光らない僕と化け影に
#1
# Prologue
────昼下がり。
冷気が吹く中歩いている。
「[小文字]駄目だなぁ…[/小文字]」
街角にある小さな本屋を眺めてぽつりと呟く。
…そう、僕は売れない小説家。
「 あら、[漢字]瑠璃[/漢字][ふりがな]ロベリア[/ふりがな]くん。 」
後ろから声をかけられる。
…ほんとに、瑠璃って書いてロベリアってなんなんだろ…
「 あ、[漢字]愛來[/漢字][ふりがな]めぐる[/ふりがな]さん… 」
その本屋でバイトしてる愛來さん。
桃色の落ち着いた髪。…だけどその毛先には黒が混じっていて少し変な感じもする。
愛來 「どうしたの?なんか顔が暗いよ」
「 い、いえ…なんでもないです 」
「 あ、あはは… 」
愛來「あ、ちょっと瑠璃くん…!?」
[水平線]
もう無理だよ僕…
これからどうしよ…
「 小説なんて売れっこないし…! 」
そう、地面に向かって声を発した。
『 [太字]やぁそこの君、ボクは決してお悩み相談所じゃないよ。[/太字] 』
「 っえ……!? 」
影と僕が照らす、一つの[漢字]物語[/漢字][ふりがな]スポットライト[/ふりがな]。
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