ほぼ男しかいない世界で。
阿夏葉「おはよー…って悠斗!?お前ご飯作れんの!?」
悠斗「舐めんなよ」
李恩「霧雨って何でもできる…?ちょっと悔しい」
悠斗「だから舐めんなって」
こいつに料理ができたとは…。まあ、何でもできそうな顔してもんな。
阿夏葉「今日の朝ご飯なに!?」
悠斗「ベーコンエッグと白米だけど。アレルギーとかあった?」
阿夏葉「うまそぉだな!アレルギーないから心配すんな!食べよっ!」
作られた料理を順に丁寧に机に並べる。うわぁ、マジでうまそう。
阿夏葉「いただきまーすっ!!」
李恩「い、いただきます……」
もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもg
あげりお「! えッうま……」
自分の顔が一気に笑顔になったのがわかった。えぐい。うまい。
悠斗がそれをじっと見てくる。恥ずかしいんすけど…
阿夏葉「…えぇー今日の予定を発表します!今日は遊園地に行きまーす!」
ゆうりお「………」
阿夏葉「反応して!?ねぇ!!反応してよ!?」
ゆうりお「あ、ごめん何?」
阿夏葉「聞いとけよお前らぁあぁ"!!もう知らんッ!自分で決めろや!!」
バタンッ!!
俺は勢いよく扉を閉め、プンスカプンスカと部屋へ戻った。
ゆうりお(………何を…?)
取り残されたゆうりおは何を決めればいいのか必死に考えるのであった。
阿夏葉「………もぉぉ!もぉぉお"ぉお"ぉ"ぉぉ"!!!!」
自分の部屋のベッドの上で、足をバタバタさせる。
埃たつのはわかってるけど、今はそんなのどうでもいい。
阿夏葉「あ"ぁもうイライラするわ!!」
そのとき、俺の叫び声を聞いたのか2階の窓にやわらかいボールが当たった。
見ると、投げたのは紅魔だった。
紅魔は必死にジェスチャーをする。
紅魔 「☝️👇」
指を動かしながら口で何かを訴えている。
阿夏葉「き」「て」
ははーんなるほどね?意図を理解した。…今日ぐらいいよな!
俺は窓から飛び出し、芝生に降り立つ。
阿夏葉「い"っっってぇ」
紅魔「よお、さすがだな」
この様子見て何も思わねぇのかよ…!?
阿夏葉「ハァ…こちとら十二年以上幼馴染やってるんでね」
なんとか痛みを堪える。
紅魔「遊び行こーぜ!今暇だろ?」
阿夏葉「もちろん」
紅魔は幼馴染だからかなんか俺の気持ち読み取るのが上手いんだよなぁ…。
阿夏葉「どこ行く?」
紅魔「そりゃもちろん……」
こうあげ「丘の山公園!」
阿夏葉「やっぱり」
紅魔「あそこだよな。人いねぇし」
阿夏葉「自然いっぱいだしね。よし!れっつGO!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここが丘の山公園。
山の上にあり、周りが自然に囲まれていて、遊具もたくさんで広い。
…のに、人は極少ない。
今日も俺達だけ。
阿夏葉「やっぱここいいなぁ」
そこにあったでっかい土管に寝転ぶ。え、ドラえもn((殴
ん"ん"んん"いてぇ泣
紅魔「なぁ、走り回らね?二人しかいねぇし」
阿夏葉「鬼ごっこ?負けないけど」
紅魔「最初はグー、じゃんけん…」
阿夏葉「ぽん!!」
っしゃッ勝ち!!
ダダダダダダダ!!!逃げろ逃げろ!!
紅魔「3、2、1、0」
ダダダダダダダッッッッ!!!
阿夏葉「はッ!?おまっ、はやっっっっ!!」
紅魔「捕まえた♡」
阿夏葉「ハァハァッ速くね!?コウ速くね!?マジで!!」
紅魔「ナツが遅いんじゃね?」
阿夏葉「そのあだ名久しぶりに聞いたな…。だが俺は速い方だ!!」
"阿夏葉"の"夏"をとってナツ。我ながらかっこいい。
紅魔「そういえば、久しぶりに二人だな。…なんか、昔みたいだな」
阿夏葉「まぁ確かに……悪くはないかな。
ってかコウ!お前なんで不良になったんだ!意味わからん!!」
紅魔「急に?んー、なんか、つまんなかったんだよ。
でも、新しい自分になったら、もしかしたらつまんねぇのが変わるかも…って」
へぇ……こいつ、色々と考えてんだな……。
阿夏葉「でも…俺がいるだろ!?」
紅魔「!」
阿夏葉「知らね?俺といるとつまんないって思う暇ないんだってさ。
悠斗が言ってた。どうせ、俺がうるさいからって意味なんだろうけどなぁ!」
紅魔「はッ、案外、あいつとは気が会うかもしんねぇな。……ナツ」
阿夏葉「なに……ッ!?」
ぎゅっ
紅魔が俺を抱きしめた。頭でも打ったか…?
阿夏葉「はぁ!?おま、やめ……」
紅魔「ありがとな。おかげで目、覚めた」
阿夏葉「…マジでどうしたんだよ。ほんとに昔に戻ったみたいじゃねぇかよ…」
紅魔「ここに来る時だけは……昔に戻ろうぜ」
阿夏葉「そうだな!それもいいかもな!」
紅魔はそっと俺を離した。
紅魔「………ナツ!また明日な!俺も心入れ替えるわ」
阿夏葉「意味わかんね……。あぁ!また明日な!」
そうして俺は家へ帰った。が、どうやって入ろう。
阿夏葉「すっかり忘れちゃってたけど、俺今喧嘩してるんだった……」
2階に上がろうにも、壁を登るのはさすがにキツい。
[小文字][小文字]カチャ………[/小文字][/小文字][大文字][大文字]バタン!![/大文字][/大文字]
OMG!!!
悠斗「阿夏葉!?」
阿夏葉「ゆ、悠斗………」
悠斗「……ごめんッッ!!!」
悠斗は全力で頭を下げた。頭と膝がくっつくくらいに。
阿夏葉「え……」
驚愕している俺を、悠斗は真剣な目で見つめる。
こんなに取り乱した悠斗は初めて……いや、[大文字][漢字]あの時[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな][/大文字]以来か。
悠斗「阿夏葉の苦労も考えずに、軽いことを言った。俺、本当は阿夏葉と遊べるの楽しみにしてたんだ……。なのに俺は、阿夏葉を怒らせて……。阿夏葉の部屋に行った時、阿夏葉がいなくてほんとに焦って……でも、追いかけるのもダメな気がして。……ほんッとにごめんッッッ!!!阿夏葉!!!」
許してもらおうとは思ってない……。って心の中で思ってんなこいつ。
そんな重いことでもないのに、大袈裟だなぁ。
阿夏葉「ははっ、ほぼ無表情のやつにこれ言われると、なんか変な感じだな。
いいよ、俺だってちょっと怒り過ぎちゃったし。ありがと、ユウ!…ところで李恩は?」
悠斗「あ、あいつは………落ち込んで部屋に引きこもってます。」
阿夏葉「あぁー…おっけ。とりあえずくつろいでて」
最後まで頭を下げる悠斗を横目に、階段を駆け上がる。
俺は、「りおん」と書かれた名札のあるドアをノックした。
阿夏葉「りお」
李恩「……お兄………?」
阿夏葉「まぁた引きこもり発動してんのかよ。変わったと思ったのにさ。
…りお、ごめんな。俺もちょっと怒り過ぎた。[大文字]それ[/大文字]を出すまで追い込んだ。でもなぁ、俺を怒らせる方が悪いと思うんだが!?反省して!?」
李恩「反省してるから引きこもってんでしょ……。こちらこそごめん、お兄。
僕、お兄のこと傷つけちゃった。………また」
阿夏葉「思い出さなくていい。あれはしょうがねぇ。だから出てきて」
李恩「……………うん」
ガチャ。静かに扉が開いた。その時、少しだけ部屋の中が見えた。
ボロボロの人形、たくさんの傷がついた壁。
あれはまだ治ってねぇのか………。いや、強まってる……?
どちらにしよ、李恩はアレに取り込まれつつある………。
悠斗「舐めんなよ」
李恩「霧雨って何でもできる…?ちょっと悔しい」
悠斗「だから舐めんなって」
こいつに料理ができたとは…。まあ、何でもできそうな顔してもんな。
阿夏葉「今日の朝ご飯なに!?」
悠斗「ベーコンエッグと白米だけど。アレルギーとかあった?」
阿夏葉「うまそぉだな!アレルギーないから心配すんな!食べよっ!」
作られた料理を順に丁寧に机に並べる。うわぁ、マジでうまそう。
阿夏葉「いただきまーすっ!!」
李恩「い、いただきます……」
もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもg
あげりお「! えッうま……」
自分の顔が一気に笑顔になったのがわかった。えぐい。うまい。
悠斗がそれをじっと見てくる。恥ずかしいんすけど…
阿夏葉「…えぇー今日の予定を発表します!今日は遊園地に行きまーす!」
ゆうりお「………」
阿夏葉「反応して!?ねぇ!!反応してよ!?」
ゆうりお「あ、ごめん何?」
阿夏葉「聞いとけよお前らぁあぁ"!!もう知らんッ!自分で決めろや!!」
バタンッ!!
俺は勢いよく扉を閉め、プンスカプンスカと部屋へ戻った。
ゆうりお(………何を…?)
取り残されたゆうりおは何を決めればいいのか必死に考えるのであった。
阿夏葉「………もぉぉ!もぉぉお"ぉお"ぉ"ぉぉ"!!!!」
自分の部屋のベッドの上で、足をバタバタさせる。
埃たつのはわかってるけど、今はそんなのどうでもいい。
阿夏葉「あ"ぁもうイライラするわ!!」
そのとき、俺の叫び声を聞いたのか2階の窓にやわらかいボールが当たった。
見ると、投げたのは紅魔だった。
紅魔は必死にジェスチャーをする。
紅魔 「☝️👇」
指を動かしながら口で何かを訴えている。
阿夏葉「き」「て」
ははーんなるほどね?意図を理解した。…今日ぐらいいよな!
俺は窓から飛び出し、芝生に降り立つ。
阿夏葉「い"っっってぇ」
紅魔「よお、さすがだな」
この様子見て何も思わねぇのかよ…!?
阿夏葉「ハァ…こちとら十二年以上幼馴染やってるんでね」
なんとか痛みを堪える。
紅魔「遊び行こーぜ!今暇だろ?」
阿夏葉「もちろん」
紅魔は幼馴染だからかなんか俺の気持ち読み取るのが上手いんだよなぁ…。
阿夏葉「どこ行く?」
紅魔「そりゃもちろん……」
こうあげ「丘の山公園!」
阿夏葉「やっぱり」
紅魔「あそこだよな。人いねぇし」
阿夏葉「自然いっぱいだしね。よし!れっつGO!」
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ここが丘の山公園。
山の上にあり、周りが自然に囲まれていて、遊具もたくさんで広い。
…のに、人は極少ない。
今日も俺達だけ。
阿夏葉「やっぱここいいなぁ」
そこにあったでっかい土管に寝転ぶ。え、ドラえもn((殴
ん"ん"んん"いてぇ泣
紅魔「なぁ、走り回らね?二人しかいねぇし」
阿夏葉「鬼ごっこ?負けないけど」
紅魔「最初はグー、じゃんけん…」
阿夏葉「ぽん!!」
っしゃッ勝ち!!
ダダダダダダダ!!!逃げろ逃げろ!!
紅魔「3、2、1、0」
ダダダダダダダッッッッ!!!
阿夏葉「はッ!?おまっ、はやっっっっ!!」
紅魔「捕まえた♡」
阿夏葉「ハァハァッ速くね!?コウ速くね!?マジで!!」
紅魔「ナツが遅いんじゃね?」
阿夏葉「そのあだ名久しぶりに聞いたな…。だが俺は速い方だ!!」
"阿夏葉"の"夏"をとってナツ。我ながらかっこいい。
紅魔「そういえば、久しぶりに二人だな。…なんか、昔みたいだな」
阿夏葉「まぁ確かに……悪くはないかな。
ってかコウ!お前なんで不良になったんだ!意味わからん!!」
紅魔「急に?んー、なんか、つまんなかったんだよ。
でも、新しい自分になったら、もしかしたらつまんねぇのが変わるかも…って」
へぇ……こいつ、色々と考えてんだな……。
阿夏葉「でも…俺がいるだろ!?」
紅魔「!」
阿夏葉「知らね?俺といるとつまんないって思う暇ないんだってさ。
悠斗が言ってた。どうせ、俺がうるさいからって意味なんだろうけどなぁ!」
紅魔「はッ、案外、あいつとは気が会うかもしんねぇな。……ナツ」
阿夏葉「なに……ッ!?」
ぎゅっ
紅魔が俺を抱きしめた。頭でも打ったか…?
阿夏葉「はぁ!?おま、やめ……」
紅魔「ありがとな。おかげで目、覚めた」
阿夏葉「…マジでどうしたんだよ。ほんとに昔に戻ったみたいじゃねぇかよ…」
紅魔「ここに来る時だけは……昔に戻ろうぜ」
阿夏葉「そうだな!それもいいかもな!」
紅魔はそっと俺を離した。
紅魔「………ナツ!また明日な!俺も心入れ替えるわ」
阿夏葉「意味わかんね……。あぁ!また明日な!」
そうして俺は家へ帰った。が、どうやって入ろう。
阿夏葉「すっかり忘れちゃってたけど、俺今喧嘩してるんだった……」
2階に上がろうにも、壁を登るのはさすがにキツい。
[小文字][小文字]カチャ………[/小文字][/小文字][大文字][大文字]バタン!![/大文字][/大文字]
OMG!!!
悠斗「阿夏葉!?」
阿夏葉「ゆ、悠斗………」
悠斗「……ごめんッッ!!!」
悠斗は全力で頭を下げた。頭と膝がくっつくくらいに。
阿夏葉「え……」
驚愕している俺を、悠斗は真剣な目で見つめる。
こんなに取り乱した悠斗は初めて……いや、[大文字][漢字]あの時[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな][/大文字]以来か。
悠斗「阿夏葉の苦労も考えずに、軽いことを言った。俺、本当は阿夏葉と遊べるの楽しみにしてたんだ……。なのに俺は、阿夏葉を怒らせて……。阿夏葉の部屋に行った時、阿夏葉がいなくてほんとに焦って……でも、追いかけるのもダメな気がして。……ほんッとにごめんッッッ!!!阿夏葉!!!」
許してもらおうとは思ってない……。って心の中で思ってんなこいつ。
そんな重いことでもないのに、大袈裟だなぁ。
阿夏葉「ははっ、ほぼ無表情のやつにこれ言われると、なんか変な感じだな。
いいよ、俺だってちょっと怒り過ぎちゃったし。ありがと、ユウ!…ところで李恩は?」
悠斗「あ、あいつは………落ち込んで部屋に引きこもってます。」
阿夏葉「あぁー…おっけ。とりあえずくつろいでて」
最後まで頭を下げる悠斗を横目に、階段を駆け上がる。
俺は、「りおん」と書かれた名札のあるドアをノックした。
阿夏葉「りお」
李恩「……お兄………?」
阿夏葉「まぁた引きこもり発動してんのかよ。変わったと思ったのにさ。
…りお、ごめんな。俺もちょっと怒り過ぎた。[大文字]それ[/大文字]を出すまで追い込んだ。でもなぁ、俺を怒らせる方が悪いと思うんだが!?反省して!?」
李恩「反省してるから引きこもってんでしょ……。こちらこそごめん、お兄。
僕、お兄のこと傷つけちゃった。………また」
阿夏葉「思い出さなくていい。あれはしょうがねぇ。だから出てきて」
李恩「……………うん」
ガチャ。静かに扉が開いた。その時、少しだけ部屋の中が見えた。
ボロボロの人形、たくさんの傷がついた壁。
あれはまだ治ってねぇのか………。いや、強まってる……?
どちらにしよ、李恩はアレに取り込まれつつある………。