魔学研究部は今日も忙しい
「[漢字]楓[/漢字][ふりがな]かえで[/ふりがな]!」
名前を呼ばれて、薄茶の三つ編みの少女は振り返った。
「おはよ、[漢字]結奈[/漢字][ふりがな]ゆいな[/ふりがな]」
「今日、一緒に学校いこ!」
「いいよ」
楓──[漢字]葉月楓[/漢字][ふりがな]はづきかえで[/ふりがな]は、親友のはしゃぐ様子を見てにっこりする。
そしてその笑顔の裏で、内心、ため息をつくのだ。
このどこまでも青い空は、[漢字]あっちの世界[/漢字][ふりがな]・・・・・・[/ふりがな]にも繋がってるのかな。
「ねえ楓、部活決めたっ?」
親友──[漢字]天海結奈[/漢字][ふりがな]あまみゆいな[/ふりがな]は、キラキラした緑色の目で楓を見ている。
「あたし? うーん、まだちょっと迷ってるんだけど……、この『[太字]魔学研究部[/太字]』っていいかなと思って」
「えっ? 魔研? ……楓が?」
結奈は驚いた顔をした。
「いいと思うけど……、楓は……、[太字]魔法、使えない[/太字]よね?」
「いいの。あたし、魔法の勉強してみたいんだ。面白そうだし、あたしでも使える魔法がもしかしたらあるかもしれないし」
「そっか。楓は偉いんだね」
褒められて、楓は赤くなる。
「えっ、偉くなんかない!」
「そんなことないって〜」
「普通」に思える毎日。
あんなことなどなかったのかのように、風は穏やかに吹いている。
……あたしにとっては、全然違うのに。
楓と結奈は中1。つい先日、部活紹介があった。
……ここまでは普通、かもしれない。でも。
「魔学研究部」
「楓は魔法、使えない」
……使える方がおかしいというのに。
楓は普通の人間であり。
ここは、そう。
[大文字][太字]異世界、だ。[/太字][/大文字]
そして楓は、魔法によってこの世界に呼び出されてしまった「[太字]召喚者[/太字]」──。
名前を呼ばれて、薄茶の三つ編みの少女は振り返った。
「おはよ、[漢字]結奈[/漢字][ふりがな]ゆいな[/ふりがな]」
「今日、一緒に学校いこ!」
「いいよ」
楓──[漢字]葉月楓[/漢字][ふりがな]はづきかえで[/ふりがな]は、親友のはしゃぐ様子を見てにっこりする。
そしてその笑顔の裏で、内心、ため息をつくのだ。
このどこまでも青い空は、[漢字]あっちの世界[/漢字][ふりがな]・・・・・・[/ふりがな]にも繋がってるのかな。
「ねえ楓、部活決めたっ?」
親友──[漢字]天海結奈[/漢字][ふりがな]あまみゆいな[/ふりがな]は、キラキラした緑色の目で楓を見ている。
「あたし? うーん、まだちょっと迷ってるんだけど……、この『[太字]魔学研究部[/太字]』っていいかなと思って」
「えっ? 魔研? ……楓が?」
結奈は驚いた顔をした。
「いいと思うけど……、楓は……、[太字]魔法、使えない[/太字]よね?」
「いいの。あたし、魔法の勉強してみたいんだ。面白そうだし、あたしでも使える魔法がもしかしたらあるかもしれないし」
「そっか。楓は偉いんだね」
褒められて、楓は赤くなる。
「えっ、偉くなんかない!」
「そんなことないって〜」
「普通」に思える毎日。
あんなことなどなかったのかのように、風は穏やかに吹いている。
……あたしにとっては、全然違うのに。
楓と結奈は中1。つい先日、部活紹介があった。
……ここまでは普通、かもしれない。でも。
「魔学研究部」
「楓は魔法、使えない」
……使える方がおかしいというのに。
楓は普通の人間であり。
ここは、そう。
[大文字][太字]異世界、だ。[/太字][/大文字]
そして楓は、魔法によってこの世界に呼び出されてしまった「[太字]召喚者[/太字]」──。