これはランガだ、ランガ。んで、買うのか買わねぇのか、はよ決めてくれや」
リンゴ______ではなく、ランガを差し出してきた店主に、リツはいらないと意思表明をして、自分が思ったことを聞いた。
「なぁ、おっちゃん。この文字、なんて書いてんだ?」
「なんだ、兄ちゃん。文字読めねぇのかよ?どうやって今まで生きてきたんだぁ?」
「さり気なく少し貶すのやめてくんね?」
店主の言葉に、リツはもう一度だけ店先に置かれている看板をじっと見つめる。
だが、どう見てもその内容は全く分からない。書かれている文字が、リツの見たこともない文字だからだ。
看板を睨むリツを見て、店主は訝しげにリツのことを見る。
「兄ちゃん、あんた何も知らねぇのか?文字の読み書きなんて、ガキん頃に教えられるぞ」
「・・・・・・少し、記憶が飛んでいまして」
「あ?何言ってんだ?まさか、記憶喪失とか言うんじゃねぇだろうな」
「そう言えたら、色々楽だったかもしれねぇな。間違えたオレがバカだったかも」
リツは店主の言葉にそう返しながら、頭を回す。
そして、出てきた言葉が___________
「なぁ、おっちゃん。この街にさ、なんかあれ・・・・・・困った人が行くような所ない?」
「困った人が行く・・・・・・・・・[漢字]駐屯所[/漢字][ふりがな]ちゅうとんじょ[/ふりがな]か?」
「そう!それ!それってどこにあるか知ってる?」
「確かなー・・・あそこの角を曲がって、しばらく真っ直ぐ行ったら着くぜ」
「お、サンキューな」
リツは、見た目にそぐわず意外と親切な店主に礼を言い、果物屋を去った。
商品を見る限り、恐らく果物屋だろう。
リンゴやオレンジと言った、色鮮やかな果物が並んでいる。
「どうした、[漢字]兄[/漢字][ふりがな]あん[/ふりがな]ちゃん。見ねぇ顔と格好だな。さてはここらへんの奴じゃねぇな?」
そうリツに言ってきたのは、果物屋の店主と思える強面の男性だ。
店主は「まぁいい」と言いながら、商品棚に並べられているリンゴを一つ取り、リツに差し出した。
「買うのか?ランガ」
「ランガ?リンゴじゃなくて?」
「リンゴぉ?聞いたことねぇな、これはランガだ、ランガ。んで、買うのか買わねぇのか、はよ決めてくれや」
リンゴ______ではなく、ランガを差し出してきた店主に、リツはいらないと意思表明をして、自分が思ったことを聞いた。
「なぁ、おっちゃん。この文字、なんて書いてんだ?」
「なんだ、兄ちゃん。文字読めねぇのかよ?どうやって今まで生きてきたんだぁ?」
「さり気なく少し貶すのやめてくんね?」
店主の言葉に、リツはもう一度だけ店先に置かれている看板をじっと見つめる。
だが、どう見てもその内容は全く分からない。書かれている文字が、リツの見たこともない文字だからだ。
看板を睨むリツを見て、店主は訝しげにリツのことを見る。
「兄ちゃん、あんた何も知らねぇのか?文字の読み書きなんて、ガキん頃に教えられるぞ」
「・・・・・・少し、記憶が飛んでいまして」
「あ?何言ってんだ?まさか、記憶喪失とか言うんじゃねぇだろうな」
「そう言えたら、色々楽だったかもしれねぇな。間違えたオレがバカだったかも」
リツは店主の言葉にそう返しながら、頭を回す。
そして、出てきた言葉が___________
「なぁ、おっちゃん。この街にさ、なんかあれ・・・・・・困った人が行くような所ない?」
「困った人が行く・・・・・・・・・[漢字]駐屯所[/漢字][ふりがな]ちゅうとんじょ[/ふりがな]か?」
「そう!それ!それってどこにあるか知ってる?」
「確かなー・・・あそこの角を曲がって、しばらく真っ直ぐ行ったら着くぜ」
「お、サンキューな」
リツは、見た目にそぐわず意外と親切な店主に礼を言い、果物屋を去った。