ほぼ男しかいない世界で。
〜屋上〜
阿夏葉「あっ楓ー!」
楓「阿夏葉」
阿夏葉「ごめん、待ったか?」
楓「別に。早く座れよ」
阿夏葉「おうっ」
屋上気持ちいーな!
なんか新しい風って感じがするぜ!(?)
阿夏葉「楓それで足りるのか!?」
意外にも、楓のご飯はコーヒーだけだった。
もはやご飯じゃないじゃん。
楓「あー……おー」
阿夏葉「嘘だな。よし、俺の弁当を捧げようじゃないか」
楓「あ?お前のねーじゃん」
阿夏葉「ふっふっふ…」
俺はポケットをゴソゴソして、パンとおにぎりを二つずつ出した。
阿夏葉「予備だ!」
楓「用意周到かよ…」
楓は悩んでから、箸を取った。
そしてご飯を口に放り込む。
阿夏葉「美味いか!」
楓「あ、あぁ」
阿夏葉「今日は俺の手作りだぞ!褒めたまえ!」
楓「手作り!?お前、すげぇな…」
阿夏葉「たまに作ってんだ!母さん、出張のこと多いから」
楓「母さん…里親か?」
阿夏葉「おう!…なんで知ってんの!?」
楓「あ、いや、まぁ…」
阿夏葉「もしかして、ご飯ろくに食べれてないことと関係ある?」
楓「………」
阿夏葉「言いたくないなら言わなくていいぞ!
ただ、お前が話してくれるの待ってるから。力になりたいんだ。友達だし!なっ!」
楓「………と」
阿夏葉「?」
楓「あ、ありが……ッ…」
…可愛いかよッッッ
阿夏葉「ふっふっ、いつでも頼ってくれよな!ドンと来い!」
楓「…さっさと食うぞ」
阿夏葉「あ、ハイ」
少し、楓のことが知れた気がする。
楓が俺と会ったことがあることも確信に近付いている。
楓「…阿夏葉」
阿夏葉「ん?」
楓「今週の日曜、空いてるか?」
阿夏葉「? おう」
楓「話、聞いてくれるか?」
阿夏葉「…!もちろんだぜ!」
楓「じゃあ[漢字]男竹[/漢字][ふりがな]おとこだけ[/ふりがな]駅10時に集合な」
この駅名を聞く度思う。この世界を馬鹿にしてないだろうか、と。
てかこの駅名にしたの誰だよ。
阿夏葉「いえっさー!」
久しぶりに友達と出かけるな♪実に楽しみである!
〜帰り道〜
阿夏葉「ー…でな!今週友達と出かけんだぜ!」
悠斗「ふーん」
阿夏葉「それで明日のー…」
悠斗「ふーん」
阿夏葉「…?聞いてる?」
悠斗「俺先帰る」
阿夏葉「は!?ちょっ」
……何なんだ?
俺が楓と仲良くなり始めてから悠斗の様子がおかしい気がする。
阿夏葉「うー!」
李恩「どしたのお兄?」
阿夏葉「りお!アレは大丈夫なのか?」
李恩「うん。抵抗したらすぐ収まった。だから今日は学校行けたし」
そうなのか…珍しいな、あいつがすぐ引き下がるなんて。
阿夏葉「よかった…」
李恩「…で、何かあったの?」
阿夏葉「あぁ、悠斗がちょっとおかしくて…」
李恩「霧雨が?」
仮にでも誕生日は悠斗の方が早いんだけどな…。
李恩なんで悠斗のこと嫌いなんだろ?
阿夏葉「うん。新しく友達ができたんだけど、それから悠斗が急に冷たくなって…」
李恩「あー、それ嫉妬してるんじゃない?」
阿夏葉「しっと…?ってなんだ?」
李恩「えっ、そこから?
んー、嫉妬って言うのは…好きな人とか大切な友達が他の男・女と近付いてたら
ムカつく…みたいな?」
阿夏葉「俺が大切な友達だからってこと?」
李恩「…まぁそうかな」
阿夏葉「そうか…わかった!ありがとなりお!ゲームするか?」
李恩「する」
即答すぎだろ。
李恩「……お兄弱いね」
阿夏葉「ド直球にも程があるぞ!?」
李恩「ス○ブラじゃなくてモン○ンしようよ」
阿夏葉「おう、いいぞ!」
俺が弱すぎて飽きたのか…悲しいな…。
まぁ李恩が楽しいならいいんだけどさ…。
阿夏葉「えっ、メ○・ゼナじゃん!」
李恩「そうだよ」
阿夏葉「かっこよ!俺メ○・ゼナ好きなんだよ!」
李恩「わかる、かっこいいよね!特に血氣蝕烈状態がさ」
阿夏葉「わかりすぎる〜!りおやっぱ見る目あるわ!」
李恩「当たり前でしょ!ゲームのことなら任せてよ!」
李恩は引きこもっている間、ずっとゲーム尽くしだったのだ。
ゲームのことなら知り尽くしていると言っても過言ではないだろう。
阿夏葉「モン○ンにまさか追加コンテンツがあるとは…」
李恩「だいぶ前からあったよ?でもお兄他のゲームハマってたじゃん」
阿夏葉「え、嘘マジで!?言ってくれよぉ〜!」
李恩「ごめん。でもお兄とやりたかったし、残しといたの。偉いでしょ」
阿夏葉「偉い偉い!優しいなぁりおは!」
李恩「お兄大好き!けっこんして!」
阿夏葉「ふっ、冗談もいい加減にしろよな〜!てか俺ら未成年だし!」
李恩「むぅ…」
李恩よ、そういうのは好きな子に言うもんなんだよ。
俺はお兄ちゃんだからな!お兄ちゃん!
阿夏葉「うっわもうこんな時間じゃん!明日学校だし!りお寝るぞ!」
李恩「えー」
阿夏葉「えーじゃない!子供は早く寝ないとダメなんです!」
李恩「とか言ってもう11時だけどね?」
阿夏葉「見間違いではないでしょーか!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜朝〜
阿夏葉「ん〜っ!ふぅ…」
朝ご飯パンとコーンスープでいいか。
…?なんだろう、体がだるい気が…。
早くご飯…作らねぇとなのに…。
李恩「おは…えっ!?どうしたのお兄!?」
阿夏葉「り…りお…ハァ」
頭いてぇ…起きた時は特に何も感じなかったのに…。
李恩「顔あかっ!とりあえずベッド戻ろう!」
阿夏葉「いや…い…から…ハァパンだけたべ…がっこう…い…」
[大文字][大文字]ドサッ[/大文字][/大文字]
李恩「おおおお兄!?」
阿夏葉「ハァッハァッ…」
体熱い…上手く動かねぇ…これじゃ李恩に迷惑じゃん…。
李恩「とりあえずベッド…運べるかな…。とりあえずソファー…」
李恩がなんとか俺を担ぎ、ソファーに寝かせる。
阿夏葉「ハァッ…ハァッ…うっ…」
李恩に迷惑だけはかけたくない…!!
李恩「待ってて、今冷えピタと氷枕持ってくるから!」
阿夏葉「…りお…がっこ…はや…いけ…!」
李恩「は!?何言ってんのお兄!?このまま置いてけるわけないじゃん!」
阿夏葉「いいから…いけ…!!」
李恩「…やだ!意地でも行かない!何だよそんなに学校学校って…!
学校なんかよりお兄の方が大切だから!はい冷えピタと氷枕!」
阿夏葉「…おまえに…めーわくかけたくねぇ…」
李恩「何バカ言ってんの。こんなの迷惑に入らないから。」
めちゃくちゃしんどい…。でも李恩には学校に行ってほしい。
今まで俺のせいで行けなかった分、楽しんでほしいから。
阿夏葉「ごめんな……」
李恩「大丈夫だってば。おかゆ食べれる?解熱剤も飲んでね」
阿夏葉「うん…」
こういう時しっかり頼もしいんだよな李恩。
阿夏葉「ありがと…」
李恩「お兄、僕のこともっと頼ってよ。料理は簡単のしか作れないけど」
阿夏葉「……うん」
李恩「言ったからね!男に二言はないからね!!」
阿夏葉「………スゥ」
李恩「寝てるし…。…おやすみお兄。ゆっくり休んでね」
額に柔らかい何かが当たった気がしたが、気のせいだろう。
阿夏葉「…ん」
ガバッ
眠ってから何時間経っただろう。もう日が暮れそうになっていた。
阿夏葉「…今…何時だ…?」
少し体が軽い。解熱剤を飲んだからか。
李恩「…あ、お兄起きた?」
俺に気付いた李恩がこっちに駆け寄ってくる。
阿夏葉「りお学校は…」
李恩「? 行ってないよ」
阿夏葉「…俺のせいで…」
李恩「…僕、お兄の力になれて嬉しいよ。お兄はさ、一人で抱え込みすぎだよ。
一人じゃないんだよ。お兄には僕も母さんも霧雨もその友達もいるし」
あの李恩がこんなにかっこよく見える日が来るとは…。
阿夏葉「りお…。大きくなったな…」
李恩「ふふっ、何言ってんの。僕もう16なんだけど?」
阿夏葉「……そうだったな…」
16。俺らはもう16なんだ。
バイトだけじゃなく、就職も考えないといけなくなる時期。
阿夏葉「りおはさ、将来の夢とかある?」
李恩「急に?…あんまり考えたことないけど、プロゲーマー…とかかな」
阿夏葉「そっか…」
李恩「お兄はあるの?」
阿夏葉「…ないかな…。家族が幸せに暮らせればそれでいい」
李恩「本当はあるんじゃない?」
阿夏葉「……………ないよ」
孤児だった俺らに、幸せなんて訪れるはずがないと思ってた。
神様はいつだって残酷だ。
だから、今の俺には幸せ以外求めるものなんてない。
それしか考えられないんだ。
でも…もし…もしこの願いが叶ったら…。
阿夏葉「…………ははっ」
こんな夢、俺なんかが叶えられるはずない。
…さて、明日は楓と出かける日だし、体調を万全にしておかないとな!
阿夏葉「俺はもう一回寝るぞ!」
李恩「うん。おやすみ」
阿夏葉「おう!」
俺は再び眠ったのだった。
阿夏葉「あっ楓ー!」
楓「阿夏葉」
阿夏葉「ごめん、待ったか?」
楓「別に。早く座れよ」
阿夏葉「おうっ」
屋上気持ちいーな!
なんか新しい風って感じがするぜ!(?)
阿夏葉「楓それで足りるのか!?」
意外にも、楓のご飯はコーヒーだけだった。
もはやご飯じゃないじゃん。
楓「あー……おー」
阿夏葉「嘘だな。よし、俺の弁当を捧げようじゃないか」
楓「あ?お前のねーじゃん」
阿夏葉「ふっふっふ…」
俺はポケットをゴソゴソして、パンとおにぎりを二つずつ出した。
阿夏葉「予備だ!」
楓「用意周到かよ…」
楓は悩んでから、箸を取った。
そしてご飯を口に放り込む。
阿夏葉「美味いか!」
楓「あ、あぁ」
阿夏葉「今日は俺の手作りだぞ!褒めたまえ!」
楓「手作り!?お前、すげぇな…」
阿夏葉「たまに作ってんだ!母さん、出張のこと多いから」
楓「母さん…里親か?」
阿夏葉「おう!…なんで知ってんの!?」
楓「あ、いや、まぁ…」
阿夏葉「もしかして、ご飯ろくに食べれてないことと関係ある?」
楓「………」
阿夏葉「言いたくないなら言わなくていいぞ!
ただ、お前が話してくれるの待ってるから。力になりたいんだ。友達だし!なっ!」
楓「………と」
阿夏葉「?」
楓「あ、ありが……ッ…」
…可愛いかよッッッ
阿夏葉「ふっふっ、いつでも頼ってくれよな!ドンと来い!」
楓「…さっさと食うぞ」
阿夏葉「あ、ハイ」
少し、楓のことが知れた気がする。
楓が俺と会ったことがあることも確信に近付いている。
楓「…阿夏葉」
阿夏葉「ん?」
楓「今週の日曜、空いてるか?」
阿夏葉「? おう」
楓「話、聞いてくれるか?」
阿夏葉「…!もちろんだぜ!」
楓「じゃあ[漢字]男竹[/漢字][ふりがな]おとこだけ[/ふりがな]駅10時に集合な」
この駅名を聞く度思う。この世界を馬鹿にしてないだろうか、と。
てかこの駅名にしたの誰だよ。
阿夏葉「いえっさー!」
久しぶりに友達と出かけるな♪実に楽しみである!
〜帰り道〜
阿夏葉「ー…でな!今週友達と出かけんだぜ!」
悠斗「ふーん」
阿夏葉「それで明日のー…」
悠斗「ふーん」
阿夏葉「…?聞いてる?」
悠斗「俺先帰る」
阿夏葉「は!?ちょっ」
……何なんだ?
俺が楓と仲良くなり始めてから悠斗の様子がおかしい気がする。
阿夏葉「うー!」
李恩「どしたのお兄?」
阿夏葉「りお!アレは大丈夫なのか?」
李恩「うん。抵抗したらすぐ収まった。だから今日は学校行けたし」
そうなのか…珍しいな、あいつがすぐ引き下がるなんて。
阿夏葉「よかった…」
李恩「…で、何かあったの?」
阿夏葉「あぁ、悠斗がちょっとおかしくて…」
李恩「霧雨が?」
仮にでも誕生日は悠斗の方が早いんだけどな…。
李恩なんで悠斗のこと嫌いなんだろ?
阿夏葉「うん。新しく友達ができたんだけど、それから悠斗が急に冷たくなって…」
李恩「あー、それ嫉妬してるんじゃない?」
阿夏葉「しっと…?ってなんだ?」
李恩「えっ、そこから?
んー、嫉妬って言うのは…好きな人とか大切な友達が他の男・女と近付いてたら
ムカつく…みたいな?」
阿夏葉「俺が大切な友達だからってこと?」
李恩「…まぁそうかな」
阿夏葉「そうか…わかった!ありがとなりお!ゲームするか?」
李恩「する」
即答すぎだろ。
李恩「……お兄弱いね」
阿夏葉「ド直球にも程があるぞ!?」
李恩「ス○ブラじゃなくてモン○ンしようよ」
阿夏葉「おう、いいぞ!」
俺が弱すぎて飽きたのか…悲しいな…。
まぁ李恩が楽しいならいいんだけどさ…。
阿夏葉「えっ、メ○・ゼナじゃん!」
李恩「そうだよ」
阿夏葉「かっこよ!俺メ○・ゼナ好きなんだよ!」
李恩「わかる、かっこいいよね!特に血氣蝕烈状態がさ」
阿夏葉「わかりすぎる〜!りおやっぱ見る目あるわ!」
李恩「当たり前でしょ!ゲームのことなら任せてよ!」
李恩は引きこもっている間、ずっとゲーム尽くしだったのだ。
ゲームのことなら知り尽くしていると言っても過言ではないだろう。
阿夏葉「モン○ンにまさか追加コンテンツがあるとは…」
李恩「だいぶ前からあったよ?でもお兄他のゲームハマってたじゃん」
阿夏葉「え、嘘マジで!?言ってくれよぉ〜!」
李恩「ごめん。でもお兄とやりたかったし、残しといたの。偉いでしょ」
阿夏葉「偉い偉い!優しいなぁりおは!」
李恩「お兄大好き!けっこんして!」
阿夏葉「ふっ、冗談もいい加減にしろよな〜!てか俺ら未成年だし!」
李恩「むぅ…」
李恩よ、そういうのは好きな子に言うもんなんだよ。
俺はお兄ちゃんだからな!お兄ちゃん!
阿夏葉「うっわもうこんな時間じゃん!明日学校だし!りお寝るぞ!」
李恩「えー」
阿夏葉「えーじゃない!子供は早く寝ないとダメなんです!」
李恩「とか言ってもう11時だけどね?」
阿夏葉「見間違いではないでしょーか!!」
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〜朝〜
阿夏葉「ん〜っ!ふぅ…」
朝ご飯パンとコーンスープでいいか。
…?なんだろう、体がだるい気が…。
早くご飯…作らねぇとなのに…。
李恩「おは…えっ!?どうしたのお兄!?」
阿夏葉「り…りお…ハァ」
頭いてぇ…起きた時は特に何も感じなかったのに…。
李恩「顔あかっ!とりあえずベッド戻ろう!」
阿夏葉「いや…い…から…ハァパンだけたべ…がっこう…い…」
[大文字][大文字]ドサッ[/大文字][/大文字]
李恩「おおおお兄!?」
阿夏葉「ハァッハァッ…」
体熱い…上手く動かねぇ…これじゃ李恩に迷惑じゃん…。
李恩「とりあえずベッド…運べるかな…。とりあえずソファー…」
李恩がなんとか俺を担ぎ、ソファーに寝かせる。
阿夏葉「ハァッ…ハァッ…うっ…」
李恩に迷惑だけはかけたくない…!!
李恩「待ってて、今冷えピタと氷枕持ってくるから!」
阿夏葉「…りお…がっこ…はや…いけ…!」
李恩「は!?何言ってんのお兄!?このまま置いてけるわけないじゃん!」
阿夏葉「いいから…いけ…!!」
李恩「…やだ!意地でも行かない!何だよそんなに学校学校って…!
学校なんかよりお兄の方が大切だから!はい冷えピタと氷枕!」
阿夏葉「…おまえに…めーわくかけたくねぇ…」
李恩「何バカ言ってんの。こんなの迷惑に入らないから。」
めちゃくちゃしんどい…。でも李恩には学校に行ってほしい。
今まで俺のせいで行けなかった分、楽しんでほしいから。
阿夏葉「ごめんな……」
李恩「大丈夫だってば。おかゆ食べれる?解熱剤も飲んでね」
阿夏葉「うん…」
こういう時しっかり頼もしいんだよな李恩。
阿夏葉「ありがと…」
李恩「お兄、僕のこともっと頼ってよ。料理は簡単のしか作れないけど」
阿夏葉「……うん」
李恩「言ったからね!男に二言はないからね!!」
阿夏葉「………スゥ」
李恩「寝てるし…。…おやすみお兄。ゆっくり休んでね」
額に柔らかい何かが当たった気がしたが、気のせいだろう。
阿夏葉「…ん」
ガバッ
眠ってから何時間経っただろう。もう日が暮れそうになっていた。
阿夏葉「…今…何時だ…?」
少し体が軽い。解熱剤を飲んだからか。
李恩「…あ、お兄起きた?」
俺に気付いた李恩がこっちに駆け寄ってくる。
阿夏葉「りお学校は…」
李恩「? 行ってないよ」
阿夏葉「…俺のせいで…」
李恩「…僕、お兄の力になれて嬉しいよ。お兄はさ、一人で抱え込みすぎだよ。
一人じゃないんだよ。お兄には僕も母さんも霧雨もその友達もいるし」
あの李恩がこんなにかっこよく見える日が来るとは…。
阿夏葉「りお…。大きくなったな…」
李恩「ふふっ、何言ってんの。僕もう16なんだけど?」
阿夏葉「……そうだったな…」
16。俺らはもう16なんだ。
バイトだけじゃなく、就職も考えないといけなくなる時期。
阿夏葉「りおはさ、将来の夢とかある?」
李恩「急に?…あんまり考えたことないけど、プロゲーマー…とかかな」
阿夏葉「そっか…」
李恩「お兄はあるの?」
阿夏葉「…ないかな…。家族が幸せに暮らせればそれでいい」
李恩「本当はあるんじゃない?」
阿夏葉「……………ないよ」
孤児だった俺らに、幸せなんて訪れるはずがないと思ってた。
神様はいつだって残酷だ。
だから、今の俺には幸せ以外求めるものなんてない。
それしか考えられないんだ。
でも…もし…もしこの願いが叶ったら…。
阿夏葉「…………ははっ」
こんな夢、俺なんかが叶えられるはずない。
…さて、明日は楓と出かける日だし、体調を万全にしておかないとな!
阿夏葉「俺はもう一回寝るぞ!」
李恩「うん。おやすみ」
阿夏葉「おう!」
俺は再び眠ったのだった。