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ほぼ男しかいない世界で。

#10

李恩と俺の過去2

叔父「よし!じゃあ行ってくるよ!」

阿夏葉「ほんとに行くんですか」

叔父「うん。目の前に苦しんでる子供がいるのに、見捨てる親なんている?」

めっちゃいい人だな。

ゴミみたいな親の元に生まれたから「いい人」の概念忘れかけてたぜ。

阿夏葉「お、親って……」

叔父「僕もうすぐ親になるでしょ?君たちの。…あ、叔父?」

阿夏葉「えっと…まぁ家族ってことで…名前で…」

叔父「そうだね!僕まだ二十代だし?そうだよねお兄さんだよねっ!」

これ絶対兄設定で呼ばれたかった人じゃん…。

阿夏葉「はい。…じゃあ、くれぐれもボコボコになって帰ってこないでくださいね。
死ぬよりボコボコの方がまだマシかもしれないですけど。絶対に無事で」

叔父「もっと不安になってきたんだけど…?まぁいいや!行ってきます!
…っと、その前に。ナツくん、念のためー…」

行ってしまった…。無事で帰って来てくれるだろうか…?

というかなんであんなことを聞いてきたんだろ。

阿夏葉「大丈夫かな」

紅魔「んー?あー、心配ねぇんじゃね?叔父ちゃん元不良だし」

阿夏葉「え“っ」

叔父side

叔父「お願いします!着いて来てくれるだけでいいんです!」

「俺」はただ必死に交番の警官に頭を下げた。

元不良の俺に、「僕」なんて似合わないだろう。

でも、不良の自分を少しでも変えたくて、一人称から見直した。

警官「ですが…。…わかりました。とりあえず行ってみましょう」

叔父「っ…ありがとうございます!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ピンポーン

……ガチャ

柊父「何…警察!?」

警官「突然すみません。この方からあなたのお子さんが虐待を受けていると通報
がありまして…。少々お話を聞かせてもらえればと。それと、この方があなたに
交渉したいとのことで」

柊父「はぁ!?俺今むしゃくしゃしてんだよ![小文字]チッあいつら逃げ出しやがって……[/小文字]」

虐待を受けていたのは事実か…。

…正直、めちゃくちゃ腹が立つ。近くにいておきながら、何もできなかった自分に。

そして、自分の子供をああなるまで殴る親。

一体、あの子達が何をしたと…。一体、あの子達はどれだけ辛い思いを…。

怒りしか湧き上がってこない。

叔父「あんたの子供は俺が預かってます。今日はその件について話し合いに来ました」

父「そうか。生憎だがお前と話すことは何もない。早く返せ」

こいつ、子供を物みたいに…!

叔父「いいえ。あの子達はしばらく俺が預かりします。意地でも。
…お願いします。あの子達を俺に預からせてください!」

柊父「無理だ。あいつらは俺のサン…息子なんだよ!」

サンドバック…と言おうとしたんだろうな。

子供をあんな目に合わせていながら、のうのうと生きて…。

叔父「っ…!あんたは自分の子供をサンドバックしにか思ってないんだろ!
自分のストレスを発散するための人形でしか!!
あの子達が今までどんな思いで耐えてきたかあんたにわかるか!?
わからねぇだろうなぁ!体はあざだらけで!風呂にトラウマを持ち…!
あんたはそれでも親ヅラできるんだな!?自分の罪を棚に上げて!
これからも生きていくんだろ!なぁ!?」

柊の胸ぐらを掴む。殴って顔をぶっ潰してやりたかったが、できなかった。

それじゃあこいつと同じだ。

だが、俺の怒りは収まるどころか、どんどん膨れ上がった。

警官「ちょ、ちょっと落ち着…」

叔父「落ち着く!?なんで!?こいつは許されないことをしたのに!?
目の前で起こっている物事を片付けるだけ!?あんたらはいっつもそうだッ!
目の前の事態だけを捉えて!!正しい判断をした人を否定して!!
「なんであんなことしたの」だの「黙ってちゃ前に進めない」だの!
自分の正義に酔ってるだけじゃねぇのかよ!?
あんなにも苦しんでいる子供がいるのに!子供だからって信じない!!
何もできないなら…「落ち着け」しか言えないのなら!!さっさと消えろ!!」

言葉を言い終えた後でハッとした。

強く言い過ぎてしまった。ここに連れて来たのは俺なのに。

叔父「すみませ…っ」

警官「…あ、えっと…。大丈夫です。すみません。
私は新入りなのでまだどうしたらいいか…でも、あなたが言っていることはもっともです。
…全責任は私が背負います。警官として…柊さん、あなたを暴行罪、傷害罪などの疑いで逮捕します」

警官が柊に手錠をかける。

柊父「なっ…ちょっと待て!証拠がないだろ!」

警官「あなたの子供の体を調べれば、すぐにわかることです。
えっとあの…また後でその子供達の体を調べに訪問させてもらいますね!」

柊父「お、おい!待て!謝る!謝るから!」

必死に抵抗する柊だが、すぐ近くに到着したパトカーに乗せられ、抵抗力を失った。

叔父「…ふぅ…無事に済んだみたい…。…あ〜!怖かった!早く帰ろ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
阿夏葉side

叔父「たっだいまぁ〜⭐︎」

紅魔「お!叔父ちゃん!無事だったんだな!」

叔父「もちろーん!ボコられてもないよ!
て言うか、ボコったのはこっちって感じかな」

李恩「え」

叔父「あ、違うよ?
不良時代にバッ○トゥーザ・ヒューチャー(?)したわけじゃなくてね?
言葉でこう…バキッと」

阿夏葉「なるほど。とにかく、無事でよかった。ありがとうございます」

叔父「全然!親父さん逮捕されたし、もう大丈夫。
あと君たちの体調べるために警察来るからね」

逮捕だって!?ほんとにこの人は…。

阿夏葉「逮捕まで…本当にありがとうございます!」

叔父「いーえー。こちらこそ、力になれてよかった。
そうだ、僕これからお兄さんになるんだよね!名前?それとも兄貴?」

阿夏葉「うーん…。りおどっちがいい?兄貴二人できるわけなんだけど」

李恩「名前でいいんじゃない?」

叔父「おっけー。僕、春夜って言うんだよね。小森 春夜。
カフェ経営してるから、今度遊びにおいで。改めてよろしく」

めっちゃ失礼なんだけど…この整いすぎている顔に小森は似合わなくないか?

阿夏葉「春夜さん。よろしくお願いします」

春夜「あは、かたいかたい。春夜でいいよ。敬語もやだ」

阿夏葉「わかった。これからよろしく、春夜」

李恩「よろしく。もう猫被らなくていいよ」

李恩さん!?

春夜「…聞いたんだ?」

李恩「うん。紅魔とかいうやつから」

春夜「そっかぁ。あはは、似合わないよね!不良が善い人ヅラしてさ」

阿夏葉「そんなこと思ってないよ。春夜はかっこいい。憧れる!」

春夜「え、えー…照れるなぁ」

李恩「僕もそう思う。他人なのに、こんなにも尽くしてくれたし。
春夜は悪い人じゃない。だから、本音で話したい」

春夜「ありがとう。そうするわ」

おう、カッケェな。

…そうして、何年か過ぎた。俺たちにはシングルマザーの里親が見つかり、
春夜のカフェに遊びに行ったりしながら、今は元気に暮らしてる。

だが、李恩の中にいる“何か“のことはまだ謎なのである。

作者メッセージ

ちなみにですが、阿夏葉たちの家系は珍しく、女性の母親がいます。
里親も女性。大体男×男なんで珍しいですね。悠斗や紅魔の両親は男×男です。
どっちが母親とかは基本ないです。男女の夫婦にのみあります。ややこしいっすね。

2026/03/29 12:19

夢楽 ID:≫ 6sK3RUjRIWMA2
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