二次創作
お下がりと新品
私は、妹だから、末っ子だから、忌み子だから、ずっとお下がりばっかり
だった。
フラン あ〜あ...お姉様にもらったものばっかり...
おもちゃ、布団、靴、この服だって、お姉様が昔に着ていたものだ。
私は妹だし、忌み子だから新しいものなんて貰えない。
私は、千年に一度に生まれると言われている忌み子。
忌み子と呼ばれる理由は羽が皆と違うから。そして、飛べないから。
吸血鬼は本来、妖怪であり、その妖怪の中でも血を吸い、羽で飛べることが
できるという特別高貴な種族だ。
そんな吸血鬼の子として産まれたのに...飛べない、なんて...
お姉様にも、お母様にも、お父様にも、ましてや使用人にも煙たがられる毎日。
スカーレット家はもともと、名家だ。その名家に忌み子が産まれたということが
夜に知れ渡ったら家の名前に泥がつくので、私はそもそも...
[太字]「この世に存在していない、産まれてもいない」[/太字]
ということになっていて、地下に幽閉されている。
一日三食、週に五回のお風呂。使用人に言えばトイレにも行ける。
娯楽も...まぁ、お姉様が使っていたものならある。
主に本、ぬいぐるみ、ブリキのオモチャだ。
私は外に出してもらえないから、お下がりの絵本で外の世界のことを想像する。
外の世界には「空」という青くてどこまでも広がる天井がある。
けど、そこに触れることはできない、不思議な天井なんだって。
床には「草」っていうカーペットが敷き詰められていて、そのカーペットを
ひっくり返すと、「土」が出てくるんだって。
土は湿って、ひんやりしていて、「石」っていう灰色のコロコロしたものが沢山
混じっているんだって。
土のくぼんだところには水が溜まっている。水たまりっていうらしくて、
土とかき混ぜると茶色く濁るらしい。
そんな綺麗で、楽しい外の世界...想像すればするほど、輝いている世界なんだと思う。
そんな、[下線]空想の中の世界[/下線]を壁に、床に、クレヨンで描く。
画用紙はめったに貰えないから。時々消されちゃうけど、大丈夫。
また、描けばいいから。
この世界...本当になったらいいのにな。
だった。
フラン あ〜あ...お姉様にもらったものばっかり...
おもちゃ、布団、靴、この服だって、お姉様が昔に着ていたものだ。
私は妹だし、忌み子だから新しいものなんて貰えない。
私は、千年に一度に生まれると言われている忌み子。
忌み子と呼ばれる理由は羽が皆と違うから。そして、飛べないから。
吸血鬼は本来、妖怪であり、その妖怪の中でも血を吸い、羽で飛べることが
できるという特別高貴な種族だ。
そんな吸血鬼の子として産まれたのに...飛べない、なんて...
お姉様にも、お母様にも、お父様にも、ましてや使用人にも煙たがられる毎日。
スカーレット家はもともと、名家だ。その名家に忌み子が産まれたということが
夜に知れ渡ったら家の名前に泥がつくので、私はそもそも...
[太字]「この世に存在していない、産まれてもいない」[/太字]
ということになっていて、地下に幽閉されている。
一日三食、週に五回のお風呂。使用人に言えばトイレにも行ける。
娯楽も...まぁ、お姉様が使っていたものならある。
主に本、ぬいぐるみ、ブリキのオモチャだ。
私は外に出してもらえないから、お下がりの絵本で外の世界のことを想像する。
外の世界には「空」という青くてどこまでも広がる天井がある。
けど、そこに触れることはできない、不思議な天井なんだって。
床には「草」っていうカーペットが敷き詰められていて、そのカーペットを
ひっくり返すと、「土」が出てくるんだって。
土は湿って、ひんやりしていて、「石」っていう灰色のコロコロしたものが沢山
混じっているんだって。
土のくぼんだところには水が溜まっている。水たまりっていうらしくて、
土とかき混ぜると茶色く濁るらしい。
そんな綺麗で、楽しい外の世界...想像すればするほど、輝いている世界なんだと思う。
そんな、[下線]空想の中の世界[/下線]を壁に、床に、クレヨンで描く。
画用紙はめったに貰えないから。時々消されちゃうけど、大丈夫。
また、描けばいいから。
この世界...本当になったらいいのにな。