私は恋に向いてない
#1
『好き』って、なんだろう。
そう考え出したのは、今年度のクリスマスだった。
友達として『好き』、恋愛対象として『好き』、家族として『好き』。
───レンアイタイショウって、なんだろう。
「あ〜、簡単にいうと〜、そいつ殴りたいなって思ったら恋や!」
「ゑ、マジ?」
「ま、世間一般的には心臓ドキドキする。」
殴りたくなったことも無いし、心臓が跳ねたこともない。
私は恋愛に向いてないんだろうか。
「ねぇ、恋バナしよ〜」
「えぇ…」
『好き』な人の話になると、自分のことじゃ無いのにむず痒くなって、辞めてしまいたくなる。
そして、恋愛対象として『好き』な人がいる人が何よりも輝いていて、少し羨ましくなる。
「わかんねー!!!!!!現実でこんなこと起きねーし!」
「私少女漫画向いてないわ…甘すぎて胸焼けが…」
言葉遣い、見た目、性格。全てを『女の子らしく』しないと、人を『好き』になる資格はもらえないのだろうか。
それとも、まだ私には早いのだろうか。
そもそも、なぜ私は、人を『好き』になる資格が欲しいと思ったのだろうか。
あんなことがあったのに。
[水平線]
───ずっと、みんな一緒に、いれたら良かったのに。
引っ越しの日の三日前。最後の登校日。
「これは[漢字]澄衣[/漢字][ふりがな]すい[/ふりがな]のためなのよ、[漢字]和希[/漢字][ふりがな]かずき[/ふりがな](偽名)と話しておいで〜」
「和希はきっと澄衣のこと好きなんだよ!」
勝手にわかった気にならないで。
私は、ただみんなと一緒に帰りたかっただけなのに。
私は、『好き』が『嫌い』だ。
他人が勝手に決め付けた『好き』で、私を縛らないで。
[小文字][小文字][小文字][小文字][小文字][小文字][小文字]ごめんね。[/小文字][/小文字][/小文字][/小文字][/小文字][/小文字][/小文字]
だから私は、恋に向いてない。
Fin・:* .
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