魔学研究部は今日も忙しい
「魔研……は、ここか」
楓と結奈は、魔学研究部の部室にたどり着いた。
何度も思うけど、この学校広すぎるよなぁ。
そんなことを考えながら、楓は結奈としゃべる。
「楽しみじゃん、結奈」
「うんっ!」
結奈も魔研にすることにしたのだ。
あたしは魔法、使えないけど、知ればもうちょっとこの世界に馴染めるはず……!
ガラガラガラッ。
楓は部室のドアを開けた。
「あら、新入部員ですか?」
「⁉︎」
今の声、どこからしたんだろう?
部室には、誰もいなかった──いや、一人いた。
9歳くらいに見える少女が、低い椅子に、ちょこんと。
長い黒髪に、赤い髪飾り。紅色の着物。信じられないほど整った顔立ち。
あ、あれ、制服着てないよね? 小さすぎるし。何でここにいるんだろう?
この学校、[漢字]聖霞[/漢字][ふりがな]せいか[/ふりがな]学園の制服は色々あるけれど、共通なのは学園のロゴ入りシャツ。彼女はそれも着ていない。(ちなみに楓はネクタイ、ショートパンツにスパッツ〔指定〕。結奈はカーディガン、リボン、スカート)
「あれ、君、どうしたの? 迷子?」
楓は少女を単に校舎に迷い込んでしまった迷子だと思い、声をかけた。
「あっ……楓っ……」
結奈が楓を止めようとしたが、時すでに遅し。
ぱしいいいいいんっ!
澄んだ音が響いた。
というより、少女が楓を思いっきり平手打ちした音なのだが。
「失礼な」
少女は怒りのこもった眼で座り込んだ楓を見下ろす。
「この妾を、迷子の小娘と? 無礼にも程があるわ! 妾は」
紅色の眼が煌く。
「[太字]王室第三子、皇女、魔学研究部部長、中3の[漢字]宮ノ内紅葉[/漢字][ふりがな]みやのうちもみじ[/ふりがな]じゃぞ![/太字]」
……は?
「ええええええええええ⁉︎」
「あのさ楓……、知らなかったの? 紅葉様といえば有名だよ? ってか常識だし……」
そんな結奈の声も耳に入らない。
魔研部長が、皇女……⁉︎
楓と結奈は、魔学研究部の部室にたどり着いた。
何度も思うけど、この学校広すぎるよなぁ。
そんなことを考えながら、楓は結奈としゃべる。
「楽しみじゃん、結奈」
「うんっ!」
結奈も魔研にすることにしたのだ。
あたしは魔法、使えないけど、知ればもうちょっとこの世界に馴染めるはず……!
ガラガラガラッ。
楓は部室のドアを開けた。
「あら、新入部員ですか?」
「⁉︎」
今の声、どこからしたんだろう?
部室には、誰もいなかった──いや、一人いた。
9歳くらいに見える少女が、低い椅子に、ちょこんと。
長い黒髪に、赤い髪飾り。紅色の着物。信じられないほど整った顔立ち。
あ、あれ、制服着てないよね? 小さすぎるし。何でここにいるんだろう?
この学校、[漢字]聖霞[/漢字][ふりがな]せいか[/ふりがな]学園の制服は色々あるけれど、共通なのは学園のロゴ入りシャツ。彼女はそれも着ていない。(ちなみに楓はネクタイ、ショートパンツにスパッツ〔指定〕。結奈はカーディガン、リボン、スカート)
「あれ、君、どうしたの? 迷子?」
楓は少女を単に校舎に迷い込んでしまった迷子だと思い、声をかけた。
「あっ……楓っ……」
結奈が楓を止めようとしたが、時すでに遅し。
ぱしいいいいいんっ!
澄んだ音が響いた。
というより、少女が楓を思いっきり平手打ちした音なのだが。
「失礼な」
少女は怒りのこもった眼で座り込んだ楓を見下ろす。
「この妾を、迷子の小娘と? 無礼にも程があるわ! 妾は」
紅色の眼が煌く。
「[太字]王室第三子、皇女、魔学研究部部長、中3の[漢字]宮ノ内紅葉[/漢字][ふりがな]みやのうちもみじ[/ふりがな]じゃぞ![/太字]」
……は?
「ええええええええええ⁉︎」
「あのさ楓……、知らなかったの? 紅葉様といえば有名だよ? ってか常識だし……」
そんな結奈の声も耳に入らない。
魔研部長が、皇女……⁉︎