「今回のゲームは出るのはやいね」
”記憶”という言葉が出ただけで、この段階では十分。
及第点といっていいだろう。
「ヒース、在夢。このゲームどう思う？」
私は後ろにいる少年達に話しかけた。
「そうですねえ。木原莉緒って奴が有能だと思いますよ、俺にはかなわないけど」
「わたくしもヒースに同感です、言動が素晴らしいねえ」
この二人は、前回、前々回のチャンピョンに当たる人物だ。
最強と呼んでいい。
「さあ、ヒースは初めてかな。予想大会と行こうじゃないか！」
毎回、最強たちには誰が最強をとるのかのゲームをしてもらっている。
これを当てたらもっと上に行ける楽しい楽しいゲーム。
「わたくし在夢は、二階堂咲良さんですねえ」
「へえ、それまたなんで？」
まだ活躍もしていない、ただのお荷物のような人を。
「何かに恋をしている人は強いですよお。執念もねえ」
「在夢の言うことはヒースにはよくはからんな」
在夢はこんな感じだが、よく当たるからな。期待大だ。
「そういうヒースはどうなんだ？」
ヒースは最初だから多少多めに見てやってもいいが……。
「俺は帆飛橋ネールだな。木原みたいに人を圧倒させて上にのしあがって行く奴
　は最後にポキっと折れっちまうんだよ」
意外と深く考えていた、ビックリだ。面白いけど。
「だから、誠実に真っ向勝負をしそうな帆飛橋を選んだ」
去年の在夢だけだった時とは大違いだな。
「はい！わかったよ。次回は一週間後にまた予想するよ」
すると、ヒースが私に尋ねてきた
「そういう？？？はどうなんすか？」
私？私かあ。
「私は全員応援しているよ」
「ずるい人…」
なんか聞こえたけど気にしない、気にしない。