ほぼ男しかいない世界で。
今日は楓とお出かけをする日だ。
うむ、実に楽しみだぜ!
…でだ。
服どうしよう??
せっかくならオシャレして行きたい!
李恩「お兄おはよ……何その服…」
阿夏葉「あ、おはよ!どうだ、この服!かっこいいか!?」
李恩「ダサ…」
阿夏葉「ガーン」
いや…アドバイスありがとうだけど…!
単刀直入すぎないか弟よ…?
阿夏葉「着て行く服ってどんなのがいいんだ!?」
李恩「お兄こういうの疎いね。…大丈夫、僕が選んであげるよ」
阿夏葉「神ぃ…!」
李恩「これとこれ着て。……やっぱこっち。…うーん…やっぱこれとこれかな」
李恩が選んだのは、白いシャツに黒のジャケット、黒のストレートパンツだった。
ついでにヘアセットもしてくれた。
やっぱ李恩器用だな…。動画見ただけでできるなんて。
李恩のおかげでかっこよくなれた気がする…!
阿夏葉「りおありがと!なんか俺じゃないみたいだ!」
李恩「お土産買ってきてね」
阿夏葉「もちろん!何がいい?」
李恩「新作のゲーム」
阿夏葉「それはお土産じゃないぞ…?」
李恩「…じゃあ食べ物!」
阿夏葉「わかった!行ってくる!」
李恩「うん!…あ、お兄財布!」
やっべ!浮かれてしまってつい…!
阿夏葉「今度こそ行ってきます!」
バッと財布を取り、玄関の扉を開いた。
〜男竹駅〜
現在9時49分。
あっぶねーっ!
阿夏葉「あっ、楓!ごめん、待ったか!?」
楓「別に」
阿夏葉「何時に来たんだ?」
楓「12分前かな」
阿夏葉「うげっ!ごめん!」
楓「そんな待ってねぇからいいって」
イケメンすぎるだろおい。
…てか服もかっこいいな…。
似合いすぎて眩しい。
阿夏葉「キマってんな楓!」
楓「お前もな」
…フッそうであろうそうであろう!なんてったって自慢の弟が選んだ服だからな!
逆に自分センスなさすぎて泣けてくるけど笑
阿夏葉「…で、どこに行くんだ?」
楓「カフェとか?ゆっくり話してぇし」
阿夏葉「か、かふぇ…?俺なんかが入っていいのかな」
楓「阿夏葉に入ったらダメな場所なんてねぇだろ」
阿夏葉「楓ぇ…」
楓「早く行くぞ」
阿夏葉「うッス」
男竹駅から少し歩いた街中をうろちょろしていると、雰囲気のいいカフェを見つけた。
楓「ここで話そう」
そう言い、楓は店内へ颯爽と入っていく。
容赦ねー…と思いながら、渋々と俺も店内に入った。
楓「なんか頼む?」
阿夏葉「メニュー見せて!」
ズイッと楓に顔を寄せ、メニューを見る。
コーヒー、アイスコーヒー、チャイ、ミルクティーなどなど…。
自分には馴染みのないものばっかりだった。
阿夏葉「楓くんのオススメはあるかい?」
楓「ミルクティーじゃね?苦いの無理だろお前」
阿夏葉「なぁっ!に、苦いのくらい飲めるし!」
店員さん「ご注文はお決まりですか?(尊い…)」
阿夏葉「あっ、えっと…ぶ、ブラックコーヒーお願いします!」
楓「は?お前飲めんの?」
阿夏葉「いけるし!俺だってもう大人だもんね!」
苦いってどれくらいなのか知らんが、まぁいけるだろう!
俺は高校生!立派な大人だ!味覚も成長しているはず!
楓「まぁ別にいいけど…。じゃあ俺アイスコーヒーで」
店員さん「ブラックコーヒーを一点、アイスコーヒーを一点の合計二点で
お間違いないでしょうか」
楓「はい」
店員さん「承りました。少々お待ちくださいませ」
ブラックコーヒーがどんなものか気になるので、俺は余計にそわそわしていた。
待っている間ずっと楓が心配していたが、それほどのものなのか…?
店員さん「お待たせいたしました。ブラックコーヒーとアイスコーヒーです」
阿夏葉「あ、ありがとうございます!」
え…くッ
阿夏葉「黒ぉ!?」
楓「…おいお前には無理だ、俺のと交換しろ」
阿夏葉「やだ!飲む!」
楓「バカッ…カップそんな傾けたら…」
グビビッ
阿夏葉「あがっ…ゲホッゴホッ!にっ…にっがっ…!!」
楓「ほら!お前には無理だっただろ!」
阿夏葉「っち、違うし!今の演ゲホゲハッ」
ガチで苦い…。コーヒーってこんなだったのか!?
春夜は普通に飲んでるぞ!?
阿夏葉「うげぇ…ゲホゲホッ」
店員さん「お客様、大丈夫ですか!?」
ついには店員さんまでもが慌ててやってきた。
阿夏葉「だ、大丈夫です…。余裕…」
楓「いや余裕じゃねぇだろ…。…貸せ」
阿夏葉「あぁあぁ!?…ホッ」
楓「おい今ほっとしただろ」
阿夏葉「はぁ!?してねぇし!あー!残念だなぁ〜!
飲めなくなっちゃったな〜!俺のコーヒー!」
楓「…じゃ、話そーぜ。」
阿夏葉「…うん」
俺たちが孤児院にいた頃について。
〜数年前〜
阿夏葉「………」
李恩「………」
春夜さんに出会っても、俺たちの心は満たされないままだった。
朝から夕方まで孤児院に預けられ、里親を探す日々。
時折、家族と一緒に遊んでいる子供を見ると…なおさら苦しかった。
幸せなんてすぐ壊れるものだ。壊されるものだ。
…子供ながらに絶望を味わった俺たちは、
??「おい!」
阿夏葉「……?」
??「おまえ、いっつも黙ってんな!おれと遊ぼー!」
阿夏葉「………」
??「…あんしんしろ、おれも同じだ」
阿夏葉「……!」
楓「おれ、かえで!」
阿夏葉「ひいらぎ…」
楓「んだよ、それ。みょーじ?名前は?」
阿夏葉「…あ、あげは…です…。よ、よろしく…」
楓「あげは!?かわいー名前!よろしく!」
…そうだ、この時だ。
思い出した。楓は、俺が孤児院に入って一番に声をかけてくれた男の子だ。
なんで忘れてたんだろう。
…確か、それからだ。俺の心に彩が戻っていったのは。
楓がいたから、俺は破滅せずに済んだ。
楓がいたから、幸せを追い求められるんだ。
楓「サッカーしよーぜ!あげは!」
阿夏葉「うん。…あ…」
楓「?」
阿夏葉「ううん、早くやろ」
あの頃は楓と仲良くなれたからか、李恩と線を引いて遊んでた。
李恩といると、父親がいる頃のことを思い出して…。
[大文字][明朝体]罪悪感で潰されそうになるから。[/明朝体][/大文字]
楓「あ!あげ……」
先生「よかったわねぇ阿夏葉くん!李恩くん!里親が見つかって!」
楓「………え…?」
里親「阿夏葉くん、李恩くん、これからよろしくね。
新しい環境で、まだまだ不安なことが多いと思うけど…私と一緒に来てくれる?」
阿夏葉「……うん」
楓「……っ」
楓side
俺は孤児だった。親に捨てられ、夜道を一人歩いていた時、
親切な大人に孤児院まで連れて行ってもらった。
阿夏葉と出会ってから、ぽっかりと空いた心の穴が徐々に塞がっていった。
…でも…阿夏葉はいなくなった。
俺は里親が決まったと聞いた時、何も言えなくて…。
ただ、「裏切られた」という気持ちだけが、心の中で渦巻いていた。
それからというもの、俺は孤児院で馴染めず、一人孤立していた。
先生もちょくちょく話してくるだけで、俺のことを特別視しているわけじゃない。
阿夏葉がいなくなってから俺は、これまでにないほどの孤独を味わった。
やがて俺にも里親が見つかったが、放任主義だった。
俺は常に一人で、昼ご飯代も夜ご飯代も200円で、満足に食事もできない。
バイトを掛け持ちしまくって稼ぐしかなかった。
でも、“満足“まではいかなくて、今の生活が続いている。
不良になったのも、中学生になっても空っぽなままで虚しくて、
それをケンカで埋めていたからだ。いわば成り行き。
そして高校生…今年もケンカ尽くしだと思ってた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
楓「そこでお前…柊 阿夏葉に再会した」
阿夏葉「……楓…ごめん」
楓「覚えてねーのも無理ねぇよ。1週間とかそこらの中だったし」
阿夏葉「っ…こ、これからは!絶対“裏切られた“なんて思いさせないから!
安心しろ!…って言われても信用できねーだろうけど」
楓「いや、お前のことは信用してる。今度俺のダチ紹介してやろうか?」
阿夏葉「え!お、お願いします…!」
楓「治安ワルいけど?」
阿夏葉「紅魔で慣れてるから大丈夫!…なハズ」
楓「ハズかよ笑」
阿夏葉「なっ!ぜってー大丈夫!1ミリも震えたりしねーから!」
高校生活一年目…春。
友達のことを少し知れた気がします。
うむ、実に楽しみだぜ!
…でだ。
服どうしよう??
せっかくならオシャレして行きたい!
李恩「お兄おはよ……何その服…」
阿夏葉「あ、おはよ!どうだ、この服!かっこいいか!?」
李恩「ダサ…」
阿夏葉「ガーン」
いや…アドバイスありがとうだけど…!
単刀直入すぎないか弟よ…?
阿夏葉「着て行く服ってどんなのがいいんだ!?」
李恩「お兄こういうの疎いね。…大丈夫、僕が選んであげるよ」
阿夏葉「神ぃ…!」
李恩「これとこれ着て。……やっぱこっち。…うーん…やっぱこれとこれかな」
李恩が選んだのは、白いシャツに黒のジャケット、黒のストレートパンツだった。
ついでにヘアセットもしてくれた。
やっぱ李恩器用だな…。動画見ただけでできるなんて。
李恩のおかげでかっこよくなれた気がする…!
阿夏葉「りおありがと!なんか俺じゃないみたいだ!」
李恩「お土産買ってきてね」
阿夏葉「もちろん!何がいい?」
李恩「新作のゲーム」
阿夏葉「それはお土産じゃないぞ…?」
李恩「…じゃあ食べ物!」
阿夏葉「わかった!行ってくる!」
李恩「うん!…あ、お兄財布!」
やっべ!浮かれてしまってつい…!
阿夏葉「今度こそ行ってきます!」
バッと財布を取り、玄関の扉を開いた。
〜男竹駅〜
現在9時49分。
あっぶねーっ!
阿夏葉「あっ、楓!ごめん、待ったか!?」
楓「別に」
阿夏葉「何時に来たんだ?」
楓「12分前かな」
阿夏葉「うげっ!ごめん!」
楓「そんな待ってねぇからいいって」
イケメンすぎるだろおい。
…てか服もかっこいいな…。
似合いすぎて眩しい。
阿夏葉「キマってんな楓!」
楓「お前もな」
…フッそうであろうそうであろう!なんてったって自慢の弟が選んだ服だからな!
逆に自分センスなさすぎて泣けてくるけど笑
阿夏葉「…で、どこに行くんだ?」
楓「カフェとか?ゆっくり話してぇし」
阿夏葉「か、かふぇ…?俺なんかが入っていいのかな」
楓「阿夏葉に入ったらダメな場所なんてねぇだろ」
阿夏葉「楓ぇ…」
楓「早く行くぞ」
阿夏葉「うッス」
男竹駅から少し歩いた街中をうろちょろしていると、雰囲気のいいカフェを見つけた。
楓「ここで話そう」
そう言い、楓は店内へ颯爽と入っていく。
容赦ねー…と思いながら、渋々と俺も店内に入った。
楓「なんか頼む?」
阿夏葉「メニュー見せて!」
ズイッと楓に顔を寄せ、メニューを見る。
コーヒー、アイスコーヒー、チャイ、ミルクティーなどなど…。
自分には馴染みのないものばっかりだった。
阿夏葉「楓くんのオススメはあるかい?」
楓「ミルクティーじゃね?苦いの無理だろお前」
阿夏葉「なぁっ!に、苦いのくらい飲めるし!」
店員さん「ご注文はお決まりですか?(尊い…)」
阿夏葉「あっ、えっと…ぶ、ブラックコーヒーお願いします!」
楓「は?お前飲めんの?」
阿夏葉「いけるし!俺だってもう大人だもんね!」
苦いってどれくらいなのか知らんが、まぁいけるだろう!
俺は高校生!立派な大人だ!味覚も成長しているはず!
楓「まぁ別にいいけど…。じゃあ俺アイスコーヒーで」
店員さん「ブラックコーヒーを一点、アイスコーヒーを一点の合計二点で
お間違いないでしょうか」
楓「はい」
店員さん「承りました。少々お待ちくださいませ」
ブラックコーヒーがどんなものか気になるので、俺は余計にそわそわしていた。
待っている間ずっと楓が心配していたが、それほどのものなのか…?
店員さん「お待たせいたしました。ブラックコーヒーとアイスコーヒーです」
阿夏葉「あ、ありがとうございます!」
え…くッ
阿夏葉「黒ぉ!?」
楓「…おいお前には無理だ、俺のと交換しろ」
阿夏葉「やだ!飲む!」
楓「バカッ…カップそんな傾けたら…」
グビビッ
阿夏葉「あがっ…ゲホッゴホッ!にっ…にっがっ…!!」
楓「ほら!お前には無理だっただろ!」
阿夏葉「っち、違うし!今の演ゲホゲハッ」
ガチで苦い…。コーヒーってこんなだったのか!?
春夜は普通に飲んでるぞ!?
阿夏葉「うげぇ…ゲホゲホッ」
店員さん「お客様、大丈夫ですか!?」
ついには店員さんまでもが慌ててやってきた。
阿夏葉「だ、大丈夫です…。余裕…」
楓「いや余裕じゃねぇだろ…。…貸せ」
阿夏葉「あぁあぁ!?…ホッ」
楓「おい今ほっとしただろ」
阿夏葉「はぁ!?してねぇし!あー!残念だなぁ〜!
飲めなくなっちゃったな〜!俺のコーヒー!」
楓「…じゃ、話そーぜ。」
阿夏葉「…うん」
俺たちが孤児院にいた頃について。
〜数年前〜
阿夏葉「………」
李恩「………」
春夜さんに出会っても、俺たちの心は満たされないままだった。
朝から夕方まで孤児院に預けられ、里親を探す日々。
時折、家族と一緒に遊んでいる子供を見ると…なおさら苦しかった。
幸せなんてすぐ壊れるものだ。壊されるものだ。
…子供ながらに絶望を味わった俺たちは、
??「おい!」
阿夏葉「……?」
??「おまえ、いっつも黙ってんな!おれと遊ぼー!」
阿夏葉「………」
??「…あんしんしろ、おれも同じだ」
阿夏葉「……!」
楓「おれ、かえで!」
阿夏葉「ひいらぎ…」
楓「んだよ、それ。みょーじ?名前は?」
阿夏葉「…あ、あげは…です…。よ、よろしく…」
楓「あげは!?かわいー名前!よろしく!」
…そうだ、この時だ。
思い出した。楓は、俺が孤児院に入って一番に声をかけてくれた男の子だ。
なんで忘れてたんだろう。
…確か、それからだ。俺の心に彩が戻っていったのは。
楓がいたから、俺は破滅せずに済んだ。
楓がいたから、幸せを追い求められるんだ。
楓「サッカーしよーぜ!あげは!」
阿夏葉「うん。…あ…」
楓「?」
阿夏葉「ううん、早くやろ」
あの頃は楓と仲良くなれたからか、李恩と線を引いて遊んでた。
李恩といると、父親がいる頃のことを思い出して…。
[大文字][明朝体]罪悪感で潰されそうになるから。[/明朝体][/大文字]
楓「あ!あげ……」
先生「よかったわねぇ阿夏葉くん!李恩くん!里親が見つかって!」
楓「………え…?」
里親「阿夏葉くん、李恩くん、これからよろしくね。
新しい環境で、まだまだ不安なことが多いと思うけど…私と一緒に来てくれる?」
阿夏葉「……うん」
楓「……っ」
楓side
俺は孤児だった。親に捨てられ、夜道を一人歩いていた時、
親切な大人に孤児院まで連れて行ってもらった。
阿夏葉と出会ってから、ぽっかりと空いた心の穴が徐々に塞がっていった。
…でも…阿夏葉はいなくなった。
俺は里親が決まったと聞いた時、何も言えなくて…。
ただ、「裏切られた」という気持ちだけが、心の中で渦巻いていた。
それからというもの、俺は孤児院で馴染めず、一人孤立していた。
先生もちょくちょく話してくるだけで、俺のことを特別視しているわけじゃない。
阿夏葉がいなくなってから俺は、これまでにないほどの孤独を味わった。
やがて俺にも里親が見つかったが、放任主義だった。
俺は常に一人で、昼ご飯代も夜ご飯代も200円で、満足に食事もできない。
バイトを掛け持ちしまくって稼ぐしかなかった。
でも、“満足“まではいかなくて、今の生活が続いている。
不良になったのも、中学生になっても空っぽなままで虚しくて、
それをケンカで埋めていたからだ。いわば成り行き。
そして高校生…今年もケンカ尽くしだと思ってた。
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楓「そこでお前…柊 阿夏葉に再会した」
阿夏葉「……楓…ごめん」
楓「覚えてねーのも無理ねぇよ。1週間とかそこらの中だったし」
阿夏葉「っ…こ、これからは!絶対“裏切られた“なんて思いさせないから!
安心しろ!…って言われても信用できねーだろうけど」
楓「いや、お前のことは信用してる。今度俺のダチ紹介してやろうか?」
阿夏葉「え!お、お願いします…!」
楓「治安ワルいけど?」
阿夏葉「紅魔で慣れてるから大丈夫!…なハズ」
楓「ハズかよ笑」
阿夏葉「なっ!ぜってー大丈夫!1ミリも震えたりしねーから!」
高校生活一年目…春。
友達のことを少し知れた気がします。